「演出」とは、ある結果を狙ってものごとの進行に意図的に操作を施すことを言います。舞台照明や音響設備の演出ならまだしも、地権者の大切な資産に係わる問題で、実態と異なる演出などされたら地権者はたまったものではありません。
残念ながら、住友不動産が首都圏各地で関与する再開発の現場では、地権者を再開発へ誘導するための「数字の演出」と疑われる事例が、地元地権者団体との情報共有の結果、次々と判明し、もはや泉岳寺固有の問題ではないことが明らかとなって来ました。
またこのように各地の再開発現場で「演出」が疑われる事例が次々と指摘されながらも、住友不動産の名前が表に出てくることは無く、全てを各地域の「準備組合」と言う「信用」も「実績」も「賠償責任能力」もない任意団体にこれを担当せしめていることもわかってきました。
事例①:高い「同意率」の不思議
最近、港区内のある住友再開発の現場で発行された準備組合ニュースにおいて「同意率が70%を超えました」なる明記がなされました。しかし、そこに具体的な算出根拠は記されていません。
記事を読むと、「皆さまからのご理解を頂き、現在70%を超える権利者様から同意を頂いております」と記載されています。たぶん「嘘」ではないのでしょう。しかし「皆さまからのご理解」を拡大解釈すれば、いくらでも同意率を増やすことが出来てしまう点にご留意下さい。
この手口を使えば、住友側が発する「再開発もまんざら悪くはないですよね?」との誘導質問に地権者が「うなずく」だけで「同意した」と見做すことだって出来てしまいます。
正確な算出根拠も示さぬまま単に「同意率が70%を超えました」なる記載を行えば、あたかも「70%を超える地権者が同意書に捺印したのか」との誤った印象を地権者へ与えかねず、公平・公正の観点からも極めて問題です。
算出根拠を明確にするのは常識です。準備組合の背後に住友不動産がいながら、このような表現をせざるを得なかったところに住友不動産の意図的な「演出」が垣間見えます。各地で類似の事例が地権者団体により確認されていることから、もはやこれは「準備組合」固有の問題と言うよりは、住友不動産による組織的な「演出」であることが推測されます。
事例②:高い「準備組合加入率」の不思議
各地の「準備組合」は、どこも早い段階から「80%」などと言った高い加入率を誇示することがわかっています。こちらも過去のトピックスで指摘したとおり、根拠を示さぬままでの意図的な「多数演出」が強く疑われており、額面通りに数字を受け入れるべきではありません。
特に泉岳寺のような、マンション区分所有者の多い地域では、高い加入率の裏に「管理組合単位で準備組合へ加入させることで、区分所有者全員を準備組合加入者と見做す仕組み」が存在することもわかって来ました。多くの地権者がこの矛盾を指摘しています。
これも住友側による「高加入率演出」の典型例だと考えられます。
事例③:マンション区分所有者は特に注意!
過去にも報じました通り、区域内にマンションがあると、事業者が先ず着手するのは、マンション管理組合側の理事長や役員等を再開発準備組合の理事に迎え入れることです。そしてその人物が中心となりマンション内の区分所有者に対し様々な「演出」を行う事で再開発賛成へと誘導しようとする実態が、情報共有を通じてわかってきました。
上述の、「同意率が70%を超えました」、「準備組合加入率80%」と言った「演出」に加え、マンションの場合は、更に「理事会報」などで「アンケート調査結果:再開発90%」などと言った「演出」が行われることも報告されています。さて皆さまのマンションはどうでしょうか?
皆さまのマンションで、
あたかも「再開発が前提」であるかの
議案や回覧が館内で回り始めたらご注意下さい!
住友不動産は営利目的で再開発を進めようとする業者です。
彼らが喉から手が出るほどほしいのは地権者の都市計画決定への「同意書」です。何故なら地権者の同意が集まらない限り再開発を進めることはできないからです。
そこで住友不動産は準備組合を使い、あらゆる手段を講じて地権者を再開発賛成へと誘導しようと試み、結果として実態とは異なる意図的な「演出」が行われるのだと考えています。しかし、あたかも「住民の大多数が再開発を望んでいる」かの誤った印象を地権者へ与えるような「演出」は、公平・公正の観点からも極めて問題です。もはやこれは泉岳寺と言う狭い地域固有の問題ではないため、今般、各地の住友関連の地権者団体が連携して警戒にあたることとなりました。
皆さまも、業者による「数字の演出」にはくれぐれもご注意下さい!
この件に関連したYouTube動画を配信していますので是非ご視聴下さい。(画面クリックにて動画サイトへ飛びます)