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(219)登記簿疑惑に三菱社長は回答せず!

投稿日:2024年5月29日


本トピックスは、以下のトピックスからの続きです。
(203)えっ?この「土地登記簿」は何だ?
(204)この「土地登記簿」は何だ?(続編)
(205)登記簿疑惑で関連業者から「怪文書」が!
(210)登記簿疑惑:17団体が三菱社長へ質問状!

過去からの経緯

1.疑惑の現場は三菱地所レジデンス他3社が参加組合員として共同で手掛ける「三田小山町西地区市街地再開発事業」

2.その現場で複数の不可解な登記簿謄本が発見された。
42名もの地権者(と思われる個人及び法人)が共同で所有権登記を行った上、翌月には登記抹消と言うにわかには信じがたい事実が確認された。(トピックス(203)にて登記簿を公開中)

3.この事実を知った某地区の住民団体が、業者側による「地権者買収」や「偽装工作」が行われたのでは?と疑心暗鬼に陥り、たまたま同地区のデベロッパーが三菱地所レジデンスであったことから、同社へ質問状を送り説明を求めた。

4.しかし三菱からの回答書は、社名はあるものの「担当部局」や「担当者名」の記載はなく「社印」や「職印」もない、いわゆる「怪文書」。しかもそれは郵送ではなく、何者かが代表者宅へ投函すると言う不自然な形で行われ、更に翌日から代表者宅に「一度お会いして説明したい」との電話が三菱担当者から入り始めた。あまりにも不自然な三菱のこの対応に

三菱は何かを隠そうとしている!

と多くの関係者が考えるようになり、この話は各地に知れ渡ることとなった。(因みに、怪文書の中身は「個人に関わる問題であり回答は控える」と言う素っ気ない内容。)

5.事態を憂慮した品川区・港区内の地権者組織、計17団体が共同で2024年2月に三菱レジデンス社長宛に質問状を送付。(添付「質問状」ご参照)

6.しかし、三菱地所レジデンス側はこれに対して「沈黙」を続け、3か月が経過した現在も三菱からの返答は届いてない。

三菱の対応はあまりにも無責任!

世間には「人の噂も75日」と言う言葉があります。
沈黙していればやがて忘れ去られるだろうと言う考え方です。
しかし、三菱地所レジデンスは業界を代表する企業であるだけにこのような対応は世間では通用しません!
そもそも

地権者17団体は「登記簿疑惑」について
三菱が関与したと断定しているわけではありません。

(添付質問状をご参照)

● 純粋に地権者としてわからないから質問をしただけであり、三菱が単独の質問者に対し不可解な対応を行ったことを知ったから、今度は集団で三菱へ質問状を送ったとのこと。
● 17団体によれば、三菱が個人情報を盾に真実を語らないであろうことは想定済で、だからこそ「語れない」のであれば一般論として「どのような状況下で40名もの地権者が共同名義で土地を取得することができるのか? また、どのような状況下で1か月と言う短期間でその共同物件が解消され得るのか?」そのロジックを説明してほしいと不動産取引のプロである三菱へ依頼したまでです。

そのような質問内容であるにも関わらず、三菱地所レジデンスは回答せずに「沈黙」を決め込んだようです。17団体の中には三菱の再開発現場の地権者団体も数多く含まれています。
皆さまは今回の三菱の地権者への対応をどのようにお考えになられますか?

三菱地所レジデンスはデベロッパーとして
地権者からの疑問や要望に対して、
隠し事をせずに具体的に書面で回答する!

まさにこれこそがデベロッパーとしての三菱地所レジデンスの役割であり責務ではないでしょうか?三菱はこれを怠りました。

三菱らしからぬ対応は疑惑を深めるだけ

三菱地所レジデンス(株)は非上場会社ですが、三菱グループの中核企業である三菱地所(株)が100%出資する完全子会社であり、社長をはじめ幹部社員の多くは親会社である三菱地所からの出向者や転籍者で占められています。従い、この会社は三菱地所(株)そのものであると言っても過言ではありません。

一方、三菱グループ内には「三綱領」と言う各社が遵守すべき経営理念が存在し、その一つに「処事光明」と言う言葉があります。処事光明とは、常に公明正大な事業を心掛け、活動の公開性、透明性を堅持すると言う意味です。
三菱地所レジデンスの今回の不誠実な地権者対応は明らかに三菱グループの企業理念から逸脱するものです。彼らの今回の対応は疑惑を深めるだけであり、今後の展開によってはグループ全体の「企業イメージ」にも影響を与え兼ねず、企業広報の観点からも極めてまずい対応だと言わざるを得ません。

三菱地所は、他の多くの三菱グループ企業と異なり、企業間取引だけでなく一般市民をも直接相手としている企業です。
実際、2031年には横浜でディズニーランドに匹敵する規模のテーマパークの開業も計画しており、「子供たちにも夢を与える」事業として多くの市民が期待を寄せている最中でもあります。
それだけに三菱地所にとっては今後も良好な「企業イメージ」を保ち続けることは社内の至上命令である筈です。

もし三菱地所レジデンスが不祥事を起こせば、自社はもとよりグループ全体の「企業イメージ低下」にも繋がりかねない(注1)だけに、同社は日頃から地権者に対して隠し事をせず、公平、公正、且つ透明性をもった対応を心がける必要があります。
とりわけ再開発事業は市民の税金も投入される公共性の高い事業ですから不祥事に対しては社会の注目度も高くなりがちだと言う点を、三菱は再認識すべきではないでしょうか?

(注1):一社の不祥事がグループ全体の企業イメージを損ねた事例として、1990年代中期に米国三菱自動車が引き起こした「三菱セクハラ事件」はあまりにも有名です。経営幹部が適切な対応を取らなかったことから、全米で市民による三菱製品ボイコット運動が巻き起こり、消費者向け商品を扱うグループ各社が多大な損失を被りました。特筆すべきは三菱鉛筆(実はこの企業は三菱グループとは無関係の企業です!)までが被害を受けたことです。またちょうど同じ頃、三菱地所が多額の資金を投じて買収したニューヨーク・マンハッタンの「ロックフェラーセンター」がバブル崩壊で多額の損失を被り、運営会社が破産に追い込まれるなどしたことも重なり、90年代中期に米国での三菱の「企業イメージ」は大きく失墜しました。

まとめ

三田小山町の再開発現場で見つかった「不審な登記簿謄本」
三菱レジデンスは最初の質問状には「怪文書」で対応し、続く17団体からの質問状には「沈黙」(=無視?)を貫きました。

都合の悪い話は語らない!

三菱レジデンスのこの様な大手デベロッパーらしからぬ地権者対応は不誠実だと言わざるを得ません。

今回見つかった「不審な登記簿」は、地権者の従前資産が公正さ、公平さを省く形で扱われた可能性を示唆していることから敢えて事例として当サイトで取上げました。

残念ながら、三菱からは何の情報も得られませんでした。
しかし、彼らの不自然とも言える地権者対応により、

三菱は何かを隠そうとしている

との印象を多くの地権者(とりわけ三菱再開発傘下の地権者)に植え付けてしまったことは否めません。

今後皆さまの再開発区域内で、土地資産(=従前資産)をめぐり「不穏な動き」や「噂」などがありましたら、迷わず法務局にて、関係する土地登記簿謄本を入手されることをお勧めします。
(注2)

(注2):不審な土地の登記簿を定期的に調べることで、再開発業者による地上げの実態や、彼らが「同意者数」を増やす為に意図的に行う土地の細切れ分筆なども知ることが出来ます。

登記簿は嘘をつきませんから、取得した結果、何も無いことが確認されれば地権者側は安心感を得ることが出来ます。
まさに何ごとも「備えあれば憂いなし」です!

【添付】 2024/2/6付、三菱地所レジデンス社長宛質問状
(黄色のハイライターは本トピックス用に当方で引いたものです)

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