本トピックスは(64)港区役所は公平・公正か?からの続きです。
実際に起きた事例を皆さまへ公開します。
を認知してしまった港区役所!
(問題の所在と今後)
港区には説明責任と共に早急なる「綱紀粛正」を求めます。
【今回事例の一部始終】
1.準備組合が不当に設立されていた事実が判明
泉岳寺の「準備組合」が地権者の民意ではなく「ごく一部の地権者」により設立されていた疑いが、港区への情報公開請求を通じて入手した公式文書から判明。(詳しくは(34)準備組合は謎だらけ(その3)をご参照下さい)
2.しかし港区はそのような準備組合を既に「認知」していた!
港区が「準備組合結成」を東京都へ報告する形でこれを認知。
しかしいったい何を根拠に認知したのか?準備組合の実態を精査したのか?
情報公開された資料を港区がしっかり精査していれば「準備組合」の結成にあたり「民意など存在しない」ことはわかった筈。
2.そこで区へ「準備組合を認知した根拠」を問う質問状を提出
なぜ「認知」したのか? 港区に対しその根拠を説明するよう問いただしました。
3.しかし港区からは苦しい説明が…
令和2年11月18日付で港区・再開発担当課長名による回答書(添付①)が発行されました。しかしこの回答書、よく読むと様々な理屈が述べられているものの、文末には「準備組合から聞いています」、「…と考えています」、「…と聞いています」と言った、伝聞と憶測のみで「認知」したことが推測される記述が満載。
具体的事実や証拠などは何ら示されておらず、役所の回答とは思えぬ極めて曖昧な説明に終始した内容。
4.では港区はいったい何を調べたのか?
区は本当に精査もせずに「伝聞」や「憶測」で準備組合を認知してしまったのか? そうだとすれば区の「懈怠」や「不作為」に該当するのではないか?
そこで私たちはこれを再度、客観的な事実と証拠を求めて港区に対し情報公開請求(添付②)を行いました。
再開発担当課長が回答書の中で述べた「多くの地権者の発意があった」とされる点に絞り、
1)「多くの地権者の発意があった」ことを客観的に示す証拠資料、
2)何をもって「多くの地権者」だと判断したのか、
の2点に関して情報公開するよう港区へ請求しました。
5.しかし情報公開請求の結果はまさかの「不存在」!
残念なことにこの情報公開請求に対する港区からの回答は
と言うものでした。これが港区政の実態なのかと驚嘆!
因みに、港区は「国民の知る権利」を保障するため、職務上作成した、或いは知り得た情報を原則すべて情報公開の対象としています。
「準備組合の認知」と言う、将来、区民の資産へ重大な影響を及ぼしかねない事案にも係わらず、その根拠となるエビデンスが何も残されていないと言うのは明らかに不自然だと言わざるを得ません。
6.結論
公平・公正、且つ透明性ある対応が求められる港区役所が、自ら実行した措置に対しその客観的根拠や証拠を区民に対して示せないと言うのはどう考えても不自然です。何か表に出せぬ特殊な事情があったことが推測されます。
もはや「懈怠」や「不作為」の域を超え再開発事業者との不適切な関係が裏にあるのではと言い出す区民も出始めています。
港区内では現在20件以上もの再開発計画が同時進行中ですが、その多くを占める「第一種市街地再開発事業」を港区は地権者が自らの発意と合意に基づき共同で進めて行く街づくりであると定義付けています。しかし今回の事例を見る限り、港区の再開発担当部局で果たしてその定義に従い運用が正しく行われているのかが疑わしくなってきています。
区の対応につき一度ご検証下さい!
皆さまの地域において、再開発計画が真に「地権者自らの発意と合意」に基づき進められているのか、いま一度検証されることをお勧めします。
その理由は、各地の再開発現場にて「地権者の発意と合意」がデベロッパー側により「過大に演出」され、それを行政が鵜呑みにして再開発を進めたと思われる事例が散見されるからです。今回の泉岳寺の事例もまさにその演出された「地権者の発意と合意」を港区が中身を精査せずにそのまま受け止めてしまった典型例ではないかと見ています。
今後どうすべきか?
地権者も日頃から行政との意思疎通を図る努力が望まれます。地権者側の意見や要望を行政に知って貰うことは重要だからです。
尚、その際、公平・公正、そして客観性・透明性ある対応を行政へ求めることも忘れないで下さい。
港区は私たち区民が生活のあらゆる場面で大変お世話になっている役所です。営利目的の民間業者とは異なり、港区役所は常に私たち区民が健康で文化的な生活を営むことが出来るよう各種サービスを提供してくれる大切な行政機関です。そのような港区役所とは今後も区民として対等に、且つフェアプレーの精神で気持ちよく付き合って行きたいものです。