「準備組合」の実態シリーズ(2)

本トピックスは(281)「準備組合」の不自然さにお気づきください!からの続きです。
皆さま、任意団体とはどのような団体なのかご存じでしょうか?
任意団体とは「仲間が集まって活動するグループ」のことを言います。
準備組合もこれに該当します。任意団体に法人格は無く、銀行から融資を受けることもできません。また責任能力も限定的なので要注意です。
本トピックスでは、地権者の大切な土地資産の処分を「準備組合」と言う任意団体へ安易に託すことの危険性について見て行きます。
1. 準備組合が行う「約束」や「合意」は守られない!
2. そもそも地権者に「面談に応じる義務」はない!
3. 準備組合の実態は再開発業者である!
4. まとめ
準備組合が行う「約束」や「合意」は守られない!
準備組合は任意団体であるが故に、地権者へ約束した資産評価額や補償条件などを守らなかったとしても法的責任を問えないことが最大の問題点です。
一部の再開発業者はそのような準備組合を「隠れ蓑」にして巧みに自社の法的責任を回避しながら再開発を進めようとするので地権者はご注意ください。
既に世間では準備組合による「約束不履行」を理由に地権者側が起こした裁判事例が多数存在します。しかし、残念ながら裁判所は
準備組合が行った約束や合意は法的拘束力を持たない
として原告側の請求を棄却していますので地権者は要注意です!
このように、たとえ準備組合との間で「資産評価」や「補償」などに関して約束や合意が書面で確認されたとしても、これを法的に履行させることは難しいと言う現実があります。これを防ぐには対策として
全ての約束や合意事項は、
事業協力者として「準備組合」へ関与する
「再開発業者」からも書面で取り付けておく
ことが重要となります。
泉岳寺では過去に準備組合の名を語る住友不動産の社員たちが、「再開発への同意書」とセットで「権利変換モデル」と称する資産評価書を各地権者へ配布して回りましたが、作成者名の記載すらないこの怪しげな紙切れに書かれた土地資産の評価額を安易に信じて同意書へ捺印すれば、後日梯子を外され「こんな筈ではなかった!」と後悔することになり兼ねません。再開発への勧誘に際しては、再開発業者が仕掛けるこのようなトリックが多いので地権者の皆さまはくれぐれもご注意ください。
そもそも地権者に「面談に応じる義務」はない!
「個人面談」は再開発業者が得意とする地権者攻略法の定番です!
再開発計画が立ち上がると、業者側はさかんに「個人面談」を持ち掛けて来ます。しかし安易に「個人面談」に応じるべきではありません!
なぜなら「個人面談」は地権者個人を密室に閉じ込め、その個人を相手に百戦錬磨の再開発業者の社員たちが畳みかける手法ですから、いくら説得されないとの決意で面談に臨んでも地権者側には勝ち目など最初から無いことを肝に銘じてください
しかしご安心を!
地権者には任意団体にすぎない準備組合
との面談に応じる義務など実はありません!
「準備組合」は都市再開発法が定める正規の組合ではないからです。
行政もこのことを確認しています。
そもそも多くの準備組合は「地権者が主体」だと言いながら、「個人面談」で応対するのは決まって再開発業者側の人間たちだと言う、極めて不自然な実態にお気づきください。
彼らは営利目的で地権者たちを再開発へ誘導しようとする、いわばこの道のプロ集団であり、素人が正論をふりかざしたところで太刀打ちできる相手ではないことを予めご認識ください。
更に、彼らは地権者とは利益が相反する相手でもあります。
そのような彼らを相手に個人面談に応じること自体が地権者にとっては無謀な行為であり、正に「飛んで火に入る夏の虫」そのものと言えます。
再度申し上げますが、
準備組合に資産評価額や補償条件などを
決める権限はありません!
もし準備組合が何らかの約束や合意を行った場合には、必ず法人格があり、法的責任能力を有する再開発業者からも書面にて確約を取り付けておくことが肝要です。多くの場合、再開発業者は住友不動産や三菱地所と言った世間でも知名度の高い上場企業ですから、その様な企業が発行した書面であれば信頼度も高まりますし、口約束とは異なり、後日「言った、言わない」で揉めることもなくなるからです。
それ以前に、準備組合の実態が地権者主体の組織ではないと悟ったら、何よりも相手にしないことが最善の資産防衛策ではないでしょうか?
準備組合の実態は再開発業者である!
多くの地区に於いて実際に「準備組合」の業務や運営を主体的に取り仕切っているのは地権者ではなく、自らを事業協力者と称する再開発業者です。従い、その様な地区では準備組合の実態は「再開発業者」そのものだと言っても過言ではありません。
例えば、泉岳寺には立派な戸建ての準備組合事務所が存在していました。しかし地元理事たちが過去に単独で準備組合事務所へ出入りする姿を見た住民はいません。それもその筈、地元に住む理事長でさえ準備組合事務所の鍵を持たされていなかったからです。
地元理事長でさえ準備組合事務所に単独で入ることができない!
そのような組合がどうして「地権者主体」の組織だと言えるのでしょうか?
従い、このような「準備組合」の実態は「不動産業者」そのものだと考え対応して行くことが肝要です。
まとめ
「準備組合」は法人格を有さぬ単なる任意団体に過ぎず、
準備組合が行った約束や合意は法律に拘束されません!
そのような「準備組合」は、再開発業者側にとっては自社の法的責任を回避できる実に使い勝手のよい存在となり得ますので地権者は要注意です。
そもそも地権者には「準備組合」と対話する義務などありません。
行政もこのことを確認しています。
準備組合は単なる任意団体に過ぎませんから、もし彼らの活動が不自然だと感じたら、先ずは近づかない(=相手にしない)ことが肝要です。
「触らぬ神に祟りなし」と言う言葉がここではピッタリではないでしょうか?
また勧誘の過程で、準備組合側から何らかの具体的な約束や合意がなされた場合には、迷わず再開発業者からも書面にて同様の確約を取り付けることを心掛けてください。
そして何よりも大切なこと。それは、
自身で理解し納得しない限り
決して再開発への同意を行わない
と言う点です。ここはとても重要なポイントですので是非ともご記憶願います。 すべての「準備組合」が疑わしいわけではありませんが、何ごとも「備えあれば憂いなし」です。