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(44)準備組合は設立すべきか?(その2)

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トピックス(43)準備組合は設立すべきか?からの続きです。
前トピックスでは、準備組合の設立の可否は時間をかけてでも慎重に検討を行うべきであること、そしてたとえ地権者の皆さんが準備組合は設立すべきだと判断されても、コロナ禍により再開発事業に不透明性が増している現状を勘案すれば、今は設立の時期ではないことをアドバイスさせて頂きました。

しかし、そもそも「準備組合」は法人格を持たない単なる任意団体ですので、もし事業者がこれを設立しようと企てれば、たとえ数名の賛同者しかいなくても設立出来てしまいます。
任意団体とは即ち「仲間等が集まって作る団体」であり、言ってみれば「大学のサークル」や「カラオケ同好会」と同等の位置付けですから設立を阻止することは出来ませんし、仲間でもない部外者(=準備組合に加入しない地権者)がこの団体を訴えたり解散させたりすることも基本的には難しいのです。
一旦、準備組合が設立されると、この団体の名の下に住友不動産側の人間が地権者に対し再開発へ同意するよう執拗に勧誘を続けてきます。彼らの執拗さは筋金入りです。彼らは地権者に対し、再開発に「賛成か反対か」を問うのではなく、「いま賛成か、いつ賛成するのか」の二択しか与えないと多くの地権者が証言するほどです。何度断っても彼らはあの手この手で地権者へ近づいてきます。地権者が根負けして「賛成」するまで何年でも待とうと言う作戦なのかも知れません。(泉岳寺では既に同意集めは3年目に入っています!)
はっきり「NO」と意思表示できない地権者はたまったものではありません。このような手荒な勧誘が、実際には住友不動産側の人間が行っているにも係わらず、それが「準備組合」の名の下で行なわれていると言う点に問題があります。まったくフェアなやり方ではありません。
これが泉岳寺で住友不動産が実質的に主導する準備組合の活動の実態なのです。

業歴も信用力も賠償責任能力もない準備組合なる任意団体が窓口となり、地権者から「白紙委任状」とも言える不平等な内容の「同意書」を取付けようとするのですから、よく考えて見ると地権者にとっては恐ろしい話です。(詳細は(42)これが同意書の正体だ!をご覧下さい)
泉岳寺では、住友不動産が再開発事業の全体を牛耳っていることは地元地権者なら誰もが知っています。しかし不思議なことに住友不動産の社名は表には決して出て来ません。
彼らは「準備組合」と言う任意団体の隠れ蓑をかぶりながら、その実、再開発の初動調査から計画決定までの一切を裏で牛耳ろうと言うのですから、よくもこんな仕組みを考えたものだと感心さえします。
泉岳寺で取り付けが行われている「同意書」は、地権者にとり極めて不公正で不平等なものです。もしこの同意書を準備組合ではなく、住友不動産が直接地権者から取付けようとしたなら世間で問題視されかねません。しかし「準備組合」なる任意団体を窓口に据えておけば、ある程度手荒な手法を地権者に対して用いても大丈夫だと言う彼らなりの計算がおそらくあったのでしょう。何かトラブルが発生しても一義的には「準備組合」の責任とさせることが出来るのですから、住友不動産にとり「準備組合」の制度は実に都合のよい仕組みだと言えます。逆を言えば、「準備組合」は地権者にとっては都合の悪い仕組みと言うことになります。そこに「準備組合」制度の問題点があります。

住友不動産は、「事業者は私たちではなく、地権者の皆さまで構成される準備組合です」などと平気で口にします。そう言いつつも対応するのは決まって住友不動産側の人間です。
再開発の必要性を説明し、具体的な質問や要望を地権者から受ける役は、いつも住友不動産とその関係先の社員たちです。地権者のもとへ再開発への同意を求めてやってくるのも
決まって住友不動産側の人間です。事業予算の策定や資金調達、設計、各種調査
等々、全てを取り仕切っているのも住友不動産側の人間です。残念ながら、準備組合の理事に名を連ねている地元地権者たちの存在感は無いに等しい、と言うのが地元民の共通の認識となっています。

このように住友不動産が「準備組合」を介して行おうとする再開発事業はとにかく不自然さが際立っており、問題だらけなのです!

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