TOP_Topics 再開発、ここに注意

(147)準備組合は「正確な情報発信」を!

投稿日:2022年8月1日

準備組合はなぜ「自分たちが常に正しい!」のか?

住友不動産が首都圏各地で深く関与する「準備組合」には共通点があることが各地の団体との意見交換でわかってきました。
それは、地元地権者が問題点を指摘しても、「丁寧に説明はするが、正しいのは常に準備組合であり、譲歩するのは地権者側だ」との「上から目線」的な姿勢です。そこにあるのは、ただただ「現状のままご理解を賜りたい」と言う「ゴリ押しの姿勢」であり、本来、対等で公平な議論の前提である「是々非々の姿勢」が準備組合には欠如していることがわかってきました。
このような態度を示す準備組合と議論しろと言われても無理な話です。

準備組合はなぜ「是々非々の議論をしない」のか?

地権者側が核心に迫る質問をしても、準備組合はなかなか是々非々の議論をしようとはしません。それどころか、彼らは機関紙などを通じて、「正確でない情報が発信されている」、「無責任な情報が流布されている」などと言い出し、質問者側を批判することで論点をそらそうとさえします。再開発事業の窓口であることを自負し、しかも「地権者の皆さまの組織」であることを標榜する準備組合としては極めて不合理な対応だと言わざるを得ません。「正確でない情報」や「無責任な情報」を発信しているのは、実は準備組合側だったと言う事実も確認されています。
例えば、トピックス145で報じた、「地権者に災害への過度の不安を煽る行為」はまさに準備組合による「正確でない情報」の流布です。
またトピックス146で報じた、「準備組合理事が個人情報満載の図面を社会へ公開した行為」はまさに「無責任な情報」の流布です。
繰り返しますが、このような態度を示す準備組合側と議論しろと言われても無理な話です。

準備組合は根拠に基づく「正確な情報の発信」を!

地元地権者が核心に迫る内容の質問を準備組合へ投げかけても、彼らからは「約束しています」、「覚書を締結しています」、「懸念には及びません」などと言った観念的な言葉ばかりが返ってきます。その一方で、彼らは具体的事実に基づく根拠を示そうとしません。また地権者へ安心感を与えようとする目的なのか、「住友不動産とは覚書を結んでいる」などと言う発言が随所で出て来ます。しかし、その覚書の中身について地権者へ公開しようとはしません。

「覚書は見せないが、どうか準備組合を信じてほしい」

そう言わんばかりの準備組合ですが、そのような彼らを果たして信じることが出来るでしょうか?
地権者にとり、何より重要なのは客観的事実の確認です。
ご存じの通り、準備組合は一般に法的責任も負えぬ単なる任意団体にすぎません。そのような準備組合が、根拠に基づく「正確な情報の発信」さえ行なわないとなれば、もはや準備組合に存在意義があるのか疑問です。

「正確な情報」の発信は再開発の大前提!

再開発は私たちの税金も投入される公共性の高い事業です。
その事業の「事業者」を標榜する準備組合が「正確でない情報」を発信するなどあってはならないことです。
準備組合が発信する情報は、全て「客観的根拠」を明らかにした上で発信されなければなりません。理由ははっきりしています。
根拠なき「不正確な情報」の流布は、地権者を誤った方向へと導きかねないからです。

正しい情報であれば歓迎

準備組合が「客観的根拠に基づく正確な情報」を発信するのであれば地権者も歓迎することでしょう。
理由ははっきりしています。
正確な情報であれば、地権者は再開発に応じるべきか否かを冷静に判断できるからです。

しかし一方で準備組合は任意団体に過ぎない…

準備組合が「正しい情報」を発信することはもちろん大切です。
しかし、準備組合が一般的に法的責任も負えない任意の団体である点を踏まえると、そのような団体へ、地権者の大切な資産の処分を託すこと自体が常識的に考えても無理な(=リスクのある)話となります。
地権者が不動産取引で損をしないためには、「資産のリスク管理」の見地からも「信頼できる取引相手を選ぶ」ことがどうしても重要となります。このことは何も不動産に限らず、世の中のほぼ全ての取引の基本です。この観点から言えば、地権者が相手とすべきは、当地区に於いては実質的な事業主体である住友不動産となります。残念ながら「準備組合」ではありません。
制度上、「どうしても準備組合が窓口となる」と言うのであれば、住友不動産の裏付けが必須です。
理由ははっきりしています。
法的責任も負えない任意団体(=準備組合)から、いくら言質を引き出しても、それは「絵に描いた餅」となりかねないからです。

まとめ

地権者は損をしてまで再開発取引に応じたいとは思いません。
従い、準備組合が客観的な根拠に基づく正確な情報発信を地権者に対して行うことはとても重要です。
正確な情報があれば、それをもとに地権者は再開発に応じるべきか否かを冷静に判断することができるからです。
「都合の良い情報は流すが、都合の悪い情報は遮断する」といった公平性を欠く行動をとる準備組合に、もはや存在価値などありません。
さて皆さまの地域の準備組合はどのような状況でしょうか?

-TOP_Topics, 再開発、ここに注意

関連記事

(56)地権者必見!再開発の破たん事例(その2)

トピックス(55)にて取り上げた岡山県津山市での「再開発事業破たん」事例は、その後二十数年が経過した現在でも強い「説得力」を持ち続けているため、引続き「続編」として事実関係を中心に全国の地権者の皆さま …

(183)「再開発」に依存し続けることのリスク

今回は各地の「マンション区分所有者」の皆さまへのメッセージです。 当地区で現実に起きている問題を参考に、是非とも「マンションの災害リスク」について今一度お考え頂ければと思います。 当地で住友不動産が進 …

(53) 行政の「事なかれ主義」(その2)

本トピックスは(52)行政の「事なかれ主義」 からの続きです。 港区の誠意なき回答に落胆した地権者を含む地域住民442名の代表は、地域に於ける関連2団体と連名にて 即座に港区の担当課長へ抗議文を送付し …

(176)再開発のカラクリと手口を順次公開!

カラクリとは相手方に知られぬよう巧みに細工するその仕掛けのことを言います。一方、手口とはそれを進めるためのやり方を言います。 再開発業者にもよるのでしょうが、一般に再開発(第一種市街地再開発事業)は、 …

(63)住友は本当に「保留床」を買うか?

コロナ禍以降、「保留床」の買手が果たして現れるのかと言う問題が地権者側の新たなリスク要因として浮上し、メディアでも頻繁に報じられるようになって来ました。 理由は明確です。コロナ感染拡大による社会経済情 …