TOP_Topics 再開発、ここに注意

(62) 理事が準備組合を訴えた!(その3)

投稿日:

(54)理事が準備組合を訴えた!及び(59)理事が準備組合を訴えた!(その2)からの続きです。

東京都葛飾区「立石駅南口東地区再開発」において準備組合の理事が準備組合を訴えた裁判を通じ、同意書の改ざんまで行われていたことが明らかとなったこの事件。
しかも準備組合を牛耳るデベロッパー側社員の関与まで明らかとなったこの事件は、
デベロッパーと地権者との信頼関係を揺るがす大事件として地元のミニコミ誌も大きくこの件を取り上げ、配布を通じて地権者へもその詳細が伝えられた
ようです。(添付:「たていしさまたより60号」をご参照下さい)

さて、同意書が改ざんされていた事実を知った地権者はどのような反応を示すのでしょうか? 
同地区では「都市計画決定」が実行され、これから「組合」が設立されようとする段階です。
組合を設立するには地権者及び借地権者の2/3以上の同意取得等が法的要件として必要になります。もしここで多くの地権者が準備組合の不正行為に反発し、2/3以上の同意が集まらなければ組合は設立できず再開発計画は頓挫します。
全ては今後の地権者の動向次第と言うことになります。

余談になりますが、「たていしさまたより」の2枚目後半は近隣地区における上記とは別の再開発(立石駅北口地区再開発)についての記事です。
こちらの再開発計画も現在大きな問題に直面しており、地権者が共同で事業リスクを負う「第1種市街地再開発」の怖さが如実に露呈した事例としてぜひ記事を最後までお読み下さい。
因みに、こちらでは再開発後に再開発ビルへ移転する筈だった葛飾区役所が(コロナの影響で?)移転するメリットがないとして移転計画(=保留床の取得)見直しを表明したのです。そのような状況にも関わらずデベロッパーはそのまま再開発を進めようとしており、結果として地権者が「ハシゴを外された」形となっているもの。もし保留床の新たな引取先が見つからなければ、地権者に損失負担が生じる懸念が出て来ます。
先日トピックス(55)地権者必見!再開発の破たん事例(その1)で取り上げた岡山県津山市の再開発破たん事例と酷似しており、まさに「歴史は繰り返す」のではと心配になります。

-TOP_Topics, 再開発、ここに注意

関連記事

(139)「同意書」を回収しませんか?

住友不動産の影響力のもと、各地で設立される「準備組合」。 その多くが「皆さまの準備組合」とは名ばかりで、実態は「住友不動産が牛耳る組織」であることが首都圏各地の地権者団体等との情報交換を通じて見えて来 …

(21) 再開発事業の実態はこれだ!(その2)

●前項では大都市圏で行われている保留床を伴う再開発事業の実態は「ビルの大半を事業者が独り占めしようとする地上げ事業」であるとお伝えしました。 ●再開発は地権者が供出する土地があってこそ実現出来る事業で …

(202)NHKが再開発の実態を報道

再開発で町が生まれ変わる筈が… NHKは11月21日放送のクローズアップ現代において、地権者が被る「再開発事業リスク」の実態を各地の事例と共に報じました。(注1) まさに地権者目線から見た …

(224)住友は遂に虚偽の説明までし始めた!

もはや住友は地権者を論破できなくなってきた! 住友再開発は「地権者が無知」であることを前提に成り立つビジネスだと言えます。従い、地権者が「知識」と「知見」を身に付けて賢くなると住友不動産側の一方的な理 …

(192)住友の「再開発ビル」は空室だらけ?

半分にも満たない入居率? 現場は東京都内の「JR田町駅」から徒歩5分と言う一等地に立地し、三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業(以下「三田3」と言う)で建設された地上42階建ての再開発ビル。 正式 …