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(257) 港区は三菱の「ぼろ儲け」を黙認か?(その①)

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Contents
1.港区は三菱地所の「ぼろ儲け」を黙認したのか?
2.なぜ区は「不適切な指導」を敢えて公開したのか?
3. まとめ

港区は三菱地所の「ぼろ儲け」を黙認したのか?

そう思わざるを得ない情報を港区自身が社会に向けて発信しましたので、これを今回のトピックスとして取り上げます。因みに、「ぼろ儲け」とは、元手や労力の割に多大な利益を得ることを言います。
「黙認」とは、見て見ぬふりをし、暗黙のうちに認めることを言います。

港区役所は、

三菱地所が再開発に乗じて1,850億円も儲けるのでは

との芝三丁目西地区の地権者たちによる問題提起に対し、
論点には一切言及しようとせず、
調査しようともせず、まるで
三菱地所の「ぼろ儲け」を黙認するかの返答を行った上、それを
区の公式ホームページで公開までしていたのです!

https://www.city.minato.tokyo.jp/kouchou/kuse/kocho/ikenshokai49/0189.html
(記事の全文は【添付①】の通り)

実はこの問題、更に続きがあります。
港区の上記返答(=黙認方針)に納得行かぬ地元地権者たちが、

税金も投入される公共性の高い再開発事業において
民間業者が総事業費をも上回る巨額の利益を得ることを
都市再開発法は想定しておらず、社会も容認はしない

として区へ再度説明を求める文書を送りました。しかし区は全く同じ返答を繰り返すのみ。誰が見ても「不誠実な対応」であったにも関らず、港区はなんとその返答内容まで区のホームページで公開していました!

https://www.city.minato.tokyo.jp/kouchou/kuse/kocho/ikenshokai49/0183.html
(記事の全文は【添付②】の通り)

ここで注目すべきは、2回目の返答もまるでコピペをしたかの如く1回目と同じ文章がそのまま使われている点です。
港区役所の区民に対する「誠意の無さ」が如実に表れた返答です!
また両返答ともに、論点である「三菱地所の巨額の含み益」に関する言及が全くありません。この点も極めて不自然だと言わざるを得ません。
港区には「三菱地所のぼろ儲け」に言及されたくない何らかの特殊事情があることがわかってしまいました!

なぜ区は「不適切な指導」を敢えて公開したのか?

社会通念上も明らかに「不適切」と思われる今回の港区の指導内容。
それをなぜ港区が敢えて公式ホームページへ掲載したのか?
その真相は私たちにはわかりません。
しかし今回わかったことがあります。それは、港区のホームページは実はとても複雑で使い勝手が悪く、トップページから7~8回クリックしないと今回の記事にたどり着けない仕組みだったと言う点です。

この「使い勝手の悪さ」が真相究明の鍵となるのではと考えました。推測ながらも港区側の以下の事情と目的が透けて見える気がします。即ち、

1.芝三丁目西地区の地権者たちは、港区に対し「三菱地所が再開発事業で1,850億円もの莫大な利益を得る」との懸念を具体的な試算数字まで示しながら問題提起し、区へその対応を求めた。
2.しかし「再開発ありき」の姿勢を貫く港区としては、再開発の阻害要因ともなりかねない問題が提起されたことから、区自身が議論に巻き込まれることを恐れ「この問題へは一切関与しない」ことを決めた。
この結果、区は上述の「不誠実な返答」をせざるを得なかった。
3.一方、地権者側の区に対する追及は厳しく、このまま区が不関与の方針を貫けば、何れ区の「不作為」が問われ責任問題へと発展しかねない。
4.そこで区は「指導内容が不適切」であったことを自ら認識しながらも、責任回避の目的から、これを敢えて検索困難な公式ホームページの片隅にそれとなく掲載することで、自らの指導の「正当化」及び「既成事実化」を図ろうとした。(注:この手法は区が再開発業者から学んだものと思われます)

以上はあくまでも当方の推測にすぎませんが、概ね的を射ているのではないでしょうか?

しかし、どうやら港区側も見過ごしていた点があったようです。
それは区の公式ホームページは全国誰でも閲覧が可能だと言う点です。
何度もクリックを繰り返さないと当該記事にたどり着けないとは言え、記事は必ず誰かの目にとまることとなります。
それを目にしたのは再開発事業に精通した品川区在住の元区議でした。
当人は港区の「あまりにも不適切な指導内容」に驚き、このような手法が世間でまかり通れば品川区内の地権者たちにも悪影響を及ぼしかねないとして、本年6月1日付で港区長宛に質問状を送付しました。
(質問状の全文は【添付③】の通り)
同質問状は多くの関係先に「写し」が配布されたこともあり、私たちを含む多くの市民が港区の実態を知ることとなりました。

まとめ

三菱地所が再開発で1,850億円も儲ける可能性がある!

そのような地元地権者たちの問題提起に対し、港区はこの問題に一言も言及しないまま、単に都市再開発法に基づく手続きの説明に終始するばかりで、更には実態調査も行わないと回答しました。
そのような港区の対応が不適切であることは誰が見ても明らかです。
しかし、港区はこの「不適切な指導」内容を敢えて区の公式ホームページで公開しました。
港区の公式ホームページは使い勝手が悪く、当該記事にたどり着くのは至難の業です。このため区の担当責任者は「ほぼ閲覧されないだろう」との希望的観測(?)のもと、対応の「正当化」と「既成事実化」を目的に敢えて掲載に踏み切ったのかも知れません。
しかし残念ながら記事は区外の有識者の目にとまってしまいました。
そして、

6/1付で港区長へ質問状が送付されました。

果たして港区はどのような説明を行うのでしょうか?

今回は芝三丁目西地区の「三菱地所のぼろ儲け問題」をきっかけに表面化した港区役所の「不適切な地権者対応」について報じました。
当HPでは、これを「行政の構造的問題」と捉え、今後も引き続き、港区の「地権者対応の問題点」「行政のあるべき姿」について詳しく報じて行く所存です。
尚、今回の事例は港区に限らず、他の区市町村でも発生し得る問題だと考えられますので、他地域の皆さまにも今後の参考として頂ければ幸いです。

【添付①】 地権者の指摘に対する港区の対応 (赤線は当HPで引いています)

【添付②】 地権者の抗議を受けての区の対応 (赤線は当HPで引いています)

【添付③】 6/1付港区長宛て質問状 (添付書類は上記添付①と同じにつき省略)

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