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(129)マンション区分所有者は「二級市民」扱い?

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二級市民とは、「人権」や「財産権」と言った市民に固有の法的権利が、優越的な社会勢力により不当に「差別」、「制限」、或いは「侵害」されたりする人たちのことを指して言う言葉です。
世間では、人種、信条、年齢、性別、出自、等を理由に差別的な扱いを受ける集団をイメージすることが多いのですが、決してこれは他人事ではありません。なぜなら再開発においても、事業者はマンション区分所有者を「二級市民」として扱っているのではと思わざるを得ない場面がとても多いからです。地権者の9割がマンション区分所有者である泉岳寺では、そのような状況が際立っています。

泉岳寺では住友不動産による再開発への勧誘が始まってから既に4年が経過しました。

(注)住友不動産は、活動を行なっているのは自分たちではなく地権者で構成される
「準備組合」だと主張しますが、「準備組合」の名を語りながらも地権者のもとへやって来るのは紛れもなく住友不動産の社員たちです!他地域でも状況は同じではないでしょうか?

さすがに4年間も勧誘が続けば、当初は無知であったマンション区分所有者たちにも「知識」と「知見」が身に付き、再開発の実態が見えてきます。
●区分所有者の声など最初から再開発には反映されない!
●望んでもいないのに準備組合へ加入させられた
●加入しただけでいつの間にか「再開発へ賛成」とされてしまう!

等々、区分所有者にとり不平等なルールが満載です。
そこから見えて来るのは、マンション区分所有者に対するまさに「二級市民」としての扱いです。以下、会話形式でご説明します。

マンション住民を差別する「1票の格差」問題

Aさん
Aさん
泉岳寺には約260人の地権者がいるが、そのうち9割にあたる230人が4棟のマンションの区分所有者だ。それなのに再開発の是非を決める際にマンションは「1棟で1人」の権利しか与えられない。
C氏
C氏
仰る通りです。これが「1票の格差」と言われる問題です。
230名がたったの4人としか見做されず、頭数では全体の9割を占めていながら、再開発の是非を判断する際の権利率は12%程度まで下がってしまうのです。
Bさん
Bさん
もし再開発区域が「100人居住のマンション」と「戸建て4軒」だとした場合、たとえマンションの100人全員が再開発に反対したとしても、戸建て4人が同意すれば「同意率80%」となり再開発は進んでしまう!どう考えても住友不動産のやり方はおかしいわ!
C氏
C氏
その通りです。理屈の上では「戸建て地権者4名の説得」さえ出来れば、残りのマンション区分所有者の賛否などどうでも良くなるのですから、実にうまい仕組みを考えたものです!事業者にとりこれほど楽な進め方はありません。しかし、本組合設立後に適用されるそのような再開発固有のルールを、再開発などまだ何も決まっていない平時の段階から適用しようとする事業者側の手法は不当です。もし事業者が無理矢理このルールを適用しようとすれば、当然紛争となります。これは区分所有者の「財産権」や「人権」にも係わる重要な問題だからです。
Aさん
Aさん
まさにこれは、電車に乗ろうとする子供に対し駅員が「何れ大人になるのだから」との理屈で大人料金を徴収しようとするのと似たやり方だ!
そのような不公正が社会で許されるわけがない!再開発もしかりだ。
C氏
C氏
その点、泉岳寺の区分所有者はしっかりしています。既に41名が連名で「1票の格差」是正を港区長へ求めており、現行ルールで再開発を進めることが無いよう釘を刺しています。泉岳寺は権利者全体の9割が区分所有者だと言う、典型的なマンション街であるだけに、行政がこの不平等なルールをどう扱うのか、全国の皆さまにも是非とも注目して貰いたいものです。

区分所有者の知らぬ間に全員が再開発賛成者に?

Aさん
Aさん
もう一つ厄介なのは準備組合への加入問題だ。準備組合は個人ではなく、マンション管理組合単位での加入しか認めていない
Bさん
Bさん
それがどうかしたの?準備組合なんて所詮単なる任意団体でしょ?
住友不動産の社員も「情報を取るためにぜひ加入を」と言っている。
C氏
C氏
皆さんそう言われますが、実はそこに大きな落とし穴が潜んでいます。
Bさん
Bさん
単に加入するだけなのに、どのような落とし穴があると言うの?
C氏
C氏
先ず、マンション管理組合が準備組合へ加入したという事実をもって、館内の区分所有者全員が「準備組合加入者」とされてしまいます。それだけならまだしも、加入者全員が「再開発に賛成」だと行政へ報告される心配も出てきます。たとえ再開発に反対の区分所有者が多数いたとしても、知らぬ間に「全員賛成」とされる懸念があるのです!
Bさん
Bさん
同意書を出していないのに、なぜ加入しただけで賛成とされるの?
C氏
C氏
準備組合の規約を良くお読み下さい。各地の準備組合規約には目的条項があり、そこには再開発を「推進する」、「準備する」と言った文言が必ず記されている筈です。この文言を根拠に、準備組合への加入者は全員が再開発に前向きだとして行政へ報告される懸念があるのです。
大多数が「再開発に賛成」だと見せかけるための巧妙な仕掛けです。
Bさん
Bさん
あら本当だわ!確かにそのような文言が入っている。でも実際に規約の条文を細かく読んでから加入する地権者なんているのかしら?
C氏
C氏
そこに「落とし穴」があります。加入した以上、規約を「知らなかった」ではすまされません。戸建て地権者は自らの意思で加入するので「自己責任」を問えます。しかしマンション住民の場合は状況が異なります。
Aさん
Aさん
マンションは管理組合単位での加入でしか認めていない。わしは知らぬ間に加入者とされていた。規約など見たこともない。辞めたくても個人単位で辞めることはできない。それなのに再開発に懐疑的なわしまで「賛成者」にされるとしたら大問題だ。マンション区分所有者はまるで「二級市民」扱いだ。見過ごすわけには行かぬ!
C氏
C氏
まさにこれがマンション住民を再開発に引きずり込む手法なのです。
港区は個人が提出する「同意書」を重視しますが、他区では「準備組合加入率」を以て再開発を進める自治体もあるようです。まさに「準備組合加入者=賛成者」との論法です。港区でも要注意です。

まとめ

再開発事業者のマンション住民攻略の手口が見えてきました!

●狙いをつけたマンションがあると、彼らは先ず、マンション管理組合の役員を再開発準備組合の理事に祭り上げることから始めます。
管理組合への影響力を強めることで「マンション全体が再開発に賛成している」と言った演出を行いやすくするためです。しかしこれは「マンションの自治」を否定しかねぬ行為だとして問題視されるべきです。

そもそも建物の維持管理を目的に存在する「管理組合」が、建物の除却を前提とする「準備組合」に加入しても良いのか?
この点も各地のマンションで議論されるようになってきています。

準備組合の理事となった人物が、本来のマンション管理組合の目的から逸脱して「再開発ありき」の行動をとり始めることも各地で問題化しつつあります。(皆さまのマンションは大丈夫でしょうか?)

●管理組合単位での加入を通じて、館内の権利者全員を自動的に賛成者と見做す?もし事実なら極めて不当なやり方です。
泉岳寺では先月、37名の高齢地権者が「再開発中断」を港区長へ求めましたが、署名者の大半は「管理組合が準備組合へ加入するマンション」の区分所有者たちでした。今回の区への再開発中断要請は、まさに「マンション全員が賛成」ではないことを実証する良い機会となりました。

住友不動産の再開発問題でお悩みの皆さま!

住友再開発ではマンション区分所有者は「1棟1人」の発言権しか与えられず、再開発に関しての発言権は殆どないと言っても過言ではありません。
区分所有者はそこまで差別された上、更にマンション住民は「全員が再開発賛成」などと地元の熱意を行政へ伝える「駒」としても利用されかねない実態が明らかになりました。
泉岳寺では、マンション区分所有者はまさに「使い捨て」だ考える住民が増えています。

【備考】
以下のYouTube動画も併せご視聴下さい。↓

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