土地所有者の皆さま!
世の中には「知らぬが仏」と言う言葉があります。
真実を知らぬまま、永遠に心の平静を保ちつつ平和に暮らすことが出来れば、これほど幸せな人生はありません。
しかし、再開発では「知らなかった」ではすまされない現実があります。
それは、再開発(第一種市街地再開発事業)においては地権者の「土地」がビルの「床」へ変換されると言う実態です。
土地は所有していれば30年後も50年後も土地としての資産価値は残ります。一方、「床」は減価償却資産です。たとえ権利変換のその「瞬間」は等価交換であったとしても、交換後、価値はどんどん目減りして行き、30年もたてば二束三文となってしまいます。
地権者にとり、これほど不平等な再開発はありません!
「知らなかった」では決してすまされない現実がそこにあります。
しかし泉岳寺で再開発を進めようとしている住友不動産はこの重要な事実について地権者側へ詳しく説明をしようとしません。
これに気付いた地元地権者団体が、昨年、この問題について
住友不動産へ公開質問を行いました。
しかし彼らは回答を拒絶しました。
何ということでしょう!
日ごろから「地権者の皆様による再開発」を標榜する住友不動産が、その地権者からの質問に一切口をつぐんだのです。
真実を語れば誰も再開発に同意しなくなる。
だから答えることが出来なかった
そう考えざるを得ません。
しかも住友不動産は、他に多くの地区でも同様の再開発計画を進めている立場上、安易に真実を開示すれば他地区へも問題が波及しかねない。だから「回答拒絶」しか選択肢がなかった。恐らくそのような事情だったのではと推測されます。
住友不動産の言動を観察していると、都合の悪い話については「聞かれなければ話さない」、「聞かれても話さない」、「重い口を開いたとしても正直には話さない」。そして最後は「自分たちは事業協力者にすぎない」との理屈で、「信用」も「業歴」もなく、法人格すら有さない「準備組合」なる組織へ責任を転嫁させようとするのですから、不平等きわまりなく、これに付き合わされる地権者はたまったものではありません。
皆さま、これが住友再開発の実態です!
今回は事業者が触れたがらないこの問題を、一人でも多くの皆さまに理解して頂けるよう、わかりやすい会話形式で取り上げます。
実は、今のままでは土地所有者は再開発で確実に損をします!
事業者側はそのことを詳しく皆さんへ説明しなかったのですか?
二束三文になるくらいなら土地を持ってたほうが良いに決まっている。
ここまで理不尽な不動産業者を罰する法律はないものかしら?
これは私たちが不動産取引に応じる際に、その判断に影響を与える重要事項を正直に説明することを業者に義務付けた法律です。
更に住友不動産は地権者の公開質問への回答も拒絶したそうですね?この行為は宅建業法が禁じる「重要事項について故意に事実を告げぬ行為」(第47条)に抵触する懸念があると考えられます。
実際に違法行為か否かについては専門家の判断を仰ぐ必要がありますが、少なくとも業者が遵守すべき「宅建業法」の基本精神を住友不動産が尊重していないことは明白です。
しかし、彼らは「準備組合」の名を語り活動を行っており、更には、取引前の「勧誘」の段階で違反を問えるのかは微妙です。ただそうは言っても、実際に活動を行っているのは、紛れもなく「住友不動産の社員」ですから、その彼らが4年もの長きに亘り「重要事項を語らない」、「聞かれても答えない」のはいかにも不自然であり、倫理上も問題とされるべきです。少なくとも大手再開発業者のとるべき対応ではありません。
まとめ
再開発で「土地」が「床」に変換されれば、地権者は資産を減らす(=損をする)ことになります。
篤志家でない限り、損をしてまで再開発に応じる地権者はいません。この点に関して地元地権者団体は公開質問を行いましたが、住友不動産は回答を拒絶しました。
土地が床に変換されることで地権者は損をする!
これほどわかりやすいテーマに対して、4年もの長きに亘り地権者へ詳細説明をしてこなかった住友不動産の対応は、宅建業法の基本精神に照らし合わせてみても問題ではないでしょうか?少なくとも大手再開発業者のとるべき対応ではありません。
もし再開発が「地権者の損にはならず、むしろ利益になる」と言うのであれば、地権者の公開質問に率直に答え、抽象的な形ではなく具体的にそれらを書面にて提示すると言うのが再開発事業者である住友不動産の役割であり責務ではないでしょうか?