事業者側の説明によれば、「都市計画決定」(=法律による地域全体への網掛け)の実行に際し、港区が事業者へ要求している「80%の地権者同意の取得」を計算する際に、戸建て地権者は「1人1票」として計算するのに対し、マンションの場合は地権者が何人いようと「1棟全体で1票」なのだそうです。
まさに「1票の格差」です。
泉岳寺には119人の区分所有マンションがありますが、戸建地権者が1票の権利を有するのに対し、このマンションは119人が集まって1票なのです。
「1票の格差」は実に119倍もあることになります。
国政選挙でも格差は3倍以内ですから「119倍」はあまりにも大きすぎます。
上述の通り、私たちの住む港区では事業者に対し「8割の地権者同意」を取得するよう行政指導しています。しかしその「8割」の数字は事業者にとり極めて有利な方法(即ち、マンションは全体で1票と見做す方法)で算出されようとしているのです。フェアであるとは言えません。
今はまだ再開発が決まった訳でも何でもなく、単に民間企業である事業者が「再開発を進めたい」として地権者から同意を取り付けようとしているだけの段階なのです。公共工事が決まった訳でもない今の段階でマンション地権者の大切な権利が制限されることがあっては決してなりません。平等の原則に反するこのようなアンフェアなルールは深刻な財産権、或いは人権の問題と捉えることもできるのではないでしょうか?