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(127)ロシアのウクライナ侵攻から学ぶこと

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2022年2月24日、突如としてロシアのウクライナへの侵攻が始まりました。
今や世界中が注目するウクライナ情勢ですが、視点を少し変えて眺めてみると、意外にもそこには再開発問題との共通点が多いことに気づかされます。

「ウクライナの領土も不動産である!」。そのように考えれば、様々な大義名分のもとに領土を強引に取得しようとするロシアを「不動産業者」に見立てることも出来なくはありません。
そのような視点から、例えば、
ロシア「再開発事業者」に置き換え、
ウクライナ「再開発区域」に置き換え、
ウクライナ人民「地権者」に置き換え、
そして親ロシア派住民「準備組合の理事たち」に置き換えて考えて見れば、ウクライナ情勢が、実は再開発事業の構図と極めて似ていることに気づかれるかと思います。

それにしても、

なぜウクライナは突然侵略されたのか?

その理由は、ウクライナがNATOに加盟しておらず「集団安保体制」が確立されていなかったからだと言われています。
私たちが目にしたのは、正義や正論とは無関係に、「強者」は利権目当てで力ずくでも「弱者」(=市民)の「財産」と「人権」を奪いに来ることがあるという国際社会の現実です。私たちも国際社会の一員である以上、この現実を「教訓」として捉えなければなりません。
私たちが今回の侵攻劇から学んだこと…
それは、

地権者も今後は連合を組む必要がある

という点ではないでしょうか?

集団防衛体制構築のすすめ

再開発も国際政治の舞台と同様に「弱肉強食」の世界であるという現実があります。知識と経験で圧倒的に劣る地域住民がいくら単独で頑張っても、百選錬磨のプロ集団である再開発事業者が相手では歯が立ちません。まさにロシアとウクライナとの力関係そのものです。

ではどうすればよいのか?

ウクライナで起きたことを「他山の石」とするならば、結論はすでに出ています。

それは集団でまとまることです。

地権者はいつまでも区域内にとどまっていてはいけません。自ら積極的に外部の世界へ出て行き、そして他地区の地権者団体と連合を組むことで、一種の「集団防衛体制」を構築する。このことこそが、対等な立場で再開発事業を議論して行く上でも、地権者側に必要とされるのではないでしょうか?
世の中には「三人寄れば文殊の知恵」と言う格言があるように、外部の地権者団体と情報共有を行うことで、より多くの「知識」や「知見」を身に着けることも可能となり、また新たな「戦略」も見えてきます。

港区では「再開発・区民の会」が発足!

港区では昨年9月に、現行の再開発事業の在り方に危機感を抱いた区内7つの住民団体が連携し、「不正行為は一切許さない」との観点から、集団で再開発案件を検証する「再開発・区民の会」が結成され、すでに活動を開始しています。
区内の再開発事業で不正の疑いが確認されれば、区民が集団でこれを検証し、必要に応じ関係者へ是正を求めて行く。そしてその事実を広く社会へ公開する。まさにこの体制は「集団安保体制」の再開発バージョンであると言えます。(但し、NATOとは異なり「武力行使」までは想定していませんが!)

品川区でも「区民の会」が発足!

港区で「再開発・区民の会」が発足したことが契機となり、品川区でも、区内8団体を中心に構成される「住み続けられるまちづくりをめざす品川区民の会」が本年1月23日に発足しました。発足総会にはコロナ禍にもかかわらず総勢50名を超える参加者が集まり、また現職の都議や区議が5名以上も駆けつける等、「区民の会」への関心の高さが如実に表れた総会となったようです。

まとめ

インターネットやSNSなどを通じ、再開発事業の実態が広く一般社会へも知れ渡ってきたことから、今後、更に多くの「地権者連合」が各地で編成されて行くことになると思われます。
今回の突然のロシアによるウクライナ侵攻は、地域住民が単独で自己の「財産」や「権利」を守ることの難しさを露呈しました。
私たちがそこから学んだこと…
それは各地の地権者が互いに連携することの大切さではないでしょうか?

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