泉岳寺地区の再開発問題で進展がありました!
住友不動産は
同地区の地権者に対し、
「公平、公正、且つ透明性ある対応」を
文書で確約しました!
地元の地権者にとっては間違いなく良いニュースです。
ただ地区内には今も「約束は果たして実行されるのか?」と言った懐疑的な意見もあるようです。今後約束が遵守されるかは当然注視すべきですが、先ずは素直に住友不動産の対応を評価したいと考えます。
しかし「なぜ今なのか?」
以前から地権者側が要求し続けていたこととは言え、住友不動産が地元での表立った活動を停止している状況下で、なぜ今このような書簡が発行されるに至ったのかと言う疑問は残ります。
本トピックスではその辺の住友不動産側の内部事情について想像力を働かせてみたいと思います。他地区の皆さまの参考になれば幸いです。
1. 泉岳寺地区の現状について
2. なぜ住友は「公平、公正、透明性」を確約したのか?
3.果たして約束は守られるのか?
4.まとめ
泉岳寺地区の現状について
住友不動産が泉岳寺へ登場して以来、早くも10年が経過しました。
その泉岳寺に「準備組合」が設立されてから間もなく9年となります。
そして住友社員による強引な勧誘開始から既に7年が経ちました。
これほど長い年月が経過しながら、
住友再開発に対する合意形成は今も得られていません!
住友不動産は港区役所が「概ね8割の地権者の同意」を都市計画決定の判断材料としていることから、地権者が再開発への知識を身に付ける前に「無知な地権者たち」から手っ取り早く同意書をかき集めて「都市計画決定」へ持ち込んでしまおうと短期決戦を画策したきらいがあります。
その証拠に住友側は、7年前に形ばかりの全体説明会を開催した直後から、まだ再開発が何であるかも理解できていない無知な地権者たちを相手に「無償で新築の住居に住める」などと言った都合の良い話ばかりを地権者側へ持ちかけ、強引とも言える手法で彼らから白紙委任状とも言える内容の「同意書」を集めようとしました。しかし、住友側のこの手法を疑問視した一部地権者たちが「地権者の会」を立ち上げ、直ちに住民への啓蒙活動を開始したこともあり、
住友不動産の「短期決戦策」は失敗に終わりました。
一方、地権者たちは時間の経過と共に再開発の知識を徐々に身に付け賢くなっていきます。そして地権者たちは次第に、住友再開発には地権者側には知られたくない秘密事項が多数存在し、また住友不動産社員たちの言動にも一貫性がないことに気付き始め、最終的に
住友不動産の再開発事業は
地権者の犠牲のもとに成り立つ営利事業
であることを見抜いてしまいました。
もはや地区内で新たに同意する地権者はいません!
その様な状況下、住友不動産は1年前から泉岳寺での表立った活動を停止。また同社の活動拠点である「準備組合事務所」も実質閉鎖されたままで、地権者への貴重な情報伝達手段であった「準備組合ニュース」の発行も1年以上停止されたままとなっています。
住友不動産の地権者に対する
「公平、公正、且つ透明性ある活動」の確約
はそのような状況下で文書により伝達されました。
なぜ住友は「公平、公正、透明性」を確約したのか?
考えられる理由は以下の2点です。
理由その①:
それは「地権者の犠牲のもとで自社利益の最大化を図ろうとする住友不動産の目論見」を地元地権者たちが見抜き、また住友再開発の「カラクリ」や「地権者攻略の手口」まで地権者たちに知られてしまい、更には一般社会も住友再開発の実態に気付きはじめた点にあると考えられます。
住友社員たちによる「木は見せても森は見せない」と言った秘密主義の徹底ぶりに加え、諸問題を正面から直視しようとせず、追及しても最後は「自分たちは事業協力者に過ぎない」として準備組合の陰に隠れてしまう無責任ぶりが露見してしまった以上、もはや当地で住友不動産への信頼は失墜し、地権者の賛同(=8割同意)を得ることなど困難な状況です。
その様な状況下、住友不動産としては泉岳寺問題が他地区へ飛び火することを防ぐ意味でも、「公平、公正、透明性ある対応」を地元地権者たちへコミットせざるを得なかったとの推測が成り立ちます。
理由その②:
それは再開発業界を取り巻く事業環境がマイナス方向へと逆回転しはじめた点にも求められます。
「中野サンプラザの再開発計画中止」に代表されるように、今や再開発業界は「建設資材の高騰」に「職人不足」なども加わり、「事業費急騰」や「工期遅れ」などは当たり前で、「事業の見直し」や「中止」まで視野に入って来ると言った状況にあり、とても再開発を計画通り推進できるような事業環境にはありません。(因みに、2025年3月26日付日本経済新聞もこのことを朝刊一面で大きく報じています!)
更に泉岳寺地区に至っては、住友計画地の目の前にJR東日本が6,000億円を投じた「高輪ゲートウェイシティ再開発」で複数のオフィス棟が竣工。地元では早くもオフィスの供給過多が懸念されるなど、後発の住友不動産にとってはまさに「泣きっ面に蜂」の状況にあります。
その様な状況下、住友不動産は「当面、活動再開は見込めない」ことから、現時点で地権者に対し『公平、公正、透明性ある活動』をコミットしても地権者攻略上の支障は無いと判断した可能性が考えられます。
果たして約束は守られるのか?
それはその時になってみないとわかりません。
現在、住友不動産(及び準備組合)は泉岳寺地区での活動を1年以上も停止しており、またその間、地権者に対し何の公式説明も行っていないため、果たして再開発が継続されるのか、それとも中止となるのかさえ地権者側には知らされておらず、現時点ではまだ本格的な交渉を行う段階にはないからです。
しかし一つ言えることは、今回の確約は現場社員たちが発する「口約束」とは異なり、住友不動産本社・事業本部から届いた「正式文書」であると言う点です。それだけに「有言不実行」はあり得ない筈です。
従い、地元地権者側も今回の住友不動産の対応を評価すべきであり、また同社との今後の信頼関係再構築のきっかけにもなり得る文書として前向きにとらえて良いのではないでしょうか?
そうは言いつつも、やはりこの約束が将来に亘り遵守されるのかは最後まで気になるところです。
この点については、今後の地元での地権者・住友不動産間の協議の中で明らかになって行く筈ですので、当HPでも引き続き進捗状況を適宜皆さまへお伝えして行くこととします。
まとめ
そもそも再開発事業は市民の税金も投入される公共性の極めて高い事業ですから、再開発業者が事業主体である地権者に対し「公平、公正、且つ透明性」を遵守しながら活動を行うのは当然だとの意見があります。
確かにこれは正論です。しかし、
住友不動産が今回これを「書面」で確認したことは
信頼関係再構築のキッカケにもなり得るとして
地権者側も率直に評価してよいのではないでしょうか?
当HPでは「業者側の口約束は守られない」ことを過去から訴え続けて来ましたが、その意味でも今回住友不動産から届いた確約書は地元地権者にとり安心材料となる筈です。
再開発は計画通り進めば莫大な開発利益が創出される事業
なだけに、地権者側が名実共に業者側と対等な立場で事業を推進して行くことができるなら、
互いに利益を分かち合いWinWinの関係を構築
することも可能な筈です。もし将来、再開発に向けて合意形成が成立した際には、是非ともそのようになることを期待したいものです。