本トピックスは(130)業者が仕掛ける「不安商法」にご注意!の続きとしてお読み下さい。
前トピックスでも報じた通り、一部のコンプライアンス意識の欠如した再開発業者は、防災面での不安を過度に煽ることで、地権者を再開発同意の方向へと不当に誘導しようとするので注意が必要です。
特に「木造住宅密集地域」と言われるエリアにお住まいの地権者はお気をつけ下さい。古い住宅街であるだけに、業者から「地震が来たら倒壊する」、「火災時には燃え広がる」、「狭い通路には消防車が入らない」などと不安を煽られれば誰もが動揺してしまいます。
しかし、そのような場合でも地域の客観的な「災害危険度」を知っていれば、業者の「不安商法」に惑わされることなく、落ち着いて対応することが可能となります。「備えあれば憂いなし」です!
多くの自治体では「災害危険度マップ」などを一般公開していますので、ぜひ最寄りの区市町村へ確認をされてみては如何でしょうか?
これが東京都の地区別災害危険度だ!
因みに、東京都は都内の市街化区域5,177の町丁目を対象に「災害危険度」調査を行ない、各地区の危険度を5段階で評価し、その結果を「災害危険度マップ」にまとめて公表しています。
更に、東京都は区市町別、町丁目ごとの災害危険度ランクも公表していますので、都内の地権者は、自宅周辺地域の「災害危険度」まで詳しく確認することが出来ます。
その「危険度」も漠然とした形ではなく、具体的に
① 建物倒壊危険度
② 火災危険度
③ 災害時活動困難度
④ 総合危険度
の4項目のそれぞれに関して5段階評価を行なっているため、地震だけでなく火災等も含めた災害全般の危険度を知るツールとして極めて有益です。
都内の地権者の皆さまは、さっそく自宅周辺地域の「災害危険度」を以下の東京都ホームページにて確認されて見ては如何でしょうか?
↓
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/chousa_6/home.htm#project
都心3区(千代田、中央、港)に危険地域はない!
東京都の「災害危険度マップ」を見ると、実は「危険度が高い」とされる地域は都心部には殆ど存在しないことがわかります。
日本経済新聞も2022年3月4日付朝刊にて、東京都の「災害危険度調査」に関する記事を掲載しており、そこでは
危険度が4~5と判断された地域は
都心3区には一つも存在しなかった
と報じています。
東京都の災害危険度調査は、都の「都市整備局」が専門家の調査結果を踏まえて発表したものです。都市計画について責任を持つ部局が取りまとめた客観的なデータであるだけに、その信頼性は極めて高いと言えます。
まとめ
「人は見かけによらぬ」と言う言葉があります。
人の性質や能力は外見からは判断出来ないものだと言う格言です。
同じことが「住宅」に関しても言えます。
古い住宅街はどうしても素人目には防災面で不安があるように見えてしまうため、心ない業者の「不安商法」のターゲットとされがちです。
これを防ぐには自ら地域の真の危険度を知ることが大切です。
東京都だけでなく、全国の市区町村でも災害に備えた「危険度」のデータが必ず用意されている筈です。
「災害危険度」に対する正しい知識を身につける!
これは地権者が再開発の是非を判断する上で極めて重要な要素です。多くの地権者が地元の客観的な「災害危険度」を知ることは、業者に「不安を煽る説明」をさせないことにも繋がります。
皆さまも是非、今から地元の「災害危険度」を調べてみませんか?