住友再開発はここまで不平等!
「石の上にも3年」と言う言葉があります。
泉岳寺に住友不動産が入り込んで以来5年が経過しました。
この5年間、業者側は良い話ばかりを発信続けていますが、さすがにこれだけ長期に亘り地元地権者が「再開発」と向き合っていれば、住友再開発の実態が自然とわかるようになって来ます。見えて来たのは、再開発は「地権者の供出する土地」と、「地権者が負担する事業リスク」を踏み台に、住友不動産が高い収益を得ようとする事業ではないかと言う点です。
少なくとも地権者目線でそのように考える住民が増えて来ました。 その詳細については今回も「会話形式」でお届けします。
地権者を説得して同意を取付ける必要がある。そのような構図です。
再開発へ持ち込むことが出来れば、行政から大幅な容積率の緩和が受けられます。それを利用して都心の一等地に高層の再開発ビルを建てれば、今まで空間だった場所に多くの「床」ができる。その多くを再開発業者が独り占めして高収益を上げようと言う構図です。更に、再開発となれば行政から多額の補助金まで貰えます。その一方で事業損失が出ても地権者が負担する仕組みです。再開発業者にとりこれほど「うま味」のある商売はありません。それが再開発なのです。
事業者が言う「等価交換」は、権利変換のその瞬間だけが等価だと言うだけの話です。これほど重要な話を再開発事業者は地権者の皆さんへしっかり説明してきたのでしょうか?
ご自身が得る「床」の面積や仕様、入居後の「維持管理費」などの基本条件はちゃんと書面で再開発業者から確約を取っていますか?
基本的な条件をすべて曖昧にしたまま、とにかく地権者から同意書を取り付け、手っ取り早く「都市計画決定」へと駒を進めてしまう。そのような住友不動産の手法に地権者は注意すべきです。
もう少しわかりやすく説明してくれないかしら?
寿司屋へ行き「おまかせで寿司を握って貰う」のとはわけが違うのです。
寿司屋なら一回食べて高くてマズければ二度とそこへ行かないだけですが、不動産はそうは行きません。大切な資産の処分を信用もない相手先へ「おまかせ」すればどうなるかは「推して知るべし」です。
この点も再開発事業者はきちんと地権者側へ説明していますか?
これを軽く見てリスク回避策を怠ると、将来地獄を見ることになるかも知れません。まさかそんなことは起きないとお思いでしょうが、岡山県津山市の再開発事業では、事業者に言われるまま再開発に応じた地権者全員が資産を失い、自己破産者まで出ています。
まとめ
「石の上にも3年」と言います。住友再開発に潜む多くの問題点が見えて来ました。住友不動産の手法は、全国どの再開発現場でもほぼ同じであることも地権者間の情報共有を通じてわかって来ました。
従い、泉岳寺で判明したことは、住友再開発でお悩みの全国各地の地権者の皆さまにも是非参考にして頂きたいと思います。
住友再開発には、事業者側が伝えようとしない「落とし穴」も多いので「石橋を叩いても渡らない」くらいの細心の注意が不可欠です。
再開発に同意するか否かはあくまでも地権者個々人の裁量です。
しかし、如何なる決断を下そうと、後日「こんな筈ではなかった」と後悔することだけは避けたいものです。
編集局メモ
因みに、地元地権者団体は過去から住友不動産に対し、再開発における各種基本問題についての公開質問を行なっていますが、住友不動産は自分たちが「事業協力者」に過ぎないことを理由に一切の書面による回答を拒絶しています。詳しくは、(97)住友不動産が回答を全面拒否!をご参照下さい。