TOP_Topics 再開発、ここに注意

(18)公園移設反対運動(その2)

投稿日:

泉岳寺前児童遊園移設に反対する会(以後「反対する会」と言う)では、2019年8月16日に武井港区長に対し児童遊園を移設しないことを求める3回目の嘆願書を提出しました。今回の嘆願書で公園の移設反対を唱える署名が累計で600名に達したことから、「反対する会」では嘆願書に対する港区の回答を支持者へ伝える必要があるため「一度区長と面会したい」旨、申し入れを行いました。

区政にとり600名の反対者は決して小さな数字ではありません。

早速、区長室から「事態を重く受け止めている、一度内部で調整したい」との連絡が入り、これを受け9月6日に担当部局の責任者と本件につき協議する機会を得ました。

残念ながら、応対した責任者は「区長の代理」としてではなく、あくまでも「担当部」としての接見とのことで、その日は移設案に対する「区側の明解な回答」は得られませんでした。然しながら、面談を通じて区が移設の図面を見ていること、並びに準備組合と協議を行っていること、の2つの事実が明らかとなりました。

もし「反対する会」が移設ストップを区長へ要請していなければ、民間業者による移設案は彼らの主導で一方的に進められてしまった可能性があります。

港区に限らず、地方公共団体はどこも住民のために中立で且つ透明性を持った行政を行うことが要求されます。今般、「移設反対の会」では港区民を中心に600名もの反対者がいることを署名添付にて港区長へ示したので、港区としてももはや簡単に移設を認めることは難しくなる筈です。

わが国には「公私混同」と言うあまり良い意味では使われない日本語が存在します。今回のケースは、区民への説明もないまま民間の事業者が「民有の土地」に「区有の土地」(=公園)を組み入れ、セットで再開発を行おうとしたと言う意味に於いて、まさに区民の目から見れば「公私混同」と言える事案ではないでしょうか?

まだ単なる計画段階の今だからこそ、行政へ区民の声を積極的に伝えることで、公園(=児童遊園)を移設しない形での再開発を進めるよう区から事業者への行政指導を徹底願うつもりです。

全国の再開発計画でも、類似の事例は多々あるのではないでしょうか?

不適切だと感じたら住民が団結して行動することも時として必要です。

黙っていれば、一方的に話が進みかねません。事後に気付いても遅いのです。

泉岳寺ではまだ結果は出ていませんが、参考事例として引き続き皆さまに注目していただければと思います。

-TOP_Topics, 再開発、ここに注意

関連記事

(145)「不安商法」は断じて許さない! 

不安商法とは、その名の通り住民へ過度に不安を煽ることで契約を獲得しようとする不当な商いのやり方を言います。 不動産分野で「不安商法」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、悪徳な「シロアリ駆除業者」や「リフォ …

(219)登記簿疑惑に三菱社長は回答せず!

本トピックスは、以下のトピックスからの続きです。 (203)えっ?この「土地登記簿」は何だ? (204)この「土地登記簿」は何だ?(続編) (205)登記簿疑惑で関連業者から「怪文書」が! (210) …

(76)住友はやはり保留床を買わない?

本トピックスは、(63)住友は本当に「保留床」を買うか? 及び(71)住友は本当に「保留床」を買うか?(その2)からの続きです。 やはり住友が保留床を買う確約など存在しなかった? そう思わざるを得ない …

(52) 行政の「事なかれ主義」(その1)

泉岳寺では先日、地権者を含む地域住民442名が連名でコロナ禍による社会経済の混乱と急変を理由に「再開発事業に対する見方や考え方を変えるべきだ」として、港区長に対し「現行再開発手続き中断」の要望書を提出 …

(120)歴史から学ぶ「再開発の実態」(その2)

本トピックスは(119)歴史から学ぶ「再開発の実態」からの続きです。 再開発はその仕組みが複雑であることから、一般の地権者にはなかなか理解し難い側面があります。しかし、過去に起きた歴史上の出来事と重ね …