住友不動産は再開発事業全体を実質的に牛耳りながらも、常に「準備組合」を自社のリスク回避のための防波堤と捉え、自らは決して表舞台に出ようとはしない。そのような実態が見えてきました。
その証拠に、地権者が住友不動産に対して再開発事業全般に亘る質問等を投げかけても、彼らは一切書面での回答をして来ない。
「自分たちは事業協力者にすぎない」、「準備組合と話してほしい」なる発言は彼らが好んで使う「回答拒否」の言い訳です。
しかし、冷静に考えるとこれは詭弁であることがわかります。
詭弁とは「一見正しそうに見えるが実は成り立たない議論」のことを言います。
そもそも「事業協力者」は法律や条令に基づく制度ではないようです。このため、準備組合に加入すらしていない地権者にとり、「事業協力者だから」と言われても、それが何であるかは知る由もありません。
再開発の知識に劣る一般の地権者を相手に、「事業協力者だから」などと、あたかもそれが正当であるかの理屈を述べて「回答を拒絶」する。まさにこのことが詭弁だと言われる所以です。
多くの地権者の共通認識。それは住友不動産が計画全体を主導していると言う実態です。だから地権者は住友不動産へ質問するのです。それなのに住友不動産は話には応じても、一切それを書面で確認しようとはしないのです。このような彼らの振る舞いに、知識と知恵をつけ始めた地権者は徐々に「何かが不自然だ」と認識しはじめています。しかし真相を知りたくても、住友不動産は何も答えてくれないのですから始末に負えません。
住友不動産にデベロッパーの自覚はあるのか?
住友不動産は、日頃から「皆さまの準備組合」であることを声高に唱えながらも、その言質とは裏腹に、自ら「準備組合」を実質的に取り仕切っています。彼らは「言うこと」と「やること」が正反対なのです!
その証拠に、説明会や勉強会を取り仕切り、地権者の質問や要望に口頭で答えるのは、常に住友不動産とその関係先の社員たちです。地権者のもとへ再開発への同意を求めてやって来るのも決まって住友不動産側の人間です。彼らはわざわざ住友不動産の名刺まで配る徹底ぶりです。事業予算の策定や資金調達、設計、各種調査、等々、全てを取り仕切るのも住友不動産の人間です。
要するに、何から何まで住友不動産が取り仕切っているのです。
彼らが如何なる弁明をしようと、地権者から見れば、再開発全体を実質的に取り仕切るのは住友不動産だと言うことになります。
その住友不動産に対し、地権者が質問等を投げかけるのは当然のことです。しかし、なぜか彼らは「書面での回答」を拒むのです。
地権者が提出した公開質問状に対しても
住友不動産は回答を拒絶しました!
このことは致命的です!
再開発事業者にとり地権者との信頼関係の構築は不可欠です。
しかし住友不動産は地権者の期待を裏切り、信頼関係を構築することを自ら放棄したのです。
地権者側は決して無理難題を問いかけた訳ではありません。
「公開質問状」の中味は、
地権者なら誰もが疑問に思う正論ばかりです。
実際に質問状の中味についてはトピックス(80)住友不動産への質問状にて公開していますのでご覧下さい。
皆さまもその中味を知れば、住友不動産が回答を拒絶したことの不自然さがご実感いただけると思います。
残念ながら、
住友不動産のこのような振る舞いは、
デベロッパーとしてあるまじき対応だと言わざるを得ません。
「準備組合」は住友不動産の防波堤か?
一方で、彼らが「書面による回答」を拒絶したことで、逆に見えて来たことがあります。それは、住友不動産は準備組合を「責任回避」のための隠れ蓑として利用しているのではと言う疑念です。
この前提に立てば、
「住友不動産は口では言っても、それを書面では確約しない」
「なぜか一連の書類に住友不動産の社名が登場しない」
「地権者側の公開質問にも住友不動産は一切回答を拒絶」
と言った彼らの言動が自らの責任を回避しようとする姿勢にあることが理解できます。彼らは自らの言動で責任を問われることを極度に嫌うのか、知っていても敢えて書面で答えようとはしないのです。
そして、
住友不動産が責任を転嫁しようとする先…
それが法的位置付けのない「準備組合」
なのです。
住友不動産にとり、準備組合は実に都合の良いリスク回避の仕組みです。逆に、地権者にとっては都合の悪い仕組みだと言えます!
そのような団体へ大切な土地資産の処分を一任しなければならない地権者は、大変大きなリスクを背負うことになるからです。
今まで住友不動産はこのようなリスクの存在を、しっかりと地権者に対して説明してきたのでしょうか?
まとめ
「準備組合」は住友不動産の「リスク回避のための防波堤」ではないかと言うことが巷で言われるようになって来ました。これは住友不動産にとり決して好ましい見解ではありません。世間からそのように見做されぬためにも、住友不動産は自社の名前を堂々と表に出し、地権者の疑問や要望に率直に、且つ具体的に書面にて答えるべきです。このことこそが再開発事業者としての真の役割であり責務ではないでしょうか?