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(156)住友不動産に「街づくり」は期待できない!

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当地区では、ある住民集会で起きた出来事が今も地権者の間で語り継がれています。それは夏前に地区内で開催された、マンション住民を集めた集会での出来事でした。
その集会に現場責任者を含む「住友不動産の社員3名」がやって来て、再開発への勧誘目的のプレゼンを行った時のことです。
その場で、地権者の一人が彼らに対し質問を投げかけました。

「あなた方の再開発のコンセプトは何ですか?」

さて、どのような回答が返ってきたと思いますか?
住友不動産の社員たちは沈黙。互いに顔を見合わせるばかりで、現場の最高責任者まで同席しながら誰も答えることが出来なかったのだそうです。

「再開発のコンセプト」など実はどうでも良く、
再開発を進めることしか眼中にない住友不動産!

そのような住友不動産の素顔が垣間見えた瞬間だったと、参加した関係者は今もその時の印象を語っています。

住友再開発の資料には美辞麗句がずらり

住友不動産は、実に素晴らしい勧誘資料を作ります。(注1)

注1:資料は「準備組合」名義で作成されますが、実際には住友不動産が作成していることは今や当地区の地権者なら誰もが知っています。

そこには人の心に訴えかける「聞こえの良い言葉」が満載です。
しかし「当地区のために、これほどまでに『街づくり』を考えてくれているのか」などと勘違いしてはいけません。
なぜなら、他地区の住友再開発現場で配布される勧誘資料を見ても、まるで申し合わせたかのように同じような「美辞麗句」が並んでいるからです。
「賑わいの創出」、「景観の保全」、「豊かな緑」、「歴史・文化の保全」、「落ち着いた住環境」等々。
これではまるで外食チェーン店の接客マニュアルです。
マニュアルですから接客係(=担当者)に範囲外の質問をしても答えることは出来ません。店長(=現場責任者)でさえ答えられないケースもあります。まさにその失態を住友不動産の社員が上記集会で演じてしまった感があります。
ただ、住友不動産の社員の場合は、常に「自社利益の極大化」のことばかりを考え行動しているように見受けられますので、「自社利益以外のことを考えていないことが露見してしまった」というのが実情かも知れません。
再開発は地権者の大切な土地資産の供出を伴う不動産取引です。腹が減ってレストランへ行き、注文前に店員に質問するのとはわけが違います。不動産取引では具体的な説明が求められます。いくら有名企業であっても、準備組合の陰に隠れ、質問にも答えられないような再開発業者では信用するに値しません。

美観・景観などお構いなしの住友再開発


そもそも住友不動産が当地にやってきたのは、泉岳寺「中門」脇に計画された「8階建てマンション」の建設反対運動がきっかけです。(写真ご参照)
周囲の景観・美観を損なうとして起きた反対運動のさなかに、「同マンションを自社で買取った上で取り壊すので、その見返りに再開発に協力してほしい」として、仲見世を中心としたごく一部の住民を取り込むことで再開発計画を一方的に立ち上げたのです。
しかし、気がつけば再開発話だけが進められ、7年が経過した今も、彼らが取り壊しを約束したマンションは建ったままです。
(まさに「口約束は守られない」不動産取引の典型例と言えます)
今後、コロナが収束し、海外からの観光客が再び戻って来れば、彼らは、中門左脇に「8階建てマンション」、右脇には仲見世屋上に干された「洗濯物」の光景を目にすることになります。
これが日本人の「美的感覚」なのかと嘲笑されたくはありません。
「再開発だ」、「再開発だ」と日々連呼しながらも、それが実現するまでは現場の「景観」などお構いなしで、改善の努力さえしようとはしない「住友不動産」並びに仲見世住民(注2)を中心とした親住友派の人々。そのような人たちが中心となり計画する「街づくり」に期待などできません。

(注2)仲見世住民も決して一枚岩と言うわけではありません。一部の住民は当初から住友不動産の再開発計画には懐疑的な見方をしています。実際に仲見世だけの「同意率」を見ても、港区が「都市計画決定」を実行する際に基準としている「80%同意」には遠く及ばない現状にあります。

これほど矛盾に満ちた住友再開発を支持できますか?

当地区では、どう考えても「地権者が主体」とは思えない奇妙な計画が山のように提案されています。例えば、

1.参道の片側しか整備しない「参道整備」計画

人間で言えば「顔の片側だけ化粧」して外出するようなものです。地域住民が真に主体となり進める再開発であれば、決してこのような馬鹿げた計画は立ち上げません。
当地の「準備組合」が、地元民主体ではなく、まさに住友不動産の都合で動いていることを示唆する計画だと言えます。

2.「1年中陽のあたらない地権者棟(中層棟)」計画

地権者が再開発後に移り住む住居棟。なんと住戸の半数が年間を通してまったく陽の当たらない設計なのです。しかもこのことを住友不動産側は地権者には説明せず、不審に思った地権者側が独自に行ったコンピューターによる3D-CAD解析により初めてわかった事実です。
更に3D-CAD解析は、住友不動産側が配布した日影図が実際より短く描かれていた事実も明らかにしました。
まさに「住民の無知」に付け込んだ不誠実な手法だと言えます。
再開発後に移り住む「住居」は、地権者にとり最大の関心事です。地元地権者が真に主体となり進める再開発であれば、決してこのような馬鹿げた住居棟を自ら計画する筈がありません。
まさに当地の「準備組合」が、地元民主体ではなく、住友不動産の影響下で動いていることを示唆する乱暴な計画だと言えます。

3.仲見世住民だけを優遇する「仲見世住民専用住宅」計画

多くの地権者を一年中陽の当たらない住宅に押し込めながら、住友不動産の進出に尽力した(?)仲見世住民には今の敷地内に住み続けられる特権を与えようと言うとんでもない計画だと批判されています。再開発と言う公共性の高い事業において、「地権者を差別する行為」はいかなる大義名分を掲げようと社会的に許されることではありません。
真に地権者が主体の再開発であれば、「地権者が自ら地権者を差別する」と言った馬鹿げた計画など立てる筈がありません。

4.区域外の費用まで地権者に負担させる「歩行者デッキ」構想

明らかに再開発区域外にありながら、駅方面から再開発ビルへ直結する「歩行者デッキ」を寄付名目で地権者に負担させようとするとんでもない構想。区域外で発生する億円単位の費用まで地権者に「寄付」や「社会貢献」名目で負担させようとするなど論外です。
出費が増えれば、その分地権者が権利変換で得る「床面積」が縮小しかねないからです。
歩行者デッキは住友の再開発ビルと直結することから、一番恩恵を受けるのは住友不動産です。地権者ではありません。
しかも再開発区域外の設備ですから、どうしても設置したいのであれば住友不動産が自社で負担すべきです。
何から何まで地権者に費用を負担させようとする住友再開発。
地元民が真に主体となり進める再開発であれば、決してこのような馬鹿げた計画を立ち上げることはありません。

まとめ

再開発(第一種市街地再開発事業)は「地権者が主体となり進める街づくり」です。しかし、当地区で計画されている住友再開発を見る限り、その原則論は形骸化してしまっているようです。
地権者目線からすれば、当地区の実態は住友不動産が「準備組合」と言う任意団体を利用して「自社利益の極大化」のために仕組む不動産取引であると言えます。
それだけではありません。昨今では、住友再開発は「地権者が主体ではない事業」どころか、「地権者の負担と犠牲のもとに成り立つ事業」であることがますます鮮明になってきています。
上記1~4で取り上げた馬鹿げた計画や構想を見るだけでも、そのことがはっきりと見て取れます。
再開発のコンセプトすら即座に答えることのできない住友不動産に、住民が納得する「街づくり」を期待することなどできません。

このような筋の通らない計画や構想は、泉岳寺周辺地区のみならず、全国各地の住友再開発の現場でも多々存在するのではないでしょうか?地権者が声を上げない限り、計画は一方的に進められてしまいます。
将来「こんな筈ではなかった!」と後悔しないためにも、地権者の皆さまは、一度住友不動産が進めようとしている再開発計画の実態を冷静に調べられて見てはいかがでしょうか?

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