港区は果たして区民の指摘や要望に添う形で
公平・公正、且つ透明性ある区政を行うのか?
それとも再開発事業者寄りの立場を堅持するのか?
区の姿勢が確認できる機会が到来しました!
不当に設立され、日頃から地権者とのトラブルが絶えない泉岳寺の準備組合。その準備組合の処遇をめぐり、地元住民から2通の要望書が港区へ提出され(内、1通は港区長宛)、港区はこれらの要望書に対し、書面による返答を近々行う運びとなったのです。
要望内容は何れも再開発事業の根幹を揺るがしかねない深刻なものであるだけに、区は従来のような「ご意見として承る」や「問題があれば準備組合と話ってほしい」などと言った紋切り型の返答ではもはや区民を納得させることは出来ません。地元の地権者たちは、固唾をのんで区からの返答結果を待ち望んでいる状況にあります。果たしてどのような返答が区から返ってくるのか?
因みに2通の要望書の概要は以下の通りです。
【要望書1】
港区が今後、準備組合を是認しないことを求める嘆願書
この嘆願書は港区長宛に提出されました。
事の発端は、本年4月に、準備組合理事長を含む複数の役員たちと事業者側との裏取引を想起させる疑惑が浮上したことです。再開発事業の公平性や透明性に疑問を投げかける重大な問題にも係わらず、準備組合側は3ヶ月も沈黙を続け、地権者への説明責任を放棄。
これを嫌気した16名の地権者有志が「もはや準備組合は信頼できない」として、連名にて港区長に対し7月2日付で「港区が今後、準備組合の活動を是認しないことを求める嘆願書」を提出したのです。
その中味はまさに「準備組合に対する不信任案」ですから事態は深刻です。
港区は近々、嘆願書の提出者に対し書面にて返答を行う運びとなりました。
(嘆願書の全文についてはトピックス(86)仲見世優遇住宅疑惑 をご参照下さい)
【要望書2】
港区が「準備組合」を認知するに至った根拠と、そのエビデンスの提出要請。
上記嘆願書に続き、今度は地元「地権者の会」が港区に対し、7月12日付にて要望書を提出しました。その内容は、泉岳寺の準備組合が不当に設立されていた事実が港区の情報公開請求で得られた公式文書から明らかになりながら、区が団体を「認知」してしまったことに対し、区は「如何なる根拠」を以てそのような準備組合を認知したのかを、「エビデンス」と共に提示するよう要請するものです。
(同書簡は本トピックスの最後に添付しますのでご参照ください)
【要望書2に関する補足説明】
実は港区が不当に設立された泉岳寺の準備組合を認知した件については、過去から地元地権者団体が港区へ質問状を提出しています。しかし、区は「伝聞と憶測で準備組合を認知」したことを示唆する(およそ役所の回答とは思えぬ)曖昧な説明に終始しており、今も区民が納得できる説明や証拠が提示されないまま今日に至っています。
(詳しくはトピックス(行-4)港区役所は公平・公正か?(その2)をご参照下さい)
港区が認知したその準備組合は、日頃の地権者とのトラブルに加え、今般、準備組合の理事長までが関与したとされる「疑惑問題」まで引き起こす始末。
地元地権者団体は、このような準備組合を「認知」した港区にも責任の一端があるのではと考え、再度、港区に対し区が準備組合を認知した根拠と共に、エビデンスの提出を求めることにしたものです。
まとめ
港区は果たして区民の指摘や要望に添う形で
公平・公正、且つ透明性ある区政を行うのか?
それとも再開発事業者寄りの立場を堅持するのか?
区の姿勢が確認できるチャンスの到来です!
港区は2通の要望書に対してどのような返答を行うのか?
不当に設立され、今も地権者とのトラブルが絶えず、更には役員が関与する疑惑問題まで引き起こす泉岳寺の準備組合を、港区は果たして今後どのように処遇して行くのか?
区の判断は、今後の泉岳寺再開発の進捗に影響を与えかねないだけに、
皆さまも、是非ともこの件をご注視頂きたいと思います。
【区の過去の対応に関する補足説明】
実は以前から多くの地権者が「準備組合の各種不正行為」を何度も港区へ告発しています。しかし港区側の返答は常に、「ご意見として承る」、「問題があれば準備組合と話あってほしい」と言った紋切り型のものばかりでした。
つまり、今までの区の対応には「再開発は準備組合が中心となり、地元の地権者を纏めてくれている」と言った「他人任せ」の姿勢が目立ち、行政監督官庁として準備組合の引き起こす問題を真摯に受け止め、行政指導を行おうとする姿勢は見られませんでした。
しかし、今回は状況が異なります!
準備組合理事長まで関与したとされる「仲見世優遇住宅疑惑」は、公正・公平である筈の再開発事業において「裏取引の存在」を世間へ想起させてしまっただけでなく、その後の準備組合の不誠実な対応を嫌気して「準備組合離れ」にまで発展しつつあり、もはや区は単に「ご意見として承ります」と言った杓子定規の返答で済ますことは出来ない状況です。
また16名もの地権者が「準備組合の存在を否定」した以上、区はこれらの地権者への返答文において、「準備組合と話し合ってほしい」と言ったいつもの紋切り型の回答も出来ません。
さて港区はどのような返答をしてくるのか?
皆さまと共に注視して行きたいと思います。
2021年7月19日
R-022号
港区役所 街づくり支援部
開発指導課 御中
泉岳寺周辺地区再開発
を考える地権者の会
世話役 ■■■■
(泉岳寺周辺地区市街地再開発計画)
港区が「準備組合」を認知されるに至った
根拠に係わる件
拝啓、日頃よりお世話になっております。
さて、港区は如何なる根拠のもとに頭書準備組合を認知されたのか?
この点に関し改めて問わせて頂きます。具体的なエビデンスと共に地権者が理解し納得できる形での説明を頂きたく存じます。
【質問を行う理由】
頭書準備組合に関しましては、本年4月に準備組合理事長を含む複数の役員が関与したとされる「仲見世優遇住宅疑惑」が発覚し、同組合が2ヶ月以上に亘り沈黙を続け、地権者への説明責任を怠った事実は区もご存じの通りです。
そしてこれを問題視した16名の地権者が「準備組合はもはや再開発事業を担う資格はない」として、7月2日付で港区長へ「準備組合の活動を港区が今後是認しないことを求める嘆願書」を提出したことも区はご存じの通りです。
更に7月9日には5名の地権者(土地所有者)が再開発事業者側へ「絶縁状」とも言える書簡を送付したことも区はご存じの通りです。
今回の「仲見世疑惑」に限らず、同準備組合は過去3年間に亘り、地権者との間で数多くの摩擦を引き起こしていることも区はご承知のことと存じます。
当会では区へ何度も準備組合の運営に問題があることを告発して参りましたが、区はその都度私たち地権者に対し「ご意見として承る」、「準備組合との話し合いにより解決してほしい」と言った紋切り型の回答ばかりで、真に問題解決に向けた積極的な関与や指導は、今日に至るまでされておりません。
港区には「再開発は準備組合を中心とする関係者が地権者を纏めている」と言った準備組合任せの認識ではなく、行政監督官庁として自覚を持った指示・指導・監督を責任感を持って実行して頂きたく存じます。
そもそも港区がこのような問題含みの「準備組合」を不当に認知したことこそが今日の「準備組合離れ」の主たる要因だと考える地権者が多数存在します。
就きましては、港区は如何なる根拠のもとに同準備組合を認知されたのか?
この点に関して改めて問わせて頂きます。具体的なエビデンスと共に地権者が理解し納得できる形での説明を頂きたく存じます。
因みに、この問題に就きましては過去にも港区へ説明を要求し、当時の手島課長から令和2年11月18日付信(添付)を受領しております。然し乍ら、読んでおわかりの通り、その中味は「そう聞いています」、「そう考えています」と言った伝聞や自己の考えの羅列ばかりで、具体的エビデンスの提示はありませんでした。区政は透明性を持って行われることが大前提であり、単なる「伝聞」や「意見」ではなく、客観的事実や証拠に基づいて行われるべきです。
就きましては、区は準備組合を認可された経緯に就き再調査して頂き、改めてエビデンスの提示と共に区としての説明を私たち地権者が理解し納得できる形で行って頂きたくお願い申し上げます。
再開発は私たち区民の税金も投入される極めて公共性の高い事業です。その様な再開発事業において、万が一にも特定の地権者、ましてや準備組合の役員が優遇されることがあってはならず、その様な不透明な行動や運営を長年に亘り行い続ける組織を行政監督官庁として認知し支持すべきでないことは明白です。
今回、準備組合の理事長まで関与したとされる疑惑が発覚した以上、私たちはこのような準備組合を、港区は如何なる客観的根拠及びエビデンスに基づき認知されたのかに関し、改めて過去に遡及して問わせて頂かねばならなくなったことをご理解下さい。
お手数とは存じますが、港区の「準備組合に対する今後の対応方針」と併せ、上記点もお示し頂きたく存じます。
敬具
【添付】