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(116)「準備組合」は住友の防波堤?(その2)

投稿日:2021年12月28日

出所:www.ac-illust.com


本トピックスは(115)「準備組合」は住友の防波堤?(その1)からの続きです。前トピックスでは、住友不動産が実質的に牛耳る「準備組合」を、自らの「リスク回避」のための防波堤として利用しながら再開発を進めようとする実態が見えてきたことをお伝えしました。
しかし、「住友不動産」と言う企業については誰もが知っていても、「準備組合」となると世間では殆どその実態が知られていません。そこで地権者は先ず、準備組合がどのような団体であるのか、そしてその団体に資産を託すことでどのようなリスクが生じるのかを知る必要があります。

「準備組合」が相手で大丈夫なのか?

結論から言うと、「準備組合」は「信用」も、「業歴」も、「賠償責任能力」も有さず、法人格も持たない単なる「任意団体」です。
「任意団体」ですから原則として金融機関から融資を受けることも出来なければ、契約の主体となることもできません。
泉岳寺の地権者はそのような団体へ資産を託す「同意書」を提出させられようとしています。しかも「同意書」の中味は資産の処理を「準備組合」へ一任する「白紙委任状」に近い内容です。
(その同意書の中味が地権者にとり、如何に不平等なものであるかは、トピックス(42)これが同意書の正体だ!(その1)にて詳しく説明していますので是非ご参照ください。)
また一連の手続きにおいて住友不動産の社名はどこにも出て来ません。 将来、「こんな筈ではなかった」と訴え出ても住友不動産は責任を取らない仕組みです。
任意団体にすぎない「準備組合」からいくら「確約」や「保証」を取付けたところで、結局は「絵に描いた餅」となりかねません。
何か問題が起きても、準備組合が相手では結局は「泣き寝入り」の可能性が高くなります。そのことを地権者は知っておく必要があります。

「準備組合」そのものを否定するわけではない

港区役所は、再開発(=第一種市街地再開発事業)を「地権者が自らの発意と合意に基づき、共同でリスクを取りながら進めて行く事業」だと定義づけています。そして、その検討・準備を行うべく地権者主体で設立・運営されるのが準備組合だとの位置付けです。
もし、地域の準備組合がそのような理念のもとで真に地権者主体で運営されるのであればなんら問題は無い筈です。
従い、私たちも「準備組合」そのものを否定するつもりはありません。

しかし、残念ながら泉岳寺では「準備組合」を実質的に取り仕切るのは地権者ではなく、営利目的で再開発を進めようとする住友不動産だと言うことがわかってきました。これは大変大きな問題です!地権者目線で運営されるべき「準備組合」が、現実には事業者目線を持つ住友不動産により運営されている。当然のことながら、そこには「利益相反(Conflict of Interest)」が生じます。
住友再開発の根本問題はまさにここにあると言っても過言ではありません。地権者はこのことに気付くべきです。
もしかしたら全国の住友不動産の再開発現場では、どこも似たような状況にあるのではと心配になります。各地の地権者の皆さまも、地元の「準備組合」が果たして正しく運営されているのかを確認されてみては如何でしょうか?

まとめ

前トピックスでも述べましたが、「再開発計画を実質的に牛耳る住友不動産が地権者からの質問に書面で答えようとしない」など、再開発事業者としてあるまじき行為です。
住友不動産はいつまでも「自分たちは事業協力者にすぎないので」と言った「弁解」に終始すべきではありません。また「準備組合」をリスク回避の防波堤にしようなどと考えるべきではありません。

もし再開発が地権者の利益になるとの確証があるのなら、地権者の疑問や要望に率直に答え、抽象的な形ではなく具体的にそれらを書面にて地権者へ提示すると言うのが再開発事業者の役割であり責務です!

このことを住友不動産はしっかりと肝に銘じてほしいものです。

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