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(283)「準備組合」は隠しごとだらけ

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「準備組合」の実態シリーズ(3)

本トピックスは(282)「準備組合」は単なる任意団体にすぎない!からの続きです。引き続き「再開発は初めて」と言う地権者の皆さま向けに準備組合の「カラクリ」、「手口」、「問題点」などをシリーズでわかりやすくお伝えして参ります。

 

Contents
1. 隠しごとだらけの準備組合
2. 「事業協力に関する覚書」も地権者には㊙!
3. 準備組合が「覚書」を開示しない理由
4. どうしても開示したくなかった住友不動産!
5. まとめ

隠しごとだらけの「準備組合」

多くの準備組合は「地権者が主体」とは名ばかりで、その実態は再開発業者が主導する傀儡組織(=御用組合)です。(注1)
そのような準備組合は地権者には知られたくない「隠しごと」で満ち溢れていますので注意が必要です。

(注1) あくまでも住友不動産三菱地所など一部の業者が主導する準備組合を念頭に置いたものであり、すべての準備組合が業者主導型の傀儡組織だと断定するものではありません。

なぜ「隠しごと」が多いのか?

それは準備組合内部では常に業者側に有利となるよう「不公正な運用」が行われており、業者側としてはその実態を地権者側に知られたくないからです。

なぜ「不公正な運用」が行なわれるのか?

それは業者側が将来「保留床」を激安単価で購入し、莫大な利益を獲得できるよう、準備組合内部で予めその仕組みを構築しておくためです。

「事業協力に関する覚書」も地権者には

いつの間にか準備組合へ入り込み「事業協力者」と称して活動を続ける再開発業者。しかし多くの現場では、彼らが準備組合と締結した契約内容が非公開のため、彼らの具体的役割と責務については良くわからないのが実情です。
まさにその典型例が泉岳寺における住友不動産です。
泉岳寺では住民の与り知らぬところでいつの間にか準備組合が設立され、いつの間にか住友不動産が自らを「事業協力者」と名乗るようになりました。その住友不動産は自らを「契約に基づき活動している」と主張しますが、基本契約とされる「事業協力に関する覚書」が地権者へ開示されぬため、住友不動産の実態は今も闇の中です。
当たり前のことですが、

覚書の全文が開示されないことには
住友不動産の役割や権利義務を知ることは出来ません!

もし住友への疑義等が生じても覚書の内容(全文)が開示されない以上、弁護士等へ相談することもできず、極めて不公正な状況にあります。
その様な状況下で住友不動産は長年、平然と再開発や契約の知識に疎い地権者たちに対して「再開発への強引な勧誘活動」を続けて来たのですから呆れ果ててしまいます。
幸い泉岳寺では8年前の初期段階から準備組合及び住友不動産の活動に疑念を抱いた地権者たちが集まり住民運動を展開し続けて来たため、結局、再開発推進に必要な数の同意は集まりませんでした。
「結果オーライ」ではありましたが、もしも住友不動産が自らの具体的役割や権利義務関係を明らかにせぬまま、実効支配する準備組合を通じて必要な数の地権者同意を集め、再開発の第一段階である「都市計画決定」が実行されてしまっていたらと考えるとゾッとさせられます!

準備組合が「覚書」を開示しない理由

再び泉岳寺を事例として取上げます。
泉岳寺で住友不動産(=準備組合)が最後まで「覚書」を開示しなかった理由。それは「覚書」が地権者に著しく不利な契約内容となっているからだと考えられます。
住友の最終目標は「開発利益の最大化」(即ち、激安保留床単価を既成事実化させ、保留床面積を最大化すること)にありますから、「保留床の買取り」ひとつを取っても覚書は住友不動産に一方的に有利な内容となっている筈であり、だからこそ地権者へ開示できないのです!(注2)

(注2)「覚書」に含まれると推定される不平等な条文の最たるものは、住友不動産が他社との競争を経ずして自らが独占的に保留床を購入する「参加組合員」の権利を得る条文です。この他にも例えば、激安保留床単価を既成事実化させるために、住友側の裁量でコンサルや不動産鑑定士を起用できる条文、更には地権者に保留床の一部を購入させないための「増床制限」など、地権者側に不利となる様々な条文が「覚書」の中に組み込まれているものと考えられます。これらの疑念は本来「覚書」の全文が地権者へ開示されれば解消する筈ですが、不平等な内容が含まれているからか「覚書」は今も開示されず、疑念は深まるばかりです。

泉岳寺の準備組合は過去にこの「保留床買取り」への疑念を和らげようとしたのか、自らが発行する「準備組合ニュース」の中で「住友は保留床の買取りを約束している」と報じました。しかし、「いかなる条件で買うか」については一切言及しませんでした。(注3)
このような論点を逸らす説明は住友不動産だけでなく、多くの再開発業者が使う常套手段ですのでご注意ください。

(注3)再開発業者が参加組合員として「保留床を買取る額」(即ち、保留床処分金)は定額となりますから、あとは当該業者がどのような単価で床を買うかがとても重要になって来ます。再開発事業では保留床単価が低いほど保留床面積は増える仕組みですが、逆にその分だけ権利床面積は減り地権者は損をしますので地権者はこの部分で決して妥協すべきではありません。また業者側が唱える「地権者は等価交換して終わり」は業者側の単なる希望にすぎず、都市再開発法には「地権者は等価交換」だとする規定はどこにも明記されていませんので併せてご認識ください。

実際に再開発業者側が保留床を「適正価格」ではなく「激安の床単価」で買おうとする実態は、住友不動産や三菱地所が他地区で手掛けた再開発事例を見れば一目瞭然です。(注4)

(注4)当HPでは過去から多くのトピックスでこの問題を報じていますが、代表的なものとしては以下をご参照ください。
(217)住友の錬金術:1300億円の事業で含み益が1300億円?
(218)住友の錬金術(続編):もしも保留床単価が適正だったら…
(251)三菱地所に見る「激安保留床単価で大儲け」の仕掛け

 

もしも私たちの指摘が事実ではないと言うのなら、準備組合は直ちに地区の地権者に対し再開発業者と締結した「覚書」を開示し、疑念を払拭させるべきです。
しかし、残念ながら再開発業者側が不当に利益を得る様々なカラクリが「覚書」内に存在するからこそ再開発業者側は覚書を開示できないのであり、また支配下にある準備組合にも開示させないのだと考えられます。

どうしても開示したくなかった住友不動産!

再度、泉岳寺での事例を取上げます。
実は準備組合は過去に地権者側からの再三の開示要求に押され、「地権者が事務所へ来れば見せる」と回答したことがあります。
しかし、契約知識に疎い一般地権者が覚書を事務所内で見せられたところで、一体何がわかると言うのでしょうか?
この行為は昨年、静岡県伊東市長の学歴詐称疑惑が持ち上がった際、当時の田久保市長が引き起こした「卒業証書チラ見せ騒動」と全く同じ手口です。契約に疎い一般地権者に「覚書」をチラ見せしただけで「ほら見せましたよね!」はいくら何でもひどすぎます。
背後に住友不動産と言う業界大手の企業が付いていながらこのような幼稚な対応は呆れてものも言えません。
覚書は全文が開示され、専門家も交えて内容を精査することが必須です。
それを拒絶し続ける準備組合はもはや「地権者主体」の組織とは言えません。そのような準備組合を地権者は相手にすべきではありません。

まとめ

多くの準備組合は「地権者が主体」とは名ばかりで、その実態は再開発業者が主導する傀儡組織(=御用組合)です。
準備組合は単なる任意団体に過ぎず、地権者へ約束した資産評価額や補償条件などを守らなかったとしても法的責任を問えないことが最大の問題点です。この点を利用して巧みに準備組合内部に入り込もうとするのが一部の不動産業者です。彼らは準備組合を隠れ蓑にして巧みに自社の法的責任を回避しながら再開発を進め、地権者の犠牲のもとに自社利益の最大化を図ろうとしますのでご注意ください。

その様な準備組合は必然的に「隠しごと」だらけの組織となります。
従い、地権者はそのような組織を決して相手にすべきではありません。
また地権者側には「準備組合と対話をする義務」も実はありません。
従い、何かが不自然だ、不明瞭だと感じたら対話しないことが肝要です。

再開発は地権者の大切な土地資産の供出を伴う不動産取引なだけに、

「準備組合」は名実ともに地権者が主体となり
透明性をもって運営されることが絶対条件

ですから、再開発業者が準備組合との間で締結した「事業協力に関する覚書」さえ開示しようとしない「隠しごと」だらけの準備組合など論外です。
何かが不自然だと感じたら、関与する準備組合や再開発業者を相手にしないことが自己の土地資産を守るための最善の防衛策です。
「触らぬ神に祟りなし」と言う言葉がここにはピッタリかも知れません。

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