本トピックスは(107)住友不動産さん、逃げないで!(その2)からの続きです。
住友不動産は、地権者側が提出した公開質問状
(質問状、要望書、提案書)への回答を拒絶しました。
(詳細はトピックス(97)住友不動産が回答を全面拒否、をご参照下さい)
地権者からの質問に住友不動産は「門前払い」をしたのですから事態は深刻です。
再開発で何よりも大切なのは「地権者との信頼関係の構築」です。それを放棄したに等しい住友不動産の今回のこの行為は、再開発事業者の取るべき対応ではありません。「信頼関係」の喪失を覚悟してまで「回答拒絶」の道を選択したのですから、よほど答えたくはない(又は、答えられない)事情があったのだと推測されます。しかし、業界大手の住友不動産ともなれば正面切って地権者に対し「答えられない」とは言えません。そこで彼らは「自分たちは事業協力者にすぎない」との理屈をつけて拒絶したのだと考えられます。
彼らがいかなる理屈を述べようと、泉岳寺で再開発計画を実質的に主導するのは住友不動産であることは周知の事実です。彼らは、「事業者」(=準備組合)の理事も兼務していますし、更には、その組織へ常駐者まで出しているように見受けられます。実際に準備組合事務所へ日々出入りするのは住友不動産とその関係先の社員ばかりで、地元地権者の存在感など殆ど感じられません。最近では「準備組合事務所」を「住友の営業所」と呼ぶ地権者まで現れました。
ここまで深く関与していながら、住友不動産は「事業協力者」だから何も書面では答えられないと言うのです。極めて無責任な対応であり、デベロッパーとしての資質に欠ける行為であると言っても過言ではありません。
住友不動産の「地権者の声を聞こうともしない」対応は実に残念です。住友不動産は他の地区でもこのような対応を地権者に対して行なっているのでしょうか?
彼らが理由を付けてまで頑なに回答を拒む背景には、よほど住友不動産の社名を出しては答えたくない(=答えられない?)何らかの事情があると、どうしても思わざるを得ません。
住友不動産しか答えられない質問でさえ回答を拒否!
因みに
地権者側の公開質問はどれも正論ばかりです!
質問の中には、
「土地から床への変換の問題」
「マンション区分所有者のいわゆる1票の格差問題」
と言った、準備組合レベルでの回答には適さない、地権者の「財産権」や「人権」にも係わる重要な問題も含まれています。また「準備組合」の理事たちが自分たち専用の住居を仲見世の地に建設しようとしていたことが疑われる
「仲見世優遇住宅疑惑」
のように、もはや自浄能力の欠如した準備組合に代わり、住友不動産が責任を持って説明すべき問題も含まれています。
住友不動産は、本来回答すべきこれらの重要な問題に関しても、「自分たちは事業協力者にすぎない」との理由で一律に回答を拒否してきたのです。
口頭では地権者に対して都合のよい話ばかりをしておきながら、都合の悪い質問には一切答えようとしないこの会社の姿勢はいかがなものか?
責任ある大企業の取るべき行動ではないことに私たちも大変驚いています。
まとめ
前トピックスでも記しましたが、
もし再開発が住民の利益になるとの確証があるのなら、住民の疑問や要望に答え、抽象的な形ではなく具体的にそれらを書面にて住民へ回答すると言うのが再開発事業者の役割であり責務です!
森ビルは「六本木ヒルズ」の再開発事業で事業者としての責任を果たしました。
森ビルは「事業協力者」だからと言う理屈で地権者から逃げることはしませんでした。当時の森社長は自ら住民団体と接見し、そして決断を行ないました。
その結果、保留床の一部が地権者のために提供されることとなりました。
森ビルはまた「住宅管理費の低減」や「権利変換率」に関しても地権者へ書面による保証を行いました。地権者にとり、「生活再建の保証」や「事業費が変動しても権利変換率が減らされないことの保証」は大きな安心に繋がり、結局その後、再開発事業は進むこととなり、そして現在の「六本木ヒルズ」があります。
森ビルにできて住友不動産に出来ない筈はありません!
住友不動産は世間も認める大手不動産企業なのですから、いつまでも「私たちは事業協力者にすぎない」などと言った「弁解」に終始することなく、地元地権者たちの提起した公開質問(質問、要請、及び提案)に対して真摯に向き合い、地権者が「理解」し「納得」できる説明を書面で行うことが先決ではないでしょうか?
住友不動産さん、
今や世間があなた方の対応を見ています!
地権者側の質問には誠実に答えるべきです。
逃げてはいけません!