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(111)なんと中野でも「水増し」が!そして訴訟へ…

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住友不動産が関与する再開発事業には
「数字の水増し」を巡る疑念が数多く存在!

そのような実態が、各地の地権者から寄せられる情報から見えてきました。

前トピックスでは、住友不動産、他2社が協同で進める都内港区の「虎ノ門東地区1丁目」再開発事業において、都市計画決定の申請直前に事業者側が所有する1筆の土地が細かく分筆され「同意者数の水増し」が行なわれたとして問題となり、港区も巻き込み調査が行なわれていることを報じました。

なんと都内中野区でも「水増し」が!

住友不動産が、他1社と協同で進める「中野4丁目西地区」でも「同意者数の水増し」問題が発生していることが明らかとなりました。しかも同地区では明らかな水増し行為があったとして地権者有志が準備組合を訴える民事訴訟にまで発展しています。


出所:skyskysky.net
赤枠部分が「中野4丁目西地区」)

中野4丁目西地区でいったい何が起きたのか?

ここでは虎ノ門で行なわれたような「土地の細切れ分筆」ではなく、「不当に水増しされた準備組合加入率」を根拠に準備組合が臨時総会を開催し、そこで再開発推進決議を行ったことから、これを問題視した住民側が、水増しされた加入率を根拠に都市計画決定を申請しようとした準備組合を相手取り、東京地裁へ総会決議の取り消し等を求め提訴する事態へと発展し、現在も係争中です。

中野区は「準備組合加入率」を重視

都市計画決定の実行に際しては、本組合の設立時とは異なり、同意率に関する厳密な法的要件は存在しません。そこで達成すべき「同意率」に関しては各自治体が独自の基準を設定しています。
中野区においては、「同意書」が重視される港区とはやや異なり、「準備組合加入率」が重視されると言った状況にあるようです。

そこで中野4丁目西地区の準備組合は

「組合加入率75%。全員が賛成」

と言う、事実とは異なるデータを作り上げ、これを準備組合の総会で決議して都市計画決定の申請を行なおうとしたのだそうです。
しかしこの決議は準備組合員からも不審感を買い、組合員が次々と準備組合から脱退。地元地権者有志が詳細を調査したところ実質的な加入率は僅か50~55%にすぎないことが判明したと言う事件です。

【事業者側の主張】
●権利者総数は40名。
●内、準備組合会員は30名。
●全員が賛成者
●従い、同意率は75%(30÷40=75%)

この主張を不審に思った準備組合員6名が準備組合から脱退。
地元地権者有志があらためて地権者一人一人の意向を調査したところ、準備組合からの「脱退者」及び「組合員だが再開発には反対する権利者」が合計8名もいる事実が判明。
この結果、準備組合側が主張した「組合員の賛成者30名」は、実際には「22名」(=地権者全体の55%)であったことが判明。
更に22名の中には住友不動産を含む再開発事業者2名が含まれているため、この2名を差し引けば地権者の僅か50%(=半数)しか再開発に同意していなかったことになる計算。

【地元地権者団体の調査結果】
●権利者総数は40名。
●内、賛成する準備組合会員は22名。
(30-8=22)
●従い、同意率は55%(22÷40=55%)
●尚、22名には住友不動産など事業者も
2名含まれるため、これを差し引けば実質的
な地元同意者は22-2=20名。
即ち、同意率は50%(20÷40=50%)

それにしても、
実質的な同意率が50%55%と言った低い率であるにも関わらず、それを「75%が同意した」として都市計画決定を申請しようとしていたならば、現実を無視したひどい話だと言わざるを得ません!

そもそも50%55%と言う同意率は、「本組合」設立の法的要件である「2/3以上の同意」すら満たさないプアな数字です。
とても「地権者の合意形成により再開発を進める」などと言えるような数字でないことは明白です。

このように、実態とかけ離れた高い同意率を意図的に演出しようとした事業者側の行為は、もしこれが事実だとすれば、地権者の意思を無視した行為であることは勿論のこと、「地権者による合意形成」と言う再開発事業の基本精神をも踏みにじる極めて悪質な行為であると言わざるを得ません。

因みに、泉岳寺でも「準備組合」は区分所有者の加入を「マンション管理組合単位」に絞ることで、当該マンション内の区分所有者全員を自動的に組合員と見做すと言った「組合員水増し」の仕組みが明らかになっています。(泉岳寺では地権者総数260名の9割に相当する約230名が主要4棟のマンション区分所有者であるだけに、これら4棟の管理組合が準備組合へ加入さえすれば、たとえ反対者が200名いたとしても、230名全員が組合員、即ち「再開発の賛成者」として行政等へ報告されてしまう懸念があります。)
現在、泉岳寺の準備組合は「加入率80%」を誇示していますが、中野区の事例と同様、水増し分を差し引けば、実際には50%前後の加入率と言ったところではないでしょうか?到底、地元が再開発を熱望するような数字ではありません!

もし、これらの不当行為が各地の再開発現場で公然と行なわれるようになれば、それこそ全国の再開発計画は、すべて最初から

「再開発」ありきの「出来レース」

となりかねません。そのような事態を、私たちは見過ごす訳には行きません。

中野4丁目西地区の地権者の皆さんは準備組合を訴えると言う勇気ある行動に出ました。
民事訴訟が起きたことも一因ですが、何よりも、多くの地権者が準備組合から脱退し「再開発への賛同者が実は半数しかいない」ことが行政や議会、そして中野区民の間に知れ渡ったことで、当初計画されていた「都市計画決定」は当面の間、延期されることになりました。当然の結果だと言えます。

一方で、裁判は現在も東京地裁において進行中で、次回公判では被告への「証人尋問」まで行なわれることになったそうです。
再開発の是非を議論する以前に、私たちは「事業者側による不正行為は一切許さない」と言う毅然とした態度で臨むことがなによりも大切です。是非とも中野4丁目西地区の皆さんには裁判を通じて真実を徹底的に明らかにしてほしいものです。

尚、「同意者数の水増し」に関しては、これをわかりやすく解説した
YouTube動画も配信していますので、是非ともご視聴下さい。

●動画タイトル:同意者の水増しに注意
●URL:https://www.youtube.com/watch?v=vniHl4XF-XY
以下のサムネイルをクリックすると動画へジャンプします

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