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(24) 準備組合の実態はこれだ!(その1)

投稿日:2020年1月23日

準備組合について考えて見た!

再開発への不満や要望を住友不動産の社員へ投げかけると、「私たちは事業協力者です。実際の事業者は住民の皆さまで構成される準備組合です」などと切り返されます。そう言いつつも、対応するのは決まって住友側の人間です。
その様な準備組合が本当に彼らの言う「皆さまの準備組合」と言えるのか?
今回は地権者の目線からこの点について検証をしてみます…

泉岳寺の準備組合では、7名の理事(監事を含む)の内、理事長を含めた6名が地元地権者で占められています。理事の構成を見る限り、たしかに表面上は「住民の皆さま」により運営される組織となっています。
では実際はどうなのか?  
説明会で再開発の仕組みや必要性を説明し、具体的な質問や要望を受ける役は、いつも住友不動産とその関係先の社員たちです。地権者のもとへ再開発への同意を求めてやってくるのも決まって住友不動産側の人間です。事業予算の策定や資金調達、設計、各種調査、等々、全てを取り仕切っているのも住友不動産側の人間です。 
これらの状況を見る限り、準備組合の実際の業務や運営を主体的に取り仕切っているのは住友不動産を始めとする開発事業者側の人間だと言うことになります。残念ながら地元の理事たちの存在感は薄いと言うのが地権者側の共通の認識となっています。

そもそも再開発は1,000億円規模の事業予算が必要となる大事業です。
その様な事業を推進するためには当然それなりの人材が必要とされます。
準備組合が真に「事業者」であるのなら、当然、理事たる者は再開発にある程度精通し、金融、税務、法務にまで至る幅広い「専門知識」や「事業経験」なども兼ね備えた上で、主体性を持ち行動することが要求されます。
もしこれが出来なければ簡単に不動産業者側に押し切られてしまいます。
地権者の大切な資産を預かる地権者理事たちの責任は実はとても重く、「誰もが簡単に事業者になれる」と言うわけでは無いのです!
この観点からも、今の「準備組合」は真に「皆さまの準備組合」と言えるのか?実権を握っているのは誰なのか?について、地権者一人一人がよく考え直してみる必要があります。

そもそも準備組合とは何なのか?

実は「準備組合」は法人格すら有しない単なる任意団体に過ぎないのです。
現段階では単なる「再開発を志向する地権者」の集まりに過ぎません。
因みにマンションの管理組合の場合は区分所有法に基づく法人としての地位が法的にも認められており銀行融資も受けることが出来ます。一方、「準備組合」にはその様な法的地位は認められておらず、銀行融資さえ受けることが原則として出来ないのです。泉岳寺の準備組合は「業歴」もなければ「社会的信用力」も「資産」もありません。地権者たちはその様な先から、将来大切な財産を明け渡すことにもなる「再開発への同意書」を提出するよう求められているのです! その様な準備組合に地権者が納得する訳がありません!
後日「こんな筈ではなかった」と訴え出たところで、相手が住友不動産ならともかく、「準備組合」が相手では損失を取り戻すことなど到底出来ないでしょう。泉岳寺の地権者はそのような先を相手にさせられているのです。

なぜ準備組合が設けられたのか?

再開発と言うのは「地権者が供出する土地があってこそ実現できる事業」であるにも係わらず、「事業者が再開発後の収益の大半を独り占めしようとする地上げ事業」です。当然ながらそう簡単に地権者を納得させる事は出来ません。
そこで事業者は様々な不公平・不公正な手段を用いて地権者からあの手この手で同意を取ろうと畳みかけてきます。
もしこれを「準備組合」ではなく、知名度の高い「住友不動産」が自らの名義で行なったとしたらどうなるでしょうか?大企業なだけに、「社会正義に反する」、「弱者いじめだ」、「企業コンプライアンスに抵触する」などとして社会やマスコミから批判を受けるリスクをはらみます。有名企業なだけに、場合によっては「住友グループ」他社の企業イメージが影響を受ける懸念さえあります。
特に消費財を扱うグループ傘下の各企業への影響は無視出来ません。 
住友グループの社長会(白水会)は決してこれを容認はしない筈です。
このような状況に鑑み、受け皿として「準備組合」が設けられたのだと私たちは考えています。準備組合が存在することで、住友不動産はどのような指摘を受けても「事業者は皆さまの準備組合です」、「私たちは事業協力者です」と弁明さえすれば矢面に立たされることを回避出来ますし、またこのような体制下であれば、トラブルが起きたとしても矢面に立たされるのは準備組合であり住友不動産ではありません。大企業として当然のリスクヘッジ策と言えます。

準備組合は本当に「皆さまの準備組合」と言えるのか?

準備組合はもはや「地権者主体」の準備組合であるとは言いがたく、「実質的な事業者は住友不動産である」と多くの地権者が認識するに至っています。
一体何が問題なのか?

  • 準備組合を実質的に取り仕切るのは住友不動産ですから、彼らとは利害の異なる地権者側の要望が聞き入れられないのは当たり前です。
  • この状態で再開発が進めば、地権者が恩恵を受けられぬまま、保留床を含め利益の大半を住友不動産が取り込んでしまう懸念が高まります。
  • 逆に「歩行者デッキ」の設置案でわかったように、新たに発生する費用の多くは組合(=地権者)の負担とされてしまう懸念が高まります。
  • (その結果、地権者が貰える予定の床面積も減らされかねません)

    以上が住友不動産側が日頃言う「皆さまの準備組合」の実態なのです!
     
    このような準備組合に再開発を進められたら地権者はたまりません!
    地権者に取り著しく不公正・不平等であり、且つ地権者側のメリットが最初からほとんど期待も出来ない準備組合など不要です!

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