住友不動産の影響力のもと、各地で設立される「準備組合」。
その多くが「皆さまの準備組合」とは名ばかりで、実態は「住友不動産が牛耳る組織」であることが首都圏各地の地権者団体等との情報交換を通じて見えて来ました。
準備組合を実質的に主導しながらも、住友不動産は「自分たちは事業協力者にすぎない」との理屈で自らは責任を取ろうとしません。
その準備組合が地権者へ配布する「同意書」の書式を見ると、「再開発の手続きを進めることに同意する」と言う短い文章が書いてあるのみ。地権者が対価として何を得るのかも具体的にわからぬまま、「同意」だけはさせられると言った、まるで準備組合なる任意団体へすべてを任せる白紙委任状のような不平等な内容となっています。
既に同意書を提出された各地の地権者の皆さま!
同意された時点で、このような不平等な実態があることにお気づきでしたでしょうか?
皆さまの中には、「持ち出しなしで新築マンションに住める」などと言った甘い話ばかりを再開発事業者から聞かされ、
再開発が何であるかもよく理解しないまま、
大手再開発事業者の発する言葉を信じ、
都市計画決定への「同意書」を準備組合へ提出
された方も多数おられたのではないでしょうか?
しかし、時間の経過と共に次第に地権者の目にも再開発の実態が見えて来ます。
今、振り返って考えてみると、
やはり再開発には同意すべきではなかった!
そうお考えの皆さま…
「同意書」を一旦回収されては如何でしょうか?
地域内で一定数の「地権者同意」が集まると都市計画決定が実行されてしまい、そうなるともう後戻りは出来なくなります。
それだけにここは一旦同意を撤回し、再開発事業について十分「理解」と「納得」をした上で、改めて再開発に同意するか否かを判断されることが肝要ではないでしょうか?
(注:東京都港区では行政による合意形成の確認手段として地権者による「同意書」の提出が求められています。一方で、区市町村によっては「同意書」を必ずしもその要件としない自治体もあり、そのような地域では「同意書」集めが行われないケースもあるようですので、この点をあらかじめご認識ください。)
「同意書」は簡単に回収できる!
「都市計画決定」申請前の段階であれば、地権者が提出した「同意書」は、準備組合宛に「撤回申し入れ書」を書面で送ることで簡単に回収することが出来ます。
港区役所も「同意の撤回が出来る」ことを確認していますので、他の区市町村でも状況は同じ筈です。
また実際に複数の再開発現場で「同意」を撤回した地権者が確認されており、皆さん無事に「同意書」を回収されています。
同意書回収の要領はこれ!
先ず同意書を回収するには、準備組合側へ「同意撤回」の意思をはっきり伝える必要があります。
同意撤回の申し入れは「口頭」ではなく「書面」で行うことが推奨されます。書簡にすることで記録が残り、準備組合側と後日「撤回した、しない」で揉める懸念もなくなります。また書簡を送付することで、相手先と対面で話し合う面倒もなくなるのでまさに一石二鳥です。更に、電話や訪問等による執拗な勧誘が迷惑だとお考えの方は、「今後の連絡手段は必ず郵便で行ってほしい」旨を文末に記載しておくと良いでしょう。
準備組合へ送付する「同意撤回申出書」のサンプルを本トピックスの最後に添付しますので参考として下さい。
同サンプルは、既に都内各地で実際に「同意書の回収」を行った複数の地権者から入手した「申出書」を参考に、専門家の意見を加味して作成した完成度の高いものですのでご安心下さい。
もちろん「手書き」で書かれても結構ですし、また必ずしもサンプルにとらわれず、「ご自身の言葉」で書かれることを推奨します。
書き方のポイントは以下の通りです。
1.「同意を撤回するので同意書を回収したい」と言う意思をはっきり書いて下さい。(「理由」まで書く必要はありませんが、サンプルでは「一身上の都合」としています。「一身上の都合」は個人情報ですから、聞かれたとしても答える必要はありません。)
2.同意書は必ず「郵送での返却」を指定し、「返却期限」も設定してください。
3.相手が受領したことを確認するために「配達証明付き郵便」で郵送してください。(郵便料金は800円ほどかかります)
4.郵送先:
① 皆さまが同意書を提出した地元の準備組合宛となります。
② 尚、撤回の意思を行政へも通知するため、写しを地元自治体の再開発担当部署へも郵送されることを推奨します。
(こちらは定形郵便物として84円切手を貼ってお出し下さい。)
5.今後の連絡手段について:
「今後、準備組合側から連絡事項がある場合には必ず郵送で連絡願うこととし、それ以外の手段は控えてほしい」旨を明記し、更に「電話、ファクス、メール、住戸訪問、第三者を介した連絡、等は控えてほしい」旨を具体的に列挙してください。これを行うことで、将来、準備組合側による電話や住居訪問を防ぐことが出来ます。
尚、「同意の撤回申し入れ」を行うと、住友不動産の社員が申し入れ者に対し、「再考願えませんか?」、「もう一度説明させて下さい!」などと執拗に地権者のもとへ説得にやってくることが予想されます。
これを迷惑だとお考えの方は、上記5で記載した如く、予め書簡内で「今後は郵送以外の連絡は不可」と意思表示することが重要となります。
回収できる事実は意外と知られていない?
事業者側はそのような事実を公にはしたがらないでしょうから、地権者が「同意の撤回」ができることを知らないのも当然です。
せっかくの機会ですので、本記事を読まれた各地の皆さまより、地区内の地権者各位へこの事実を周知頂ければ幸いです。
まとめ
再開発をめぐる大きな問題の一つは、再開発事業者が住民の無知・無関心に乗じて、(地権者がまだ十分な知識と知恵を身につける前の)早期の段階で、できるだけ多くの「同意書」を地権者からかき集めてしまおうとする手法にあります。
少なくとも地権者目線からは、そのような実態が見えてきています。
また実際に「同意書」の多くは、勧誘活動が開始された初期の段階で提出されたものが多いと見られています。
再開発は地権者の大切な土地資産を供出する不動産取引です。
その実態を十分「理解」し「納得」しないまま、安易に再開発に同意すれば、「こんな筈ではなかった!」と後日後悔する結果となりかねません。
再開発事業者に言われるまま「同意」はしたものの、よく考えてみたら「再開発への不安が残る」とお感じの皆さま!
一旦「同意」の撤回を検討されてみてはいかがでしょうか?
同意書の回収は簡単にできます!
行政もこのことを認めているので安心です!
同意撤回書のサンプル例
《配達証明付郵便で送付のこと》
写)行政・再開発担当部局
2022年〇月〇日
〇〇〇地区市街地再開発準備組合
理事長 〇〇〇〇 様
〒〇〇〇-〇〇〇〇
東京都〇〇区〇-〇-〇
〇〇〇〇 ㊞
同意撤回の申し出書
・ 私は〇〇町〇番地〇号の地権者の〇〇〇〇と申します。
・ 私は以前、貴書式による「都市計画の手続きに関する同意書」を貴組合へ提出しました。
・ しかし、一身上の都合により同意を撤回することに決めました。
・ ついては私が貴組合へ提出した「同意書」の本紙を返却願います。
・ お手数ですが、〇月〇日までに私の住所へ郵送にて返却下さい。
・ 尚、今後、再開発関連で私へ連絡される場合には、必ず郵送にてご連絡をお願いします。
・ 郵送以外の手段(例えば、電話、FAX、電子メール、住宅訪問、第三者を介した伝達など)による連絡は今後お控え頂きますようお願いします。
以上、よろしくお願い申し上げます。