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(226)「住友不動産」を大局的に見てみた!

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なぜ住友不動産は「強引」で「虚偽説明」まで行うのか?

「住友」と聞けば、誰もが「三井」、「三菱」に次ぐ旧財閥系の
名門企業グループを想起します。住友不動産はそのグループ企業の中で、主として不動産関連事業を手掛ける会社です。
しかし、名門「住友グループ」の一員であり、且つ、国土交通大臣から与えられた宅地建物取引業者免許まで有する住友不動産の社員が、なぜ地権者たちに対して「虚偽の説明」を行ってまで強引に再開発を進めようとするのか?
その理由を知るには住友不動産と言う会社を大局的に見る必要があると考え、これをコラムに纏めてみました。

住友不動産は住友グループの新参者!

400年の歴史を持つ住友グループの御三家と言えば、長い間、三井住友銀行、住友金属工業(現在は日本製鉄となり離脱)、住友化学の3社とされてきました。他のグループ企業も多くは戦前からの企業です。一方、住友不動産は戦後に設立された新しい会社です。歴史あるグループですから、その内部には見えない序列があり、住友不動産は新参者であるが故に末席に近いと言われています。グループ内での序列(=発言力)を上げるには「結果を出さねばならぬ」のが日本企業社会の宿命です。
彼らが「虚偽の説明」を行ってまで再開発を強引に推し進めようとする原因の一つはここにあるのではと考えられます。

住友不動産は実は「街づくり」の素人だった?

三菱地所には「丸の内」があります。三井不動産には「日本橋」があります。では住友不動産は?
残念ながら住友不動産には三井・三菱のように「誇れる街」がありません!
この現実を知れば、なぜ住友不動産が地権者へ「虚偽の説明」を行ってまで強引に再開発を進めたがるのかが見えて来ます。実績を作りたい一心から彼らには「たとえ地権者を犠牲にしても再開発を!」と言う焦りがあるのかも知れません。

三井や三菱と異なり、戦後の東京にこれと言った土地を保有しない?住友不動産が、新橋や浜松町あたりで隙間空間を見つけてはコツコツと地上げを行い、まるで囲碁を打つように自分たちの陣地を広げて行ったと言う話を地元住民からよく聞きます。
そのようにして建ったビルには、まるで自社の存在を誇示するかのように「住友不動産○○ビル」と言った大きな看板が掲げられているのですぐわかります。実際に、新橋を起点に国道15号線(旧東海道)沿いを浜松町から田町方面へ車で走ると、道路の両側に「住友不動産○○ビル」などと書かれたオフィスビルがやたら多く点在することが確認できます。
「地上げ」を原点とする住友不動産の企業風土(注1)はこのような歴史の中で培われて行ったのかも知れません。
もちろん、多くのビルを戦後の東京で建設して行ったのですから、並々ならぬ努力があったことは想像に難くなく、営利企業として評価されて然るべきです。しかし、都会の隙間空間にいくら多くのビルを建設したとしても、だから「街づくり」だって出来ると言うわけにはいきません。「街づくり」(=再開発)は、単なるビル建設とは次元が異なるからです。

(注1)「企業風土」とは、一般にはその企業特有の環境を指し、目には見えないながらもその会社で働く社員の価値観や行動様式に影響を及ぼす、いわば「暗黙のルール」だと言えます。
地権者の視点からは「地上げ」のみならず、「強引な勧誘」や「虚偽の説明」なども住友不動産の企業風土だと言えそうです。

三井や三菱のような「誇れる街」を持たない上、「焦り」と「金儲け」ばかりが先に立つ住友不動産に果たして真の「街づくり」が出来るのか大いに疑問です。

住友不動産には労働組合がなく給料も安い!

実はこの会社、大企業なのに今も「労働組合」が存在しません。
企業内に労働組合があるかないかで、そこで働く社員にとっては天国と地獄ほどの待遇格差が生じることがあります。労働組合がないと、「ノルマ」、「長時間労働」、「残業代未払い」などが常態化しやすく社員には酷です。これらはあくまでも企業内部の問題ですが、もしそれが「強引な勧誘」と言う形で地権者へ転嫁されれば他人事ではなくなります。地権者はこの点にも警戒しておく必要があります。

また労働組合が無いことも影響してか、住友不動産の給与水準は同業他社と比較しても、極めて低水準に置かれています。
以下は、ダイヤモンド社が今月報じた不動産業界129社の年収ランキング(2023最新版)からの抜粋です。

ご覧の通り、住友不動産の年収は三井・三菱の半分近い水準です!ここまで年収差が開くと優秀な人材確保にも支障が出て来るのではないでしょうか?泉岳寺を担当して来た住友不動産の某中堅社員も最近会社を退職したとの情報が入っています。
「労働組合」が無く、「ノルマ」に「低賃金」まで重なれば、社員による「強引な勧誘」もエスカレートしがちで、その巻き添えを食う地権者はたまりません。
住友不動産の社員は、関西や四国と言った地方に住む地権者宅や、更には親族宅にまで何の事前連絡も行わずに突然押しかけたりします。このような強引とも言える勧誘活動は地権者間では有名な話です。
あまりの執拗さに恐怖を感じた地権者が警察へ通報し、警察署員が住友不動産社員を事情聴取すると言った事例も複数件数発生しています。まさかとお思いでしょうがこれは事実です!

このような住友不動産のやり方は地権者を不安に陥れるだけであり、地権者にとっては迷惑そのものです。
果たして住友グループ各社はこの実態を知っているのでしょうか? ぜひ聞いてみたいものです。

まとめ

住友不動産は、なぜ地権者に対し「虚偽の説明」を行ってまでも強引に再開発を強行しようとするのか?
その理由を探るには、住友不動産と言う企業の「歴史」「業界の立ち位置」「社内事情」、更には「企業風土」まで含めて総合的に考える「大局的思考」が不可欠です。

地権者が求めるのは「街づくり」であり「街壊し」ではありません。
残念ながら、三井や三菱のように「誇れる街」を持たない住友不動産には「焦り」が先立つのか、再開発を強引に推し進めようとする姿勢ばかりが目立ち、その結果、「街づくり」どころか、逆に地権者間の「不和」や「分断」まで助長していると言った指摘まであります。地権者を分裂させても再開発を強行しようとする業者に「街づくり」を行う資格などありません。

もし再開発が真に地権者の利益になるとの確証があるのなら、

地権者の疑問や要望に率直に答え、
具体的にそれらを書面で提示する。

これこそがデベロッパーである住友不動産の役割であり責務ではないでしょうか?

住友不動産は名門「住友グループ」の一員でもありますので、是非とも「住友」の名に恥じぬよう、今後は「強引な勧誘」や「虚偽の説明」は慎み、地権者に対して公平、公正、且つ、透明性ある説明を心がけて貰いたいものです。
再開発の本格議論はそれからです!

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