本トピックスは(84)疑惑へと発展か?(その3)からの続きです。
「準備組合離れ」の始まりか?
「仲見世優遇住宅」疑惑で2ヶ月以上も沈黙を続け、結局、説明責任を果たさなかった「準備組合」に対し、遂に住民が不信任案を突きつけました!
準備組合の不誠実な対応に疑念を持った地権者有志16名が港区長宛に
「準備組合の活動を港区が今後是認しないことを求める嘆願書」
を提出したのです。(内容については添付「嘆願書」をご覧下さい)
再開発は私たちの税金も投入される極めて公共性の高い事業です!
その窓口業務を担うべき「準備組合」が、疑惑に対する地権者からの問合せに2ヶ月も沈黙するなど言語道断であり、健全な組織ではあり得ないことです。
準備組合理事長を始め、複数の役員が関与したとされる「優遇住宅計画」は一般の地権者には非公開で検討が行われてきたため、仲見世の外側に住む総勢250名の地権者には真相がわかりません。わからないから説明を求めたのに準備組合は2ヶ月に亘り沈黙を続けた。沈黙を続けるから益々疑惑が深まって行くと言った悪循環です。語るに語れぬ何らかの裏事情があるのかも知れませんが、それでも地権者への説明責任は果たすべきでした。
「疑惑への沈黙」は組織の危機管理対応としては極めてまずいやり方です。
サッカーの試合で言えば、「オウンゴール」と言ったところでしょうか?
準備組合は、自ら公共事業を担う資格などないことを露呈してしまいました。
日頃は「皆さまの準備組合」を標榜する準備組合が、ひとたび都合の悪い話となると沈黙を決め込むなど、あってはならないことです。まして「特定の地権者、それも準備組合の役員が優遇される」など(もし事実なら)言語道断です。
その様な準備組合が地権者から白紙委任状に近い内容の「同意書」を取付け、再開発を進めてしまおうと言うのですから、地権者はたまったものではありません。(同意書については、(42)これが同意書の正体だ!(その1)をご参照下さい)
地権者一人ひとりが再開発について充分理解し、そして納得をしない限り決して同意書には捺印すべきではありません。将来、「こんな筈ではなかった」と後悔しないためにもこのことは重要です。
今後どう展開して行くのか?
今回、有志が港区長へ提出した「準備組合の活動を今後是認しないことを求める嘆願書」は、もはや今の「準備組合」では公平・公正、且つ透明性ある再開発が実現できないとの意思表示であり、準備組合に対する不信任決議だとも言えます。特記すべきは、僅か2日間で16名もの署名が集まったことです!より多くの時間をかければ、更に多くの署名が集まったものと想定されます。
今回の「嘆願書」は地権者有志が区長へ提出したものですが、地元「地権者の会」でも同様の考えのもと、もはや「準備組合」には期待できないとして、住友不動産との直接交信を始めています。住友不動産は信用も経験もある大企業であることから、準備組合に代わり、建設的な回答が期待できると考えるからです。住友不動産には、「事業者は準備組合です。私たちは事業協力者に過ぎません」などと言ういつもの逃げ口上は使わず、正面から再開発問題に向き合ってほしいものです。
再開発は果たして進むのか?
泉岳寺では、既に再開発には一切関与しないことを表明し、準備組合とも関わりを持たないことを決断した地権者が何名もおられます。今回の「仲見世疑惑」への不誠実な対応は、多くの地権者へ不安と疑念を与える結果をもたらしたことで「準備組合離れ」が更に加速する可能性も出て来ました。このような状況下では、もはや準備組合が「都市計画決定」へ駒を進めようとするなど論外です。
地元「地権者の会」では現在、住友不動産へ複数の書簡を出状し多くの質問や要望を投げかけています。準備組合がもはや地権者が信頼するに足る組織でないことが明確となった以上、住友不動産の責任ある対応は重要であり、彼らの地権者に対する公平・公正、且つ透明性ある公約に期待したいところです。
【添付】