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(230)再開発業者の莫大な「含み益」を日経新聞も報道!

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当HPが8月22日に掲載した(229)港区でも再開発業者の「ぼろ儲け」が発覚か?(検証編)では、

三菱地所が芝3丁目の再開発事業で1,850億円もの「含み益」を得る

との試算結果が出たことを報じました。
偶然にも同じ日に発行された日本経済新聞(朝刊)も当HPと同様に不動産大手が再開発事業で莫大な「含み益」を得ている実態を報じ、とりわけ

三菱地所は昨年、業界最大の4兆8,499億円もの「含み益」を得た

と報じました。(2024年8月22日付「日本経済新聞・朝刊」)(注1)

三菱地所が芝3丁目以外の再開発事業でも同様に莫大な「含み益」を得ていた可能性があることが裏付けられた形です。
「含み益」(=開発利益)の多くは、本来は地権者に帰属すべきものであるだけに地権者はこれを問題視すべきではないでしょうか?

(注1)残念ながら著作権法上の制約があり、記事をそのまま当HPに掲載することはできませんのでご了承ください。尚、記事は住友不動産の「含み益」についても言及していますので、是非とも日経電子版や日経テレコン等をご活用頂くか、或いは図書館等にてご閲覧ください。

業者の莫大な「含み益」は社会的に許されるのか?

私たちは資本主義の世界で暮らしていますから、営利目的で再開発を進める民間不動産業者がいくら儲けようと基本的には彼らの自由です。
しかし再開発の場合は少々事情が異なります。再開発(第一種市街地再開発事業)は地権者が主体となり、自ら事業リスクを引き受けながら進める事業ですから、再開発事業により得られる「開発利益」は本来は地権者側に帰属すべきものであり、それを「含み益」の形で再開発業者側が取り込むのだとすれば問題だと言わざるを得ません。
更に言えば、再開発は補助金(=市民の税金)まで投入して進められる公共性の極めて高い事業ですから、そのような事業において事業者ではない民間の不動産業者が最終的に総事業費をも上回る莫大な「含み益」を得ることが妥当なのかを社会全体で議論する必要があります。(注2)

(注2)そもそも再開発の初期段階から「事業協力者」として地権者側に寄り添ってきた筈の再開発業者。その業者が、終盤になると今度は地権者とは利益相反関係にある「参加組合員」としての姿に変身し、自らが「事業協力者」時代に築き上げた「開発利益独占」のための様々な仕掛けを使い保留床を激安価格で独占し、自社に「莫大な含み益」をもたらすと言う構図。地権者はもちろんのこと、納税者も含め社会全体がこの歪な構図に気付くべきではないでしょうか?

三菱、住友、三井3社の「含み益」合計は12兆円!

日経新聞は昨年度の数字だとしてそのように報じました。
一方、当HPが
トピックス(217)及びトピックス(229)で行った試算では、
① 南池袋二丁目で住友不動産の「含み益」が1,364億円
② 芝三丁目で三菱地所の「含み益」が1,850億円
僅か2か所の試算数字ながら、その合計額は3,214億円にも上ります。
統計の「年度」は異なるものの、これは日経記事が報じた大手3社の「含み益」合計額12兆円の3%弱に相当する額です。決して小さな数字ではありません。
両現場の地権者数を足しても300人程度でしょうから、単純計算すれば一人当たり約10億円にも上る莫大な「含み益」です。

3,214億円÷300人≒10億円/人

もちろん再開発業者側にも営利企業として正当な「利益」を得る権利はあります(因みに、マンション分譲の世界では販売額の20%程度が分譲業者の取り分だと言われている)。しかしその分を差し引いたとしても、地権者側に1人当たり数億円規模の取り分(=開発利益)が残ることに疑いの余地はありません。

「事業協力者」を名乗る再開発業者側から長期に亘り何度も「地権者は等価交換して終わり」だと聞かされ続けることで、しまいには「それが真実だ」と信じ込むようになり、終わってみればせっかくの開発利益を「含み益」の形で再開発業者にすべて持って行かれてしまうのが現行再開発事業の実態です。この仕組みが如何に地権者にとり不平等であるかがおわかり頂けるかと思います。

まとめ

今回の新聞報道で、改めて気付かされた点があります。
それは首都圏各地で、

住民の土地資産が、急速なスピードで
「再開発」と言う美名のもとに、
半ば強制的に再開発業者側へ移転されて行く

実態があるのではと言う現実です。
事実だとすれば、

開発利益を享受出来ない地域住民は
「再開発」で益々貧しくなって行く

ことになります。これは財産権を軽視した深刻な社会問題だと言えます!
このような現状を国や行政が放置したままで良いのでしょうか?
地権者が自らこの現実に気付き、声を上げないことにはなかなか現状を変えることはできません。
当HPでは、この問題を引き続き社会へ提起して参りますので、皆さまのご支援と情報提供をよろしくお願い致します。

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