進む「準備組合離れ」
泉岳寺では、準備組合による再開発への勧誘活動が開始されてから早4年が経過しました。さすがに4年も経てば、当初は無知だった地権者にも「知識」と「知見」が自然と身について行き、住友不動産による再開発事業の実態が見えてきます。
泉岳寺では、初期の段階から住友再開発の進め方に不信感を抱いた複数の戸建て地権者が団結して「準備組合」並びに住友不動産と「絶縁」していますが、今年に入り、37名の高齢シニア層の地権者が「もうこれ以上、再開発話には翻弄されたくはない」として、港区長へ書面にて「再開発への非同意」を表明しました。
更には、同意を撤回し、準備組合へ提出した「同意書」を回収する地権者まで出てきました。すべては事実です。
このように泉岳寺では「準備組合離れ」が徐々に進みつつあります。
「準備組合離れ」の背景
一言で言えば、泉岳寺では「皆さまの準備組合」を標榜しながら、その実態は「住友不動産が牛耳る組織」と化している点にあります。多くの地権者がこの実態に気付き、そのような準備組合への不信感が高まったことが「準備組合離れ」への流れとなっています。
「住友不動産」は営利目的の企業ですから「地権者」とは最初から利害が相反します。その住友不動産が主導する準備組合となれば、いくら地権者が問題点を指摘したところで正面から議論されることはなく、実際に4年が経過した現在も多くの懸案事項が未解決のまま山積した状態となっています。
これを危惧した地元地権者団体が住友不動産に対し複数回にわたり「公開質問」を行いましたが、住友不動産は一貫して「自らは事業協力者に過ぎない」として、書面での回答を拒絶する有様です。
住友不動産は準備組合を実質的に主導し、地権者の元へ再開発の勧誘にやって来るのもきまって住友不動産の社員たちです。
しかし彼らは口頭で都合の良い話はしても、書面での確認を要求すると、たちまち「準備組合」の陰に隠れてしまい一切の回答を拒絶するのです。
(詳細は(97)住友不動産が回答を全面拒否!をご参照下さい)
当然このような状況下では解決の見通しなどある筈もありません。
このため、前述したように、多くの地権者が「もうこれ以上、再開発話には翻弄されたくない!」として再開発話に背を向けるようになってきたのです。
地権者の組織が地権者からの質問に答えない!
もはやこれは
本来の「準備組合」のあるべき姿ではありません。
その「準備組合」を実質主導する住友不動産も
地権者からの質問には答えない!
もはやこれは
「再開発事業者」のあるべき姿ではありません。
これは泉岳寺固有の問題ではない!
「再開発事業者が牛耳る準備組合」の問題は、なにも泉岳寺の「準備組合」に限ったことではなく、実は住友不動産が各地で展開する多くの再開発現場でも存在することが、各地の地権者団体との情報共有を通じてわかってきました。
このことから、「準備組合問題」は、泉岳寺固有の問題と言うよりは、
住友不動産の「地権者に対する企業姿勢の問題」
であると捉えることが出来ます。
当然のことながら、このような状況下で「負の影響」を受けるのは地権者ということになります。
まとめ
再開発は地権者の大切な土地資産の供出を伴う不動産取引です。従い、地権者たるもの、先ずは地元の「準備組合」が真に「地権者の、地権者による、地権者のための組織」であるかを検証してみる必要があります。自身で十分「理解」し、そして「納得」するまでは決して再開発には同意しないことです。
後日「こんな筈ではなかった!」と後悔しないためにも、このことはとても重要です。
さて皆さまの地区の「準備組合」は
健全に運営されていますでしょうか?