TOP_Topics 再開発、ここに注意

(7)口約束は実行されない?

投稿日:2019年11月27日

地権者からの情報によれば事業者は口約束を好み、書面での約束はあまりしたがらない傾向があるようです。もちろん口約束でも契約は成立します。(取引によっては例外もありますが)しかし当事者の記憶だけに頼ると、後日トラブルとなった際に「言った、言わない」の水掛け論となり解決が難しくなります。そのために書面での確認が重要なのです。特に、不動産取引においては、重要だと思ったら細かな事項でも事業者側から書面で確認を取り付けておくことが強く望まれます。

他地域での再開発事例でも事業者側の「口約束」は実行されないことが多いと聞きます。実行できるならすぐにでも実行している筈。それが出来ないから「口約束」でその場を切り抜けると言ったところでしょうか?

幸い、泉岳寺はまだ「計画段階」に過ぎないため、事業者側との大きなトラブルはないようです。(敢えて思い出すとすれば、2015年に事業者が泉岳寺に進出を図ろうとした際に仲見世の住民たちと交わした「8階建てマンションを買い取った上で取り壊すので再開発に協力してほしい」と言った提案でしょうか?その辺の詳しい事情は第三者の私たちには詳しくわかりませんが、少なくとも再開発のきっかけとなったとされる例の「8階建てマンション」は2019年11月現在、今も取り壊されず泉岳寺山門横に堂々とそびえ建ったままです。)

 

事業者が泉岳寺へ進出するきっかけとなったとされる
泉岳寺山門横の8階建てマンション(2019.7.7撮影)

-TOP_Topics, 再開発、ここに注意

関連記事

(102)マンション住民を再開発へ引きずり込む法

本トピックスは(100)マンション区分所有者は「使い捨て」?及び(101)マンション区分所有者は「使い捨て」?(その2)から続く「総集編」です。 各地の住民団体、専門家、NPO等を交えて地権者目線でマ …

(38)公園移設で不穏な動きが

公園管理の現状 再開発に伴い移設が水面下で検討されているのは、開発区域内にある港区所有の「泉岳寺前児童遊園」。港区は再開発を認可する立場にありながら、一方では再開発エリア内にある児童遊園の「地権者」で …

(228)港区でも再開発業者の「ぼろ儲け」が発覚か?

本トピックスは(217)住友の錬金術:1,300億円の事業で含み益が1,300億円?の関連記事です。 なんと街中が「かわら版」だらけ! 現場は東京都港区の「芝3丁目西地区」。 ここは都内の観光スポット …

(233)住友不動産とトランプ氏の共通点

米国の不動産王と言われるドナルド・トランプ氏。第45代大統領まで務めた同氏は国民に対して「虚偽の説明」はもとより、「事実と異なる発言」や「誤解を招く発言」を何度も繰り返すことで広く知られており、米国の …

(5)地権者団体の設立

●再開発計画が立ち上がると、事業者側から計画区域内の地権者に対し様々な説明や提案が行われ、そしてほどなく「再開発を進めることに対しての皆さまのご了解を頂きたい」として同意書への捺印を求められるようにな …