本トピックスは(145)「不安商法」は断じて許さない!からの続きです。
個人情報の流布が行われ
地権者のプライバシーが侵害される
とんでもない事件が起きました!
住友不動産が計画する三田五丁目西地区市街地再開発事業。ここの「準備組合」が災害への不安を過度に煽っているとして問題となっているその矢先に事件は起きました。
今回、一線を越えてしまったのは準備組合のA理事。
同氏は公道に面した自宅前に再開発区域内の全住戸が特定できる図面を貼り出し、1981年の耐震基準以前に建てられた住戸(即ち、危険とされる住戸)を、各戸が特定できる形で色分けした上、一般社会に向けて公開してしまったのです!
(写真を添付しましたのでご参照下さい)
地権者の住宅の多くを耐震上問題があるかの如く図面に描き、危険住戸が特定できる形で一般社会へ流布した同理事の行為は、まさに個人情報の流布であり、プライバシーの侵害そのものです!断じて許される行為ではありません。
住戸の建築年や耐震基準等の情報が一般社会に知れ渡れば悪徳業者の目にも止まり、また近隣からの風評被害を受ける懸念も出て来ます。これに驚いた多くの地権者が即座に集団でA氏へ抗議文を送り、即時撤去を要請しました。
さすがに本人も事の重大さに気付いたのか、図面は間もなく撤去されました。
住友再開発のなんとも短絡的な手法
今回、図面(=個人情報)が貼り出されたのは個人宅です。
調べてみたらその家は、なんと準備組合の理事宅でした。
表向きは「A理事」が単独で個人情報を世間へ流布した形となっていますが、一連の掲示物は全て準備組合関連の資料です。このことから、同氏の背後には「準備組合」(住友不動産)の働きかけがあったことが容易に推測されます。
それにしてもなぜ個人情報の流布と言う、訴訟リスクまで伴う行為を「準備組合」が独自に行わず、敢えて「準備組合理事」と言う個人に行なわせたのか?
その謎を解く一つの鍵は泉岳寺にあります。
実は、住友は近隣の泉岳寺地区でも準備組合事務所に貼り出した図面をめぐり、地域住民との間でトラブルを起こしています。
この苦い経験から、今回は「準備組合事務所」ではなく、敢えて「個人宅」で掲示を行うことで組織的関与を回避しようと考えたのではと推測されます。
「準備組合」や「住友不動産」が直接個人情報の流布を行えば必ず住民や社会から反発を受ける。しかし、個人宅での掲示ならある程度社会からも許容されるとでも思ったのでしょうか? もしそうだとすれば、極めて短絡的な発想だと言わざるを得ません。背後に住友不動産と言う大企業がついていながら、同氏の行動を制止すらしなかったとすれば、なんとも情けない対応です。
住友再開発の正体が見えて来た!
再開発が順調に進まない地域では事業者の「本性」が露呈し、時には「言動」や「態度」が豹変することさえあると言われます。
今回の事件は、まさにその典型例だと言えます。
それにしても住友不動産が主導する再開発事業は「手法」があまりにも陰湿すぎます!
「同意が集まらない」とわかるや、地権者に対し災害への不安を過度に煽り始め、更には個人情報まで流布して地権者のプライバシーの侵害まで行うのですから、地権者はたまりません。
日頃から「地権者の皆さまの準備組合」を標榜する組織が、地権者の人権や財産権を平気で蹂躙するなど言語道断です。
まとめ
個人情報の流布やプライバシーの侵害と言った問題を知名度の高い住友不動産が起こせば社会問題となりかねません。
住友不動産がわざわざ「準備組合」を経由して強引な勧誘活動を行う理由はそこにあると考えられます。
何が起きても「準備組合」を責任の窓口に据える。
しかし、その「準備組合」も泉岳寺で同様の「掲示」問題を起こし、地域住民の反感を買ってしまった。
泉岳寺の「二の轍」は踏みたくない。
そこで「個人による掲示なら大丈夫だろう」と短絡的に考えた結果、今回の事件を引き起こしてしまった!と言うのが真相ではないでしょうか?
少なくとも、多くの地元住民はそのように考えているようです。
今回の事件を通じて明らかとなった点が2つあります。
一つは、事業が順調に進まない時には事業者側の「本性」が露見すると言う点であり、それは「再開発を進めるためには、地権者の人権や財産権など二の次で、プライバシーの侵害もいとわない」と言う住友再開発の強硬姿勢です。
もう一つは、「地権者の皆さまの組合」を標榜する準備組合が、実際には「地権者の、地権者による、地権者のための組織」ではなかったことが明白となった点です。
「地権者の準備組合」を標榜する組織が、その地権者に対して災害への不安を過度に煽り、更には個人の行為とは言え、準備組合の理事職にある者が地権者の個人情報の流布並びにプライバシーの侵害を行ったのですから、どう考えても理不尽な話です。
住友再開発に応じることが本当に地権者の利益となるのか?
地権者はこの点を良く考え、慎重に行動することが大切です。
「こんな筈ではなかった」と将来後悔しないためにも、
全国の地権者の皆さまには
是非とも本件を「他山の石」として頂きたいと思います!