行政等の動向

(行-8) 同意率かさ上げに港区も加担か?(3)

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港区・担当課長の不可解な答弁に区民も注目!

「虎ノ門1丁目東地区」の再開発(住友不動産、日土地、UR)では、昨年、「都市計画決定」の申請に際し、事業者はその前提となる「地権者同意率80%」が達成されたと見せかけるため、事業者側が所有する「1筆の土地を5筆へ分割」することで同意者数を意図的に5倍に増やしたのではとの疑惑が持ち上がりました。

この疑惑は都市計画決定を審議する「港区都市計画審議会」に於いても議論されました。港区は審議会の席上で、分割は「法律上の問題はない」との立場から、これを是認する姿勢を堅持したものの、区の担当課長の答弁は、私たち区民にとっては「疑惑をいっそう深めかねない」結果をもたらすものでした。

先ずは、議事録から確認された以下の主旨のやりとりにご注目下さい。

【委員】
同意率が80%を超えたことの詳細を教えてほしい
【手島再開発担当課長】
仮に分筆が無かったとすれば同意率は77.5%になる。
ちょっと説明が遅れてしまったが3日前に準備組合から同意者が2
名増えたとの連絡を受けた。これを含めれば80%を超える。
【委員】
20.81㎡や13.68㎡と言った「家も建たない」広さにまで細切れ分割したことが、「同意者数を増やすためではないか」と議論されている最中に、「新たに同意者が2名増えたから80%を超えました」とはどう言うことか?そもそも「2人増えた」ことなど、今、この審議会の場で初めて聞いた話だ!

区民が事実関係の解明に乗り出す

審議会の席上で初めて発せられた「準備組合から同意者が2人増えたとの報告を受けている」なる答弁は、「区は同意率が80%に達していなかった事実を事前に知っていた」可能性を想起させるに充分な発言であり、突然、委員から質問を受けたため、再開発担当課長があわてて発した「急場しのぎの答弁」であった可能性も否定はできません。
質問した委員も「初めて聞く話だ」と驚く様子が議事録にも記録されています。手島氏の答弁がいかに不自然なものであったかがうかがわれます。

さて、区はその後も「同意者が2名増加した」ことの根拠を区民へ開示していません。このため区民からは「やはり嘘だったのでは」との意見も出て来ています。もし事実だとすれば、行政への責任が問われるだけでなく、行政への信頼性をも揺るがす事態となりかねません。
そこで区内7つの住民団体で構成される「再開発・区民の会」は、港区に対し、真実を知りたいとして新たに2022年2月18日付にて公開質問状を提出しました。(添付ご参照ください)

まとめ

「土地を分筆して同意者を増やす」行為は
再開発事業におけるまさに「禁じ手」です!
ましてや、事業者側の所有地でこれが行なわれたとすれば大問題です。もしこのような行為が行政により是認されるとなれば、それこそ区内のすべての再開発事業は、最初から結論ありきの「出来レース」となってしまいます。そのような事態とならぬよう、行政監督官庁として、日頃から公平・公正、且つ透明性ある再開発行政を行なって行くのが「港区」の責務ではないでしょうか?

残念ながら、今回、港区が取った行動は「分筆の是認」でした。
しかも、分筆がなければ「80%の同意」が未達であったことが明らかになると、手島再開発担当課長はすかさず審議会の場で「同意者が2名増加した」なる答弁を行い、「80%が達成されたこと」を強調したのです。しかし、港区は今もその根拠を開示していません。
その結果、「あの発言は嘘だった」と考える区民も出て来ています。

そもそも港区は再開発事業(=第一種市街地再開発事業)を「地権者が自らの発意と合意により、協同で進めて行く街づくり」だと定義付けています。
しかし、実態はどうか?
「地権者不在のまま、業者と区との協議により進められる街づくり」と化してしまってはいないか?
区は自らが定義付けた再開発事業を自らの行動で形骸化させるようなことがあってはいけません。「有言不実行」は許されません。

区民は注目しています!

(備考1)「港区都市計画審議会」は、都市計画に関する区長からの諮問事項等を審議するために設けられた機関で、現在は学識経験者9名、区議会議員6名、その他4名の合計19名で構成。今回の事案は2021年2月4日の審議会で議論がなされています。
(備考2)本トピックスでは港区の担当課長名を公表していますが、区職員が公務の一環として行なった行為に関しての氏名公表は問題無いことを港区・情報公開担当部局へ確認済です。尚、今回の引用元である「港区都市計画審議会議事録」は、既にインターネット上でも実名が記載された形で公開されております。
(備考3)今回の「土地分筆問題」の他、「同意者数が過大計上」された疑念も浮上しており、こちらも未解決のままとなっています。(地元地権者団体は「非同意者の数」を氏名と共に正確に把握しているが、この数字が港区作成の集計表の数字と一致しない問題が生じている)
2022年2月18日

港区 街づくり支援部
再開発担当課長 ■■■■ 殿

港区へ公正で透明性ある再開発事業の
審査・手続を求める区民の会
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■■■■■
■■■■■
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(虎ノ門1丁目東地区市街地再開発)
都市計画決定に於ける区の不透明な処理に関する公開質問(1)

頭書の再開発事案では、都市計画決定の申請前に事業者側の所有する土地が分筆されたことで地権者同意率がかさ上げされた結果、「80%の地権者同意」が実際には得られていなかったにも係わらず「都市計画決定」が実行されたのではとの疑いが生じていることは貴所もご存じの通りです。就きましては、この件に関連して、貴所へ以下の質問をさせて頂きます。

2021年2月4日に虎ノ門1丁目地区市街地再開発事業の都市計画決定を審議する「第245回港区都市計画審議会」が開催されました。
同審議会では、ある委員が港区に対し「地権者同意が80%を超えたこと」を詳しく説明するよう求めました。
これを受け、港区の手島再開発担当課長は「分筆がなければ同意率は77.5%」だと認めた後に、「(3日前に)準備組合から同意者が 2 人増えたとの報告を受けたため、結果として同意率は80%を超えた」と答弁。しかし同委員は「初めて聞いた話だ」と発言しています。

私たちは手島課長のこの答弁を疑問視しています。
審議会の僅か3日前に受けた報告を十分に精査する時間は果たしてあったのか?如何なる形で「2名増員」の事実を検証したのか?
更には、審議会の席上で委員から「80%の地権者同意」があったことの説明を求められ、分筆がなければ77.5%だと答弁した後に初めて「新たに2名の同意者」の存在を明かし、結果として80%を超えたと答弁するなど、極めて不自然な答弁であると考えざるを得ません。
「80%の同意率」に関し、委員から説明を求められたのでとっさにそのように答えた。もし質問されなければそのまま黙っていた可能性もあった。区民がそのように考えても決して不自然ではありません。
しかも手島課長は2名増員の答弁に際して「ちょっと説明が遅れてしまったんですけれども」なる発言までしています。(議事録より)
「地権者の同意率」は第一種市街地再開発事業の根幹をなす極めて重要な要素です。「ちょっと説明が遅れた」ですまされるような軽々しい問題ではありません。もはやこれは区の担当課長としての不作為の域を超え、実際には「80%には達していなかった」事実を隠すための答弁であったのではとの疑念も区民の間から出て来ています。
実際、区はその後も「同意者が2名増加したことの根拠」について詳細を私たち区民に対して開示していません。
80%の同意率は法的要件では無いとは言え、区内では事実上の基準となっています。複数の団体や組織から事前に疑義が指摘されていた以上、区はこの点の検証を曖昧にしたまま、都市計画決定を独自の判断で実行したと見做されても不思議ではありません。すべては港区の「不透明」な処理がもたらした疑念だと言えます。

もしそのような疑念が事実ではないと言うのであるならば、港区は「同意率」の算出が客観的事実のもとに、公平・公正、且つ透明性を持った形で実行されたことの説明を私たち区民が理解し納得できる形で行なって頂きたく存じます。

尚、貴ご回答に際しましては、恐縮ながら、「港区が確認したのだから区民はそれを信じてほしい」と言った観念的な説明や「80%の同意はそもそも法的要件ではない」などと言った杓子定規な説明はお控え頂きますようお願い申し上げます。
私たち区民が知りたいのは、区の弁明ではなく、同意率の算出が客観的事実のもとに、公平・公正、且つ透明性を持った形で港区により実行されたことの確認です。本件は、今後、区内全域の再開発案件にも影響を及ぼし兼ねない問題だけに、港区はこの点を区民へ説明する責務があります。就きましては、区民が理解し納得できる形でのご回答を賜りたく、この段、宜しくお願い申し上げます。

【連絡先】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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