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(6)再開発は6年で終わる?

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事業者側が作成した資料のなかで、「再開発は15年かかるものだと聞いていますが、本当ですか?」の質問に答える形で、「いいえ、都市計画決定から6~7年程度で完成する想定となっています」と記されています。

しかし、本当に6~7年で完成するものなのでしょうか?

これは決して嘘ではありません。しかし彼らの言葉のトリックに注意が必要です。

彼らの言う6~7年と言うのは都市計画決定(都決)後の期間を示したにすぎません。一方、泉岳寺再開発計画の場合はまだ「都市計画決定」にすら至っていないのです。ですからこれを同じ土俵で比較しようとすること自体が不自然であり、地権者に誤った情報を与えかねません。

起算日が「都決」からとなっているので嘘ではないのですが、都決まで何年かかったかには触れていません。おそらく長すぎて触れられないのでしょう。地権者を賛成の方向に誘導させようとする意図が見え隠れします。

因みに、東京都港区・麻布十番近くに位置する「三田小山町(西地区)」の再開発では、準備組合設立から都決まで実に22年かかっています。そして都決から3年が経過した現在も組合は設立されていません。25年かけてまだ組合も設立されていないのですから、竣工までは30年以上かかる計算となります。

再開発は実に息の長い事業なのです。30年は長すぎるとしても、それを事業者は「都決から6~7 年」などとまぎらわしい説明をするのですから不適切と言わざるを得ません。地権者はまぎらわしい情報で誤った人生設計を立てることにもつながりかねません。特に高齢者への影響は甚大です。6年だと思っていたら20年もかかったとなれば人生取り返しのつかない事態となりかねません。

「富士山は6~7時間もあれば登れるよ」と聞かされて調べてみたら、それは「5合目の登山道入り口からの所要時間だった」と言うのと似ています。

私たちはまだ富士山のふもとにいて、そこから頂上まで歩いて15~20時間はかかるのです。それを「登山道入り口から6~7時間で登れますよ」と言われているに等しいのです。よく考えればおかしいとわかるのですが、初登山の素人は「すぐそこに登山道入り口がある」と勘違いしがちです。

私たちも再開発の素人ですから「都決から6~7年」と聞かされれば勘違いしかねません。地権者に誤解を与えるような説明は今後差し控えて貰いたいものです。フェアではありません。

【編集後記】

事業者から提供される資料はこのように都合よく加工された情報が多いので注意が必要です。その具体例については別トピックス欄にても多数取り上げます。

もし彼らの情報を額面通り受け取り、同意書へ捺印してしまったとしたら、どうなるかを良くお考えください。同意するかしないかは皆様ご自身が決めることです。しかし、これは地権者の大切な資産に係る問題です。印を押す前には、近所の皆さまや専門家の方々ともよく話し合ってみてください。事業者から良い話を持ちかけられたら必ず書面で取りつけて下さい。事業者の評判についても調べて見てください。事業者と過去に取引経験のある知り合いなどがいれば、是非どうだったか尋ねてみてください。そして一番重要なことは、ご自身で理解し納得しない限りは決して同意書にはハンコを押さないと言うことです。

 

(注)当ホームページで使用する「事業者」又は「開発事業者」の用語は、住友不動産の他、再開発推進に携わるコンサル、設計事務所、その他関係企業や個人を包括しています。

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