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(103)これがマンション住民攻略の手口だ!

投稿日:2021年10月25日

トピックス(101)マンション区分所有者は「使い捨て」?(その2)では、「マンションは再開発に賛成だ」との虚偽の演出が行われた荒川区内の事例を紹介しました。今回は港区内で起きた事例を紹介します。
今般、当ホームページを見たと言う同区内のマンション区分所有者から、まさに当サイトで指摘した通りの住民誘導が行われているとの連絡があり、資料提供を願うと共に詳しい事情をお聞きしました。参考事例としてご紹介します。

今回取り上げる事例について

今回の事例は、
1.マンション管理組合理事に「準備組合理事」を兼任する人物がいる、
2.その人物が「管理組合」を利用して館内の区分所有者たちを再開発賛成へと日頃から誘導しようとしている、
と言う状況下で実際に起きた事例としてご認識ください。

先ずは同マンションで配布された添付「マンションかわら版」をご覧下さい。
この「かわら版」を発行したのは「再開発準備委員会」なる組織です。(マンション管理規約では、このような内部委員会の設置を認めているようです)
そしてこの委員会の委員長(個人情報につき氏名は黒塗り)こそが、まさに当サイトが指摘してきた「マンション管理組合理事」でありながら「準備組合理事」をも兼任する人物だと言う構図です。

マンション住民を意図的に再開発賛成へと誘導か?

さてこの「マンションかわら版」をよくご覧下さい。題目は「アンケート調査結果」ですが、見たとたん視界に入って来るのは

再開発 93%

なる記載です。多くの住民がこの数字を見て「えっ?」と驚いたそうです。
それもその筈、話を聞いてみればこのマンションでは以前から管理組合によるあからさまな再開発への誘導が行われており、このため多くの住民が無言の抵抗(=無視)を続けているとのこと。管理組合側が再開発関連の住民集会を何度開催しても、出席者は住民の1割にも満たないありさまで、結局、出席するのはいつも再開発賛成派の住民ばかりと言った状況。アンケートを実施しても、再開発へ誘導するような設問が目立つことから、無視を決め込む住民も多いとのこと。以上はあくまでも住民談ですが、仮にそれが事実であり、そのような状況下でアンケート調査が行われたのだとすれば、設問内容に疑念が残るのは勿論のこと、回答者も再開発賛成派住民が中心であった可能性が高く、それが結果として93%と言う高い数字となった可能性も否定出来ません。
数字と言うのは前提条件や集計のしかたにより大きく変動するため、「93%」と言う数字は「嘘」ではないのでしょうが、「大本営発表」的な色彩が強く、再開発に批判的な立場の住民からすれば、実態とはかけ離れた「ありえない数字」と言うことになります。
しかしながら、

再開発 93%

は館内の区分所有者に対し、「住民の大多数が再開発を望んでいる」と信じ込ませるには充分過ぎる表記であり、決してフェアであるとは言えません。
まさに管理組合を巧みに利用した「多数賛成」演出の典型例だと言っても過言ではありません。

マンション内の「かわら版」ですから、外部の人間がとやかく言う資格はありませんが、回答率が僅か6割であることから、当然アンケート結果の「精度」にも疑問が残りますし、また彼らが「93%」なる数字を「集計」だとしか述べておらず、敢えて「賛成」や「賛同」と表記していない点も妙に気がかりです。
(多少なりとも「良心の呵責」、或いは「住民反発への恐れ」があったのでしょうか?)

実はこのマンションには過去にも不当誘導の前歴がある

因みに、このマンションでは以前にも総会で、通常の維持管理を進める議案なのに敢えて「再開発を前提とした」なる冠をかぶせ、「再開発を前提としたマンション維持管理」の議案を可決させた前歴があります。手続き自体に違法性は無いのでしょうが、こちらも「再開発を前提とした」なる冠をつけることにより「区分所有者の大半があたかも再開発に賛成している」かの如く既成事実化を図ろうとする点ではアンフェアな手法だと言えます。尚、この決議に不信感を抱いた同マンション住民有志が、「同決議は住民の再開発への賛同ではないため、都市計画決定時の判断材料とはしないこと」を求める書簡を港区長宛に提出したそうです。まさに住民の意識の高さを象徴する事例だとも言えます。

まとめ

マンションは「住民による自治」が原則ですから、外部の組織がマンション住民の維持管理への考え方に影響を及ぼそうとするなど言語道断です。
従い、再開発を目指す「準備組合」が姿を変えて館内に入り込み、マンション区分所有者たちを再開発へと巧みに誘導しようとする行為は、もしそれが事実であれば決して許される行為ではありません。

皆さまのマンションで、
あたかも「再開発が前提」であるかの
議案や回覧が館内で回り始めたら要注意です!

しかし注意するだけでは問題は解決しません。マンション区分所有者の皆さまは自己の資産を守るためにも、是非ともマンション管理組合の運営には関心を持って頂き、もしそこに不審な点があれば、堂々と公の場で問題提起を行って行くべきではないでしょうか?

(注)本トピックスで取り上げたマンション住民攻略の具体的事例は、あくまでも住友不動産が地権者に対し不平等、且つ不透明な形で実行しようとしている再開発事業の実態を解明しようとする中で明らかとなったものです。従い、全ての再開発事業者がこのような手口を使うことを確認したわけはありませんので、この点はお含み置き願います。

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