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(234)住友不動産とトランプ氏の共通点(続編)

投稿日:2024年9月25日


前トピックス(233)では住友不動産とトランプ氏の共通点として

不正確な情報発信

を取り上げました。
本トピックスではもう一つの共通点である、

地域社会の分断

について取り上げます。

両者の共通点は「地域社会の分断」にあり

トランプ氏は大統領選において「アメリカを再び偉大な国に」(Make America Great Again)をスローガンに掲げながらも、就任後は「自己の信条」を優先させるべく次々と仮想敵を作り上げて行った結果、社会、経済、文化等、多くの分野で米国民を分断してしまったと言われています。

白人vs非白人
富裕層vs一般大衆
経営者層vs労働者階級

トランプ政権による米国社会の分断事例は枚挙にいとまがありません。
一方、住友不動産に目を転じると、彼らも表面上は「地権者ファースト」を標榜しながらも、実際には「自社利益ファースト」を貫こうとし、その手段の一つとして地権者を分断しようとする実態が地権者に見えてきました。

権利変換者vs転出者
土地所有者vs区分所有者
富裕層vs一般地権者

住友再開発における地権者層の分断事例は枚挙にいとまがありません。

但し、両者は具体的な手法においては違いもあります。
トランプ氏は自らが前面に立ち「仮想敵」を作り上げることで、結果として「米国社会の分断」を促進させてしまった側面があります。
一方、住友不動産は自らは前面に出ようとはせず、水面下で地権者同士を争わせることで「地域社会の分断」を促進しようとしているように見受けられます。
住友の方が、より陰湿な手法であることは言うまでもありません。

なぜ住友は「地権者を分断」しようとするのか?

その理由と背景は以下の通りです。
昨今、各地の地権者間による情報共有が進んだ結果、住友不動産が

地権者に事業リスクを負わせながら開発利益は自社で独占

しようとする実態が明らかになりつつあります。(注1)

(注1) 住友不動産が如何に莫大な開発利益を得ているかに関しては、
(217)住友の錬金術:1,300億円の事業で含み益が1,300億円?をご参照ください。また大手メディアも住友不動産を名指しこそしないものの、再開発業者が得る莫大な「含み益」について報道し始めています。詳しくは、(230)再開発業者の莫大な「含み益」を日経新聞も報道!をご参照。

この様な状況にあるだけに、住友不動産が恐れるのは「各地の地権者が一致団結して正論を以て住友再開発へ反旗を翻してくること」だと考えられます。(注2)

(注2)住友不動産が最も恐れるのは「激安保留床単価」のカラクリに多くの地権者が気付くことだと考えられます。実際、住友不動産は地権者に対して「権利床は従前評価に応じて決まります」などと言った「従前評価」の話題ばかりを持ち出す一方で、「保留床」や「保留床単価」については具体的な説明をしようとはしません。まさにこれは地権者の関心が「保留床単価」に向かうことを住友不動産が恐れている証拠だと言えます。

住友不動産としては、何としてでも地権者を敵に回すことだけは食い止めたい!そこで彼らが思いついたのが

地権者を分断すること

だと考えられます。

「地権者を分断」し、地権者同士を争わせておけば、
地権者が一致団結して住友側へ反旗を翻す心配がなくなる!

と言う算段です。
また地権者同士を争わせ、互いにエネルギーを消耗させ疲弊させておけば、それだけ住友不動産は自社に都合の良い施策を進めやすくなるといった恩恵もあります。
まさに住友不動産にしてみれば

漁夫の利

となります。(注3)

一方、これを地権者から見ると、

トンビに油揚げをさらわれる

となりますので、そうならぬよう地権者の皆さまはご注意ください。(注4)

(注3)漁夫の利とは、二者間の争いに乗じて第三者が利益を横取りすることのたとえを言います。
(注4)トンビに油揚げをさらわれるとは、大切にしていたものが不意に横から奪われてしまうことのたとえを言います。

地権者の分断事例

分断には様々なパターンがあるため、今後のトピックスに於いて順次詳しく説明して行きたいと考えていますが、代表的な「分断事例」としては以下のようなものがあります。

【事例①】

開発利益無しの従前評価方針で
「権利変換者」と「転出者」とを分断

都市再開発法には開発利益に関する規定が存在しないことを良いことに、多くの再開発業者は傀儡組合の役員や息のかかったコンサルや鑑定士等を使い「開発利益無しの従前評価」を組合に決定させようとします。
しかし、これは「権利変換者」と「転出者」との間に不平等をもたらします。
権利変換者の場合は「適正保留床単価」が確保される限りにおいて一定の「開発利益」を手にすることが出来る一方で、転出者の場合は「開発利益無しの従前評価」で転出補償金が支払われるため、開発利益の恩恵にあずかることが出来ません。同じ地権者でありながら両者には待遇差が生じるため、地権者がその実態に気付けば争いの原因となります。

【事例②】

増床制限を設けることで
「増床希望者」と「そうでない地権者」とを分断

保留床単価が激安であれば、地権者だって激安価格で増床したいと考えて当然です。そうでない場合でも「既存の床面積は確保したい」、「家族構成の変化に応じ、ゆとりある床面積を確保したい」と言った様々な理由から増床を望む声が出て来ます。しかし、

「地権者の増床」は保留床の減少(=開発利益の減少)に直結

することから再開発業者側としては何としてもこれを阻止したいと考えます。このため業者側は「増床は生活再建目的に限る」、「増床は資金力のある地権者を利するだけ」などと言った理屈を持ち出し、「増床希望者」と「そうでない地権者」とが互いに対立するよう仕向けることで、結果として増床に制限をかけようとします。
尚、ここで地権者が予め知っておくべき点が一つあります。それは、

「増床制限」は
地権者(=再開発組合)が決める事項

であり、「増床に制限をかけたい」と言うのは再開発業者の単なる希望に過ぎないと言う点です。(注5)
地権者は決して業者側の主張を額面通り受け取らぬようご注意ください。尚、この点に付いては、後日詳しく報じることとします。

(注5)そもそも再開発業者は事業主体ではないので彼らに決定権はありません。そう考えると、なぜ再開発業者が準備組合や本組合を傀儡化させることで主導権を握ろうとするのかがおわかり頂けるかと思います。

まとめ

「地権者の分断」は住友不動産(及びその他一部の再開発業者)が開発利益を独占するための一つの手法だと考えられますので、地権者の皆さまはくれぐれもご注意ください。

住友不動産が恐れるのは「地権者の犠牲のもとで開発利益を独占する」と言う彼らのビジネスモデルが地権者に見透かされてしまうことです。
ひとたびそのカラクリを地権者側に知られてしまえば、もはや住友不動産は正論を以てこれを正当化させることは難しくなります。

そこで住友不動産を含む一部の再開発業者が考え出したのが、

あらゆる機会を捉えて「地権者を分断」させる

と言う手口です。

トランプ氏と住友不動産とは「国」や「立場」のみならず「目的」や「対象相手」まで異なりますが、両者には「地域社会の分断」と言う共通点が存在することから、両者を単に「似て非なるもの」として片づけるわけにはゆきません。地権者の皆さまはくれぐれもご注意ください。

尚、「地権者分断」の具体例には様々なパターンがありますので、今後のトピックスにて順次詳しくお伝えして行く所存です。

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