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(120)歴史から学ぶ「再開発の実態」(その2)

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本トピックスは(119)歴史から学ぶ「再開発の実態」からの続きです。
再開発はその仕組みが複雑であることから、一般の地権者にはなかなか理解し難い側面があります。しかし、過去に起きた歴史上の出来事と重ね合わせて考えることで、意外と簡単にその仕組みやカラクリが解明できることがあります。前トピックスに引続き、そのような例をもう一つご紹介します。

住友不動産の社員を「昭和の銀行員」と比較してみた!


地域住民を再開発へ勧誘する目的で現場へやって来る住友不動産の社員。
彼らの活動は、先ず地域内の地権者宅を訪れ、「住友不動産の名刺」を差出して相手に安心感を与えるところから始まるようです。
一見、普通に見える彼らの営業活動(=住宅訪問)も、昭和の時代に日常的に行なわれていた「銀行員の預金集めの住宅訪問」と比較してみることで、その違い(=不自然さ)が浮き彫りになって来ます。
では両者を比較してみます。

【昭和時代の銀行員による預金集めの手法】

ご年配の方はご記憶のことと思いますが、昭和の時代には大手銀行の行員が自ら「預金集め」の目的で私たちの住戸を回っていました。
当時の銀行員は断られても何度も根気よく住戸を訪問し続け、しまいには銀行員の熱意に根負けして預金に応じる住民も結構多くいました。今では信じられないかも知れませんが、玄関先で住民が銀行員に対し「10万円」、「20万円」と現金を差し出すと、その場で銀行の預金通帳(又は「預かり証」)が発行されていました。銀行と言う絶対的な「信用」の裏付けがあるからこそ、民家の軒先でもそのような取引が行われていたのです。

【住友不動産の手法は似て非なるもの。その違いは一目瞭然!】

一方、住友不動産の社員も銀行員と同じく、熱心に地権者宅へやって来ます。
彼らが訪問先で先ずは「住友不動産の名刺を差し出す」のも銀行員と同様、相手を安心させる意図があってのことなのでしょう。
ここまでは両者の行動パターンはほぼ一緒です。違いと言えば、銀行員が「預金獲得」が目的であるのに対し、住友社員は「再開発への同意獲得」目当てでやって来ると言った「目的の違い」くらいでしょうか?
しかし、ここからが信用を背景にした銀行の活動とは大きく異なるのです。
住友不動産は社員自らが地権者と接触し熱心に勧誘を行っておきながら、いざ地権者が再開発へ同意しようとなると、地権者の大切な資産を委ねることになる「同意書」を、住友不動産に対してではなく、「信用」も「業歴」も「賠償責任能力」も有しない、単なる任意団体にすぎない「準備組合」へ委ねろと言うのです。事業投資の経験者ならば即座に「不自然な不動産取引」だとわかるのですが、一般の地権者はそれを見抜く能力を兼ね備えていません。
逆に「住友不動産が言うのだから間違いはないだろう」と彼らを信じてしまう地権者もいるほどです。このような「落とし穴」にいち早く気づくためにも、過去の歴史に学び、過去の出来事と比較して住友再開発の仕組みやカラクリに気づくことは大切です。

【まだ「不自然な不動産取引」であることに気付かれませんか?】

もし皆さまが大切な資産(=現金)を銀行へ差し出そうとした際に、銀行員から「当行にではなく、近所の任意団体である○○○へ預けてください」と言われたらどう反応されますか? 例えその任意団体から「預金通帳」や「預かり証」が発行されると言われても、「信用」も「実績」も無い相手先へ資産を差し出そうとは考えない筈です!
私たちは銀行と言う信用があるからこそ資産を預けるのであり、信用など皆無の「任意団体」へ資産を預けようなどとは決して考えません。
再開発も同様です!住友不動産の社員は自社の名刺を差し出すことで地権者を安心させておきながら、いざ同意書の提出となると、それを「準備組合」なる任意団体に委ねろと言うのです。住友不動産は「準備組合」を責任回避のための防波堤として据えることで、たとえ将来住民が「こんな筈ではなかった」と訴訟を提起したところで、住友不動産本体には責任が及ばない仕組みです。これは住友不動産にとっては実に都合の良い仕組みだと言えますが、逆を言えば地権者に取っては極めて都合の悪い仕組みと言うことになります。

住友不動産はまさにこの不自然な取引を
地権者に対して押しつけようとしているのです!

銀行の例では、住民は「怪しい」と思ったら預金を決して差し出しません。
再開発も同様です!「怪しい」と思ったら決して同意書には捺印をしないことです。

まとめ

再開発事業は一般の地権者にはなかなか理解が難いと言う現実があります。
しかし、「難しいから」と言う理由で目を背けるべきではありません。
難しい仕組みも、それを「歴史上の出来事」と重ね合わせて考えてみることで、意外にもその実態が見えて来ることがあります。
再開発も不動産取引の一つである以上、「石橋を叩いても渡らない」くらいの慎重姿勢が求められます。もしこれを怠れば将来地獄をみることになるかも知れないからです。皆さまにおかれましても、「過去の歴史に学ぶ」と言う観点から、再開発事業をいま一度見つめ直してみては如何でしょうか?

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