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(278)【コラム】 人とトイレットペーパーとの関りについて

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今回は新年を迎え、ある仏教僧侶が寺で行った「人とトイレットペーパーとの関わり」についての法話をヒントにコラムとしてまとめてみました。

人間社会に序列があるのと同様に「紙の世界」にも序列があります。
同じ紙でも上位に位置するのは1万円札をはじめとする紙幣や絵画、表彰状などに使用される上質紙で、これらの紙は価値を有するため、人からも歓迎され、愛され、そして丁寧に扱われます。
一方、紙社会の底辺に位置するのはトイレットペーパーです。
自らを犠牲にして人のために尽くす存在でありながら、人に利用され、汚され、そして最後は感謝されることも無く捨てられてしまうトイレットペーパー。
今回は私たちの誰もが日頃からお世話になっているトイレットペーパーについて思いを巡らしてみます。

 

Contents
1. トイレットペーパーのはかない末路
2. この話、なんとなく共感できませんか?
3. まとめ(法話の教訓)

トイレットペーパーのはかない末路

ご存じの通り、トイレットペーパーはトイレと言う密室の中で「自らを犠牲にして人の尻を清める」と言った、まさに人から見れば見返りの無い献身的な役割を果たしてくれるありがたい存在です。
トイレットペーパーは私たちにとり無くてはならない存在であるにも関わらず常に人に都合よく扱われ、使用後は便器の中へ捨てられ、水で流され、そしてお払い箱となります。
これほど人のために役立つ仕事をしているにもかかわらず、人から感謝されることもなく、また人の記憶に残ることもなく、最後は使い捨てられて終わりです。
一連の行為は「個室」と言う外部から遮断された空間の中で行われるため、トイレットペーパーが「こんな筈ではなかった」と気づいたとしても、人と違い自ら声を上げることも逃げ出すことも、また後戻りすることもできません。結局、人に都合よく利用されたあげく最後は水に流されて終わりとなります。
一方、流した側はトイレットペーパーへ感謝の念を抱くことも無く、使用済みトイレットペーパーを流し終えた後は「さあ今日も頑張るぞ!」などと爽快な気分で個室から出て行きます。そしてまた翌日も同じように新たなトイレットペーパーを使い捨て続けるのです。(注1)

(注1) 使い捨てる頻度には個人差があります。

以上が人に都合よく利用し尽くされたトイレットペーパーの末路です。

この話、なんとなく共感できませんか?

この法話が伝えようとするメッセージは、

人が幸せになるのは素晴らしいことだ。
しかし、幸せの裏には多くの人や物たちの犠牲が
あることを忘れてはならない。

というものです。
これはある僧侶が寺で行った「人とトイレットペーパーとの関わり」についての法話ですが、この話はどうも再開発で悩む地権者たちにとって「他人事」とは思えない気がしてなりません。
なぜなら、一部の再開発業者が行う「強要された再開発」のもとで、業者の「甘い言葉」や「曖昧な約束」につられて地権者が大切な土地資産の供出を伴う「都市計画決定」に同意したら最後、以後たとえ「こんな筈ではなかった」と気付いたとしても後戻りは困難となるからです。
その様な状況へ地権者を追い込むことさえ出来れば、以降、再開発業者側は事業を粛々と進めることが可能となり、最後は等価交換と称して狭い部屋をあてがうだけで地権者を「お払い箱」にできると言う算段です。

従い、この法話の教えを再開発バージョンで言い換えるとすれば、

街が綺麗になるのは素晴らしいことだ。
しかし、再開発の裏には多くの地権者たちの犠牲が
あることを忘れてはならない。

と言うことになるのでしょうか。
もっともこれは一部の再開発業者が主導する再開発事業についての話ですので、すべての地区の地権者がこのような犠牲を強いられるわけではありません。とは言え、多くの地権者の皆さまはこの話に多少なりとも共感を覚えて頂けるのではないでしょうか?

まとめ(法話の教訓)

我が国では昔から水に流すと言う言葉がよく使われます。
「過去にあったことを、すべて無かったことにする」と言う意味で使われる言葉です。水に流すことで問題が円満解決する場面はたくさんあります。
しかし再開発事業においてはこの限りではありません。
もし再開発における地権者の長期に亘る街づくりへの「尽力」や「忍耐」が、使用済トイレットペーパーの如く最後は「すべて無かったこと」として水に流されてしまうのだとすれば、あまりにもむなしい結末ではないでしょうか?
何年も利用され続けたあげく最後は「等価交換して終わり」と言った事態に陥ることだけは何としても防ぎたいものです。

我が国ではまた尻ぬぐいと言う言葉もよく使われます。
尻ぬぐいとは文字通り「尻を拭くこと」、つまり「後始末をすること」であり、まさにトイレットペーパーの役割そのものです。
再開発は長期間に亘る大規模投融資事業であるが故に、その間事業者は様々なリスクにさらされます。事業費高騰、資金繰り、取引先倒産、事故、天災、景気変動、法改正、訴訟、等々、数えればキリがありません。
そもそも地権者が「事業主体」であるにもかかわらず、実務を再開発業者へ実質丸投げするやり方自体が地権者にとっての最大のリスクです。
再開発業者の故意・過失・不作為等に起因する損失まで地権者が尻ぬぐいをさせられ、あげくの果てにお払い箱と言うのであれば、やはりそれは悲惨な結末であり、地権者はそのような事態に陥ることを何としても防がなければなりません。

今回のトイレットペーパーの法話から得られる教訓。
それは、

地権者が「受け身」のままでいると、
いつの間にか再開発業者に都合よく利用され、
最後は「地権者は等価交換して終わり」で
水に流され「お払い箱」になってしまう

と言う警鐘ではないでしょうか?
誰もそのようになりたいとは思いません。
しかし心配は無用!
地権者には「知恵」と「行動力」が備わっています!
また地権者には国民として「人権」や「財産権」も保障されています。
ぜひ「知恵」と「行動力」をフルに活用し、時には再開発業者の尻を叩くくらいの意気込みで、「公平、公正、且つ透明性ある事業の推進」に徹底的にこだわってみては如何でしょうか?
時としてトイレットペーパーの材質を「紙やすり」に替えてみることも必要かも知れません。そうすれば相手の尻に火がつくこと請け合いです。
サボテンやヤマアラシ、更にはウニなどのトゲに見られるように、自然界の動植物には外敵から身を守るための天性の工夫が備わっています。
人間(地権者)も決して無防備であってはなりません。
ましてや

地権者は再開発の事業主体

なのですから遠慮する必要などないのです。

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