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(25) 準備組合の実態はこれだ!(その2) 

投稿日:2020年1月31日

トピックス(24)では「皆さまの準備組合」とは形ばかりで、実質的に泉岳寺の準備組合を取り仕切るのは住友不動産であることを、その具体的事由と共にお伝えしました。
このことは即ち、準備組合内では常に事業者の論理が優先される一方で、地権者の意見や要望は軽視され、また反対意見に至っては無視される懸念が高いことを意味します。
実際にそのことを裏付ける事例を2件ここにご紹介します。

【事例①】 
先ずは、地元地権者の会が2019年12月5日付で港区へ提出した添付書簡をご覧下さい。(本トピックスの最後に添付してあります)
同会は港区に対し「準備組合による不公正・不適切な各種取り組み」を告発すると共に、書簡に明記された諸問題が解決された上で再開発計画は進められるべきであるとして、区から準備組合に対する行政指導をお願いしました。
その後、同書間は区から準備組合へ回付され、港区からは同会に対して、「準備組合側は内部で検討した上、発信元へ書面で回答することとなった」との報告があった由。その際、準備組合側は「誰に回答したら良いのか?」とその送付先まで区へ尋ねたそうです。
それからまもなく2ヶ月が経過します。準備組合は今も回答をしてきません。

【事例②】
今月初旬に開催されたある集会で、地権者グループは準備組合が進めようとしている「歩行者デッキ設置」の費用負担先についての説明を、準備組合に常駐する住友不動産社員2名に求めたものの、彼らは「負担先についてはまだ白紙」との回答しかしなかった由。地権者負担の不安が残る中、準備組合は地権者への詳しい説明も行わないまま計画だけは進めようとしているのです。

準備組合の問題点

準備組合が真に「地権者主体」の組織ならば、地権者が指摘する問題点や質問・要望等に組合側が真摯に答えるのは当然です。しかし上記事例でもわかる通り、組合側はこれを怠っています。「地権者主体」である筈の準備組合がなんと地権者からの質問や要望等に答えようとしないのです!
地権者軽視と言わざるを得ません。明らかに不自然であり理解に苦しみます。

しかし、もしこれが「地権者主体の準備組合」ではなく「住友不動産主体の準備組合」だと理解すれば、多くの謎が解けてきます。
事業者は地権者に「知られたくない」又は「知らせたくない」情報をあえて公表しようとはしないでしょうし、質問事項も内容によっては答えずに保留するか、回答したとしても核心には触れようとはしない筈です。
これは何もこの事業者に限ったことではなく、民間の営利企業なら、「自分たちにマイナスとなる情報は極力発信しない」のがある意味企業戦略上の基本となっているからです。

当然、準備組合が定期的に発行する「準備組合ニュース」の内容にも疑問符がつくことになります。
たとえ地権者が必要とする情報でも、事業者にとりマイナスであると判断されれば掲載はされないでしょうし、もし掲載されたとしてもそれが「オブラートに包まれた情報」では価値などありません。
(この点については、民間企業が顧客へ配る「自社製品カタログ」を思い浮かべて貰えると理解しやすいかと思います。カタログ内は通常「良い情報」であふれており、「悪い情報」が掲載されることは殆どないのです。)

本来、再開発をしたい側(=住友不動産)と再開発される側(=地権者)とでは立場が逆であるため利害も異なります。
もし準備組合を実質的に取り仕切るのが住友不動産であり、彼らのやり方で再開発が一方的に進められたとしたならば、私たちの大切な資産にも悪影響が及びかねず、地権者はたまったものではありません。

まとめ

再開発の実態が、「事業者の指揮下に、地権者が供出する土地を利用して再開発を行い、そこで大幅に増加する新たな価値の大半を開発事業者が独り占めしようとする地上げ事業」だと言うことは広く世間でも認知され始めています。このため、事業の最前線に位置する「準備組合」が名実共に「地権者主体の準備組合」であることは非常に重要であり、もしそうで無い場合、地権者は資産を守ることが出来なくなります。
地元地権者の会では準備組合側による多くの不公正・不平等な進め方や問題点を指摘すると共に、その「是正」や「書面での確認」を会報や行政を通じて準備組合へ求め続けています。しかし今も何一つ解決されていない様です。
「良い話はしても悪い話はしたがらない」…上記2件の事例でもおわかりの通り、これが今の開発事業者側が実効支配する泉岳寺の準備組合の姿なのです。

もし開発事業者側がそれでも「地権者主体の準備組合」であることを主張するのであれば、先ずは、過去に地権者が提起してきた各種質問、要望、提案等に対し、一つ一つ丁寧に書面をもって地権者が納得の行くような説明を行うべきです。
それを行ってこそ「地権者主体の準備組合」であり、またそれを行ってこそ地権者との信頼関係が生まれるのです。再開発はそれからです!

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