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(168)3分でわかる「住友再開発」での注意点

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「再開発は初めて」と言う皆さんへ!

住友不動産との付き合いは、「ある日突然、自分の土地資産が再開発予定区域に指定され、その背後に住友不動産がいることを知った時」から始まるケースが多いようです。しかし、いきなり再開発だと言われても、地域で長年平穏に暮らしてきた地元地権者たちには「何のことだかさっぱりわからない」と言うのが実状ではないでしょうか?
当地区の地権者の多くも最初はそうでした。
再開発の知識などまだ皆無に等しい地権者の元へ住友不動産の社員はすかさずやってきます。彼らは先ず住友不動産の名刺を地権者へ手渡すことで相手を安心させます。その上で「持ち出しなしで新築マンションに移り住める」などと言った甘い話ばかりを持ち出し、具体的な条件説明すらしないまま、「とりあえず再開発への同意を」、「皆さま同意されています」、「ハンコは三文判で結構です」などと言って地権者から同意を取り付けようとします。
何が何だかよくわからないまま住友不動産社員に促され、彼らを信じて再開発への同意書にハンコを押してしまった地権者も多数いたようです。

地権者の無知に乗じて出来るだけ多くの同意をかき集める。
これは住友再開発の手口ですのでお気をつけ下さい!

当地区では再開発への勧誘が始まってから既に5年が経過しました。
有名手品師による巧みなマジックショーも、5年間も見続けていれば自然とカラクリが見えてきます!住友再開発もこれとまったく同様です。
本トピックスでは当地区の地権者が見た「住友再開発の実態と注意点」を、今回は特に「再開発は初めて」と言う皆さまに向けて、地権者目線でわかりやすくお伝えして参ります。

そもそも「再開発」とは何か?

住友不動産が各地で展開する再開発事業の多くは「第一種市街地再開発事業」と言い、それは地権者の方々が自らの発意と合意により、事業リスクを引き受けながら協同で進めて行く「街づくり」です。
重要なのは「再開発は地権者が主体となり進める事業」だと言う点です。
そしてその事業を検討するために組織されるのが「準備組合」です。
当然、準備組合も「地権者主体」で組織・運営される必要があります。

では「住友再開発」の場合はどうか?

住友不動産は営利目的で再開発を進めようとする業者ですから、当然地元の地権者とは利害が異なります。その彼らの目に映る再開発とは?
それは地権者に土地を供出させることでその土地の上に再開発ビルを建設し、そこで創出される床(保留床)を住友不動産が安値で買取ることで、自社利益の極大化をめざす地上げ事業だと捉えることができます。
残念ながら、そこに地権者の主体性はまったく見られません。
住友は「再開発」へ持ち込むことさえ出来れば、容積率の大幅緩和を通じて高層ビルの建設が可能となり、広大な面積の保留床が確保できる他、「事業リスク」を地権者に負わせ、更に行政からは数十億円規模の補助金まで貰えると言うのですから、彼らにとってはまさに「笑いの止まらない事業」だと言っても過言ではありません。
しかし、住友再開発に於いては、住友不動産ばかりが潤う一方で、地権者への恩恵は殆ど期待することができません。
そもそも再開発は地権者の土地資産の供出があってはじめて成立する事業であるにも関わらず、住友再開発のもとで、地権者は事業リスクをとらされた上、等価相当の「床」しか貰えないのですから不公平だと言わざるを得ません。しかも土地所有者に至っては大切な「土地」を「床」と言う減価償却資産と交換させられることで、時間の経過と共に資産価値を減らして行く(=損をする)のですからたまったものではありません!
これが住友再開発の実態なのです。

なぜ住友は執拗に同意を求めてくるのか?

住友不動産が進めようとしている再開発(第一種市街地再開発事業)は地権者による合意形成が大前提となります。区市町村により若干の運用の違いはありますが、港区の場合は第一段階である「都市計画決定」の実行に際しては、「概ね8割の地権者同意」がその要件とされています。
つまりこの要件が満たされない限り原則として再開発は始まりません。
そこで住友不動産は、地権者がまだ無知である初期の段階において、出来るだけ多くの同意を地権者からかき集めようとする行動に出るのです。

当地区のように勧誘から5年も経過すれば、地権者側にも再開発に対する「知識」と「知見」が身につき、同意する地権者は激減します。住友再開発に応じても決して地権者の得にはならない実態が見えて来るからです。
しかし5年が経過し、「もうこれ以上の勧誘は迷惑行為だ」との声が高まる中でも、住友不動産の社員は再開発に不同意の地権者に対して執拗に同意を迫ってきます。その理由は、同意率を高めない限り彼らは再開発のスタートラインにさえ立つことができないからにほかありません。
彼らのそのような行為は、地権者の意思を軽視するだけでなく、「地権者が主体」と言う再開発の基本理念からも完全に逸脱するものです。

住友が「準備組合」を支配する仕組み

再開発は「地権者が主体」となり進める事業ですから、住友不動産が単独でこれを推進することは出来ません。そこで住友不動産は「準備組合」を自ら実効支配することで、自社の営利目的の再開発事業があたかも「地権者が主体」であるかのように装うのです。地権者を軽視したひどいやり方であり、そのような準備組合はもはや住友不動産の御用組合だと捉えるべきです。

それでは住友不動産は実際どのような手口を用いて「地権者が主体」である筈の準備組合を実効支配して行くのか?
その仕組みとカラクリについては次トピックスにてお知らせして参ります。

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