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(80)住友不動産への質問状

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住友不動産へ書簡を送付しました!

地元「地権者の会」は今般、泉岳寺での再開発計画を実質的に取り仕切る住友不動産に対し添付2通の書簡(質問状及び要望書)を送付しました。理由は、話し合いに先立ち住友不動産の企業姿勢を知るためです。

書簡送付の背景

泉岳寺で計画されている「第一種市街地再開発事業」は、地権者が自らの発意と合意の元で事業リスクを取り共同で進めて行く形の事業です。
そしてその事業の検討・準備を行う目的で地権者により設立される任意の団体が「準備組合」と呼ばれる組織です。

しかし残念なことに、泉岳寺の準備組合は「地権者の皆さまの準備組合」を標榜しながらも、実際には住友不動産が実効支配する組織と化してしまっているのが現実です。更には準備組合に6名いる地元出身役員の内、理事長を含む3名もの役員が「自分たち専用」の優遇住宅構想に携わっていた疑惑が持ち上がるなど、準備組合には多くの問題が内在しています。
(注:疑惑については準備組合は今も沈黙を続けており説明責任を果たしていないため、私たちには真相がわかりません。従い、現段階ではあくまでも「疑惑」にすぎません)

このような状況を鑑みれば泉岳寺の準備組合が本来の理念である「地権者の、地権者による、地権者のための公平・公正な組織」でないことは明白です。このため地元「地権者の会」は、もはや再開発問題を問う相手は住友不動産しかいないとの判断のもとに今回直接住友不動産宛に質問状を送付したとのことです。

尚、2通の書簡は本トピックスの最後に添付してありますが、計10ページに及ぶため、先ずは概略を項目のみ以下に列挙します。

4月30日付発送書簡(住友不動産に対する各種質問)

この書簡では主として地権者の「財産権」及び「人権」に係わる諸事項を中心に、以下の内容にて住友不動産へ質問状のかたちで送付しました。
【主な項目】

1.「土地から床」への権利変換に関して
2.地権者の権利変換後の「生活再建」に関して
3.マンション区分所有者のいわゆる「1票の格差」問題に関して
4.住友不動産が「保留床」を買い取ることの保証について
5.再開発への不関与を表明している土地所有者の扱いについて
6.住友不動産がコンプライアンス等の行動指針を遵守することの再確認

5月17日付発送書簡(住友不動産に対する各種質問と要望)

この書簡では、泉岳寺で地権者との間で未解決となっている主な懸案事項を中心に取り上げ、住友不動産に対し質問と共に解決に向けての要望を行いました。
【主な項目】

1. 陽当たりの悪い地権者棟(=中層棟)問題に関して
2. 区域外の整備・維持費まで地権者負担とする「歩行者デッキ」構想
3. 泉岳寺前児童遊園の現行の移設計画は不適
4. 新計画へ向けた各種要望
 ① 地権者棟(中層棟)の抜本的見直し
 ② 公園問題の解決
 ③ 隣接地区の再開発事業との一体化
 ④ 高齢者施設の併設の要望
 ⑤ 「マスターアーキテクト制」の導入(建築家・隈研吾氏への依頼)
5. 住友不動産の「再開発の進め方」についての要望

以上が書簡の主な質問及び要望項目です。何れも「地権者が主体」で且つ「地権者のリスク」で進める再開発としては当たり前の質問・要求事項であり、また「都市計画決定」前に解決されることが大前提となる項目ばかりです。
地元「地権者の会」は、
先ずは住友不動産からの書面による回答を待ち、その上で真に地権者主体の公平・公正、且つ透明性ある再開発が住友不動産の関与のもとで実現可能なのかを見極めたいとコメントしています。

以下は住友不動産へ発送した2通の書簡の全文です。

4月30日付発送書簡全文

(注:わかりやすいよう、項目は黄色、要点は灰色で着色してあります)

2021年4月30日

住友不動産株式会社
用地開発事業本部
首都圏第三事業所長
■■ ■ 殿

泉岳寺周辺地区・地権者の会
代表 ■■ ■■

泉岳寺周辺地区市街地再開発計画の件

拝啓、
貴社益々ご清祥の段、大慶に存じます。
さて貴社が実質的、且つ主体性を持ち推進されおる頭書再開発計画に関しましては、その進め方において残念ながら「公平さ」、「公正さ」そして「透明性」が客観的に見ても欠如していると言わざるを得ず、果たして再開発を推進することが地権者の利益に繋がるのかが見極められぬ現況下にあります。
もし再開発が真に地権者の利益になるとの確証があるのなら、地権者の要望に率直に答え、抽象的な形ではなく具体的な事実を以てそれらを書面にて提示頂くのがデベロッパーである貴社の役割であり責務であると思料します。
就きましては、今般、貴社に対し先ずは地権者の「財産権」及び「人権」にも関わる諸事項を中心に、以下の通り質問等をさせて頂きますので、私たち地権者が社会通念に基づく見識をもって理解し納得することの出来る形でのご回答を賜りたくお願い申し上げます。

1.土地から床への権利変換に関して
再開発に於いては、戸建て住宅を含む土地の権利者は「土地から床」への変換に応じることとされています。この場合、将来発生する床の減価償却分の資産価値減少はどのような形で土地権利者に対して補てんされるのかをご提示下さい。
この点は土地権利者が再開発への同意を判断する際の重要な要素ですので、例えば「街づくりのために協力してほしい」などと言った抽象的・観念論的な説明ではなく、土地の権利者への具体的な取引条件としての提示をお願いします。

2.地権者の権利変換後の「生活再建」に関して
取得する床面積の問題と共に、新居で高い維持管理費が発生するとなれば、地権者の生計が果たして成り立つのかと言う新たな問題が発生します。港区もこの点に関し「権利者の皆さまの生活再建、住み続けられると言うのが最重要」だと過去に議会答弁を行っています。
この点を担保するには、貴社が都市計画決定前に全ての住居棟(中低層棟・高層棟他)に関し、維持管理費の上限額を平米単価等の形にて具体的に地権者へ明示頂くことが必要です。就いては、この点に関する貴社のご回答をお願いします。

3.マンション区分所有者の所謂「1票の格差」問題に関して
再開発などまだ何も決定していない現時点でマンション区分所有者を「1棟全体で1人」と決めつける行為は「法の下の平等」原則に反し、更には区分所有者の財産権をも著しく侵害する行為であると見做さざるを得ません。
たしかに再開発決定後に適用される「都市再開発法」にはそのような規定はあるものの、何も決定しておらぬ現段階で、しかも任意団体に過ぎない準備組合がその様なルールを適用するとなれば、貴社が標榜する「皆さまの準備組合」と言う説明とも矛盾することとなります。
(泉岳寺では地権者総数260人の内、およそ230人が4棟のマンションの区分所有者です。この230人の財産が平時で有りながら僅か「4人」としての権利しか認められないのは明らかに不当であるとして、既に多くの地権者が明確な反対意思を行政に対して表明済です。)
この問題は「都市計画決定」の際の地権者同意率の算定にも影響を与えるだけに、貴社は地権者との間でどのような形でこの問題の決着を図られる方針なのかをご提示下さい。

4.住友不動産が保留床を買い取ることの保証について
本年3月に準備組合が地権者宛に郵送した書簡「皆さまに正しく知って頂きたいこと①」では、保留床の取得に関して「住友不動産(株)による書面での事業に対する確約を求める声もありますが、既に為されているのが実態です」と記され、更にそのことは貴社が準備組合との間で締結した「覚書」に明記されているとしてその「覚書」の写しまで書簡へ掲載してきました。しかし、残念ながら掲載された覚書は縮小されており条文を判読することが出来ません。
就きましては、貴社が保留床を間違いなく買い取ること(即ち、地権者側に金銭的負担が生じないこと)を客観的・具体的事実(証拠)と共に私たち地権者に対しご提示頂きたくお願い致します。本件は私たちの資産にも大きく影響を与えかねない事案なだけに可及的速やかにご回答下さい。

5.当初から再開発への不参加を表明している土地所有者の扱いについて
初期の段階から再開発には参加しないこと(=不関与)を決断し、貴社へ複数回に亘り通告済の地権者が5名おられます。しかし乍ら、貴社は今も当該地権者の了承を得ることなく一方的に彼らの大切な土地資産を再開発の図面に組み入れるなどして彼らに精神的苦痛を与え続けています。直ちにその様な行為をお辞め頂くと共に、彼らの土地が再開発の対象区域外となることをご確認下さい。

6.貴社がコンプライアンス等の行動指針を遵守されることの再確認
貴社におかれましては、「住友の事業精神」を踏まえる形で、全役職員に対して
「コンプライアンスの実践」が求められており、その具体的指針として「法令、社内規則、社会常識、倫理に基づいた事業活動を行うこと」と定められています。
また別の行動指針では「地域社会との信頼関係の持続が不可欠」とも定められています。就きましては、貴社はいかなる形で、社会常識、倫理に基づいた事業活動を地域社会との信頼関係のもとで展開されるのかを、具体的に私たち地権者に対しお示し下さい。
また社会通念上、当然の事ではありますが、貴社が地権者並びに地域社会との間で公平・公正、且つ客観性・透明性を持った形で事業活動を実践して行かれることも併せご確認頂きたくお願い申し上げます。

以上は、主として私たち地権者の「財産権」や「人権」上の観点からの質問や確認事項でございますが、何れも「都市計画決定」の申請に際し、関係する地権者との間で事前に合意がなされるべき重要事項ですので、この点もご勘案の上、貴社としてのご回答を書面にて賜りたく存じます。宜しくお願い申し上げます。

敬具

5月17日付発送書簡(住友不動産に対する各種質問と要望)

(注:わかりやすいよう、項目は黄色、要点は灰色で着色してあります)

2021年5月17日

住友不動産株式会社
用地開発事業本部
首都圏第三事業所長
■■ ■ 殿

泉岳寺周辺地区・地権者の会
代表 ■■ ■■

泉岳寺周辺地区市街地再開発,現計画の再考を要望する件

拝啓、
貴社益々ご清祥の段、大慶に存じます。
さて貴社が実質的且つ主体性をもって推進されている頭書再開発計画に関しまして、主として、計画案への質問並びに要望事項を貴社へご連絡致します。

先ずは私たち地権者が高い関心を寄せる地権者棟(=中低層棟)についてです。
現在、私たち地権者にとって民主的で透明性の高いプロセスを経て公に決定されたと認識しがたい「C2´案」が、さも正式に決定され変更不可であるかの説明を受けております。

先月貴社で行われました「泉岳寺周辺地区 勉強会-事業計画段階ごとの決定事項と住宅の配置計画案について-」における配布資料にも、ただ「2020/6通常総会以降の内容」として「整形型(C2'案)を採用しました」と記載がある通り、2018年御社での全体説明会で説明のあった「B案とC2案の比較」から、2020年6月には「現行計画はC2'案」と何の前触れもなく、突如として説明資料に記載されるようになりました。
つまり、この「C2'案」が 「いつ?だれが?どのような場で?どんな合意形成を行ったのか?」という意思決定のそのもののプロセスや根拠については一切公表されていません。

これは、泉岳寺地域全体と地権者全員を巻き込むような大規模な再発計画の計画案の、非常に重要な決定のプロセスです。私たち地権者が最も関心を寄せる部分ですので、貴社におかれましては私たち地権者の大多数が納得できる具体的な検証資料と透明性をもってご説明下さい。私たち地権者が理解し納得できる内容での説明を貴社側から頂けるまで、私たちはこの不透明な決定には明確に反対致します。

なぜこうした問題を提起するかと言えば、このC2´案は建築設計を学ぶ大学生が課題で提出したなら5段階評価で「C」はおろか「D」が付くような、中低層では決定的となる方位による住環境の不平等や、暗くビル風が吹きすさぶ無駄に広い広場が日影規制によって必要悪で生まれたことが容易に想像でき、『居住性は2の次。床面積の最大限確保が最優先』という意図が明らかな計画だからです。
つきましては、次項のように、配棟計画の再考を要望いたします。

1.現計画の再考を求める理由

1- 1 真北を向く住戸が約半分
C2´案において、日影規制を躱しつつ床面積を最大限確保した結果,真北を向く地権者棟住戸がおよそ3,000㎡分生じている点。これは、明らかに配棟の工夫で解決できる問題であり、地域住民の快適な住まいに直接大きな影響を及ぼす非常に大きな問題です。
第一に再開発を行う大義名分として、「現状より快適で安心な住環境を確保する」は自明の理ではないでしょうか? わざわざ私財を差し出し2度引っ越ししてまで、真北向きの住戸にぜひとも入居したい地権者が果たして居るのでしょうか? これは先月の勉強会で貴社が説明資料とした「最近の再開発事例における住戸方位の分布」にあった「高層棟」ではありません。東西に長い巨大な1枚の壁のような「中低層棟」なのです。

計画学的の真理としても、第一に優先すべきは『良好な住環境整備の基本』であり、『住戸間の不平等を避ける』ことが基本中の基本です。現状のままでは、『床面積確保を優先して、地権者や居住者の快適性を蔑ろにしている、その姿勢の表れ』と受け取らざるを得ません。 「静かに平和に暮らしていた地権者から整備と事業の名の下、私財を取り上げ、以前より環境悪の住戸へ押し込む」という意図が見え隠れする案と言わざるを得ません。
一方B案は、各住戸棟に角度をもたせ2面採光と通風を実現できる可能性があります。
どうして、まだ良好な住環境が確保出来うるB案を捨て、C2´案の決定に至ったのでしょうか? 私たち地権者には、「そうした質の違い」が分からないだろうとお見込みなのでしょうか?

『良好な住環境の確保』と『床面積の確保』の両立は、全国に遍在する再開発計画の第一となる重要なテーマではないでしょうか? この点に関しても「なぜC2´案なのか」と言う問題と共に私たち地権者が理解し納得し、そして同意できる内容での貴社の正式な説明をお願い致します。

1- 2 『日陰描写の矮小化』と『間違った印象』の植え付け
先月の貴社での勉強会で説明資料P16に再掲されていましたC2´案のパースで,中低層棟および高層棟の『日陰部分の描写』が極端に矮小化されており、正確ではありません。
実際には、高層棟高さ173m、および14層(高さ約40m超)に達し、敷地南側に聳え立つ屏風のような巨大な壁です。「あくまでイメージ図」とのことでしたが、そうであれば余計に、専門外である地権者の多くの皆さんに『ごく明るい計画だ』,という真実と異なる間違った印象を植え付けています。
この件は貴社・地権者間の信頼関係にも関わる問題です。私たち地権者が納得できるよう、正確な日影図を公表し、イメージパースとの相違について説明をお願いします。

1- 3 環境の悪い2,000㎡もの広場
山門対面に位置するおよそ2,000㎡ある広場は、他にはないオープンスペースとして現計画の売りとしているようですが,実際には、強いビル風が吹きすさび、日陰が支配的な決して環境が良いとは言えない、夏以外は寒く夏は午後から西日が直射する『環境の悪い広場』です。どうして,美しい日本家屋がランドマークの役割を成していたその場所を更地にして、2,000㎡もの広大な空地が計画地内に必要なのか? それは14層に膨れ上がった中層棟の日影規制を躱すためです。そうした正確な説明はなく、差別化であり計画の特徴であると、再び専門外である地権者の方々に『さも良さそうな印象の説明』へと変換されています。
上記の理由により本計画の撤回も含めた再考を求めます。私たち地権者が納得し、同意できる手法および内容の解決案をご提示下さい。

1- 4 広大な広場の維持管理費は地権者の負担
この2,000㎡もの広場の維持管理費(外灯やエスカレーター等の光熱費、樹木選定や植え替え、清掃などのメンテナンス)は、無論、入居する地権者の負担の一部となる想定です。これまで第1回目の説明会以来、何度も、住居棟を含めた「維持管理費の目安を示してほしい」と要望が出されてきましたが、未だその回答はありません。先日の勉強会では、「算定は実施設計を行わないと難しい」との言説でした。貴社は多岐にわたる再開発実績を誇る第一級の日本を代表する不動産企業であると認識しております。ちなみに実績等から試算を行わない限り、事業計画も立てられないのではないでしょうか?

上記1-3と併せ、私たち地権者の大多数が納得出来る、正確な資料等での説明をお願いします。

1-5 再開発区域外の費用まで地権者負担とする説明はどこへ?
JRE開発地区と第一京浜上を空中で結ぶ『歩行者デッキ』の整備費および維持管理費について、整備協議会での協議により、
地権者負担となる見込みであることが御社より部分的に事後報告がなされました。
これに伴いデッキ整備等負担分に応じ、都による容積率の割増しが提示されていますが、整備及び増床いずれの恩恵も享受できるのは立地好条件が格段にアップする高層棟でありその賃料だとすぐ了解されます。増床分の高層棟と中低層住居棟の配分がどうなっていくのか?も説明がありません。未来永劫、高額な維持管理を負担し続けるなら『地権者の変換率等への還元があってしかるべき』ではないでしょうか?また、JRE側開発地区とのデッキ接続のタイミングを理由に、当該再開発のスケジュールを合致させんとする圧力も感じられます。

地権者への事前説明や地権者が享受する具体的恩恵に関して、何ら説明がないまま再開発区域外の費用まで地権者負担とするなど、全国的な事業計画等に照らし合わせても、全く相いれない言語道断の進め方です。 先ずはどのようなプロセスを経て「地権者負担」となることが提案されたのか?あるいは民主的でなく地権者合意を経ないまま進められたのか? 地権者側が享受する具体的な恩恵についてどのような説明が地権者側に対してなされたのか?あるいは為されていないのか? に関し、客観的正確な資料と共に、私たち地権者の全員が納得し得る形でご説明下さい。

1- 6 泉岳寺前児童遊園の現行移設計画は不適
現状は、3方をフェンスに囲まれ、行止りかつ園内がフラットで子供たちが安全に自転車やボール遊びができる泉岳寺前児童遊園を、道路に面した山門右側の傾斜地に移転する計画です。改めて移転先の敷地をよく鑑みますと、現状の公園とは180度真逆の敷地条件です。犯罪者が奥に抜けられる人目の届かない細い抜け道が奥へと続き、ボール遊びや自由に走り回ることが難しい、東南北3方を道路が取り囲んだ『出隅状の急な傾斜地』です。設計で何とかするにも限度があるでしょう。既存の抜け道をふさぐのでしょうか? 四周をフェンスで囲むのでしょうか? 地域の幼稚園・保育園などの利用者600人超から移設への反対運動も起こっています。区議会での請願は一度立ち消えになったようですが、理由は某区議が「子どもたちの安全確保」と言う本来の請願趣旨から逸脱して、「再開発予定地だから」との主張を楯に持ち出したからだ,との傍聴人の弁です。従って、児童遊園の移設に伴う根本的な問題が解決された訳では、全くありません。
改めて貴社へ問います。子供たちの安全性を蔑ろにして、使いにくく危険な公園へと改悪を進めるのでしょうか? 本当にこうした姿勢のまま、港区が都市計画決定のガイドラインとして定めている「概ね8割の地権者同意」が確保できるとお考えなのでしょうか?本件に対する貴社の今後の解決に向けた方針をどうぞお知らせ下さい。

以上が現計画の再考を求める理由です。
これだけ多くの未解決事項を残したままの現行案では、見識ある多くの地権者からの同意を得ることは難しく、ましてや都市計画決定へ進むなど、全く時期尚早であると考えております。
 私たち地権者のこれらの疑念や主張は、建築のノーベル賞と云われる「プリツカー賞」を、米国を凌いで最多受賞者数が示す世界最高水準を誇る我が国の建築業界において、『当然と見做せるごくごく基本的な概念であり指摘である』と考えております。

就きましては貴社におかれましても、一度、再開発設計のセカンドオピニオン等、幅広く専門家ともご協議頂いた上、貴社のご見解を私たちが納得し同意できる形でご提示頂きたくお願い申し上げます。

2.新計画への要望

2- 1 敷地形状に最適でかつ快適な住環境の計画を望む
第一京浜から山門に抜ける東西方向に長い当該対象地区において、東西に長く巨大な壁のような現計画を見直していただきたいと考えております。
この配棟のままでは、北側に大きな日陰と強いビル風の広大な空地(2,000㎡もの広場)を生み、住戸は不公平で環境悪が3000㎡を占めています。
中低層住居棟は、良好な住環境を考慮し、2面からの自然採光・通風を基本とし,不平等感のないよう最大限の工夫
をしていただきたいと考えております。

2-2 泉岳寺周辺地区と同南地区が一体の再開発エリア
泉岳寺前公園の移転で起こる諸問題を解決し,再開発に足る十分な床面積やオープンスペースを確保しつつ、かつ日影規制の問題を躱すためには,現在の当地区と南地区を合わせた再開発エリアとして線引きし直しすべきではないか?と考えております。

そうしない限り、いつまでたっても泉岳寺前児童遊園問題は解決せず、南側に聳え立つ巨大な壁のような住戸配置では、根本的な解決策が乏しいことが明白です。より広い配置配棟の選択肢の中から、地権者の同意を得られるような、もっと優れた新しい計画案へ刷新しない限り、港区が都市計画決定のガイドラインとして定めている「概ね8割の地権者同意」の達成は遠いままではないでしょうか?

2-3 地権高齢者が安心して暮らし続けられる施設の付帯
当該地区には、ご存知のように後期高齢者の地権者が多く、これまで繁栄の時代を築いた功労者の皆さんが、住み慣れたこの地で安心して暮らし続けられるような高齢者施設を地区内に設けてほしいと考えております。 例えば、住宅棟の一部を「サービス付き高齢者向け住宅」に充て、その運営者を募る方式です。現在はちょうど歩行者デッキによる増床分を入れ込むなど新たにプランを検討するタイミングだろうと憶測します。これを期に、高齢者施設の床の確保を要望いたします。

2- 4 前進の要となる「マスターアーキテクト制」の導入
以上のような再考計画案の策定にあたっては、渋谷駅前での再開発にも導入された実績のある、優れた実績と高い設計技術力、デザイン性を誇る「マスターアーキテクト」の導入が当地区でも効果的だろうと考えております。地域住民や地権者の意図をくみ取りながら、これまでに噴出してきた諸問題を解決する技量と人格を有し、かつ東京の南の玄関口に隣接する当該地区に相応しい世界的な建築家なら、当該計画も大きく躍進するでしょう。

マスターアーキテクト制の導入と世界的に著名な建築家の採用は、殊更大きな発信力を有し、乱立する品川~泉岳寺周辺の再開発オフィスビルの中でも、その立地やSクラスに相応しい話題を博して、その経済効果は絶大になるだろうと考えております。

その候補として、高輪ゲートウエィ駅の設計者であり世界的な建築家の 隈 研吾 氏がふさわしいと考えております。 隈氏は、対面のJRE再開発計画にも関わっている由。
したがって、この地域の特徴や歴史・気候風土をよくご存じで、さらに、これからの都市を形づくる力強いヴィジョンもお持ちです。 既に、隈氏には当会から接触を始めており、当該地区でのマスターアーキテクトとしての役割など、ご本人より『できるかぎり協力する』との内諾をいただいております。

さて上記2で列挙しました「要望事項」も、上記1にて列挙した「再考を求める理由」と共に、社会通念上及び建築計画的な常識上、何れの観点からも客観的・合理的根拠を持った要望であると考えています。 貴社におかれましてはこれらの要望事項に対する検討結果を可及的速やかに私たち地権者全員に対し、わかりやすい形での書面を以てご提示頂きたく存じます。

先ずはどのようなプロセスを経て「地権者負担」となることが提案されたのか?あるいは民主的でなく地権者合意を経ないまま進められたのか? 地権者側が享受する具体的な恩恵についてどのような説明が地権者側に対してなされたのか?あるいは為されていないのか? に関し、客観的正確な資料と共に、私たち地権者の全員が納得し得る形で、ご説明下さい。

3.貴社の「再開発の進め方」についての要望

社会通念上、当たり前の事ばかりかとは思いますが、いま一度貴社におかれましては下記3点の要望事項に対するご確認を賜りたく存じます。

3-1 地権者が主体となる「第一種再開発事業」の基本理念を尊重頂くこと

貴社が推進される再開発事業に関しましては、上述しました通り、多くの提案において「地権者への具体的で且つ透明性を持った説明」及び「民主的なプロセスを経て地権者の同意を得たこと」が確認できぬまま、一方的に貴社側が配付される資料等であたかも決定が為されたかの如く記載される事例が目立ちます。
このような形で既成事実化を計ろうとされる手法は、地権者が主体となり進めて行く「第一種市街地再開発事業」の基本理念に反するものであります。就きましては今後このような手法は一切お控え下さい。

3- 2 全ての決定事項について説明責任を果たして頂くこと。

「地権者が主体となる再開発事業」では当たり前のことではありますが、貴社側の提案を「決定事項」とされます際には、上記3-1にて述べましたように、「地権者に対し具体的で且つ透明性を持った説明を行ったこと」、並びに「民主的なプロセスを経て地権者の同意が得られたこと」の2点を私たち地権者が確認し納得できる形にてお示し頂くようお願い申し上げます。就きましては、この点に関する貴社のご確認をお願いします

3-3 公平・公正、且つ客観性・透明性を持った形で事業活動を行って頂くこと

貴社のような有名企業が、「法令、社内規則、社会常識、倫理に基づいた事業活動」を「地域社会との信頼関係」のもとで行われることは、社会通念上当然の事であります。従いまして、この点を貴社にいま一度ご確認頂くと共に、貴社が私たち地権者並びに地域社会との間で公平・公正、且つ客観的で透明性を持った形で事業活動を実践して行かれることも併せご確認頂きたくお願い申し上げます。

以上が貴社側の計画案や事業推進への質問並びに要望事項でございます。
貴社におかれましては内容をご検討の上、ご回答を賜りたくお願い申し上げます。
尚、まことに恐縮ながら貴社からのご回答に就きましては、専門知識に乏しい私たち一般地権者でも貴社の推進される再開発計画に理解を示し納得できるよう、できるだけわかりやすい言語にてこれを頂戴致したく、此の段、併せ願い申し上げます。

時事移り変わりゆく東京のその南玄関口に位置し、歴史ある泉岳寺を戴く当地区において、この地域の歴史的・文化的な価値を永続的に高め、未来永劫この不動産価値を向上させ続けられるような、未来の東京を代表し、けん引するような質の高い計画案を、私たちと共に、次の時代に伝え繁栄へと導く第一歩として、貴社の深いご理解ご協力を賜れますことを心よりお願い申し上げます。
以上、何卒宜しくお願い申し上げます。

敬具

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